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36:罠

「もう少しで盗賊のアジトに着くので、ここからは精霊に従って行ってください。」

「ご健闘をお祈り申し上げます。」


アジトの近くまで案内してくれたエルフたちが頭を下げて言う。


「わかった。ありがとう。」


俺とミシリはエルフの言う通り、緑色に光っている精霊の後を追った。


後を追って15分ぐらいだろうか、小さな洞窟が出てきた。精霊は洞窟の前に止まった後、ゆっくりと消えていった。辺りを見渡すと、不思議なくらいに木が一切ない。それに加えて、もう夕暮れ。暗くなる前に終わらせたいが、無理だろう。


「No.5640 準備はいいか?」


「大丈夫です。いつでも。」


俺たちは深呼吸をした後、馬から降りてゆっくりと洞窟の中に入っていった。洞窟の中は湿度が高く、ずっとここにいるのは気持ちが悪い。また、奥に進むにつれて少しずつ寒くなっていく。


「準備しろ。」


俺はミシリに短剣を構えさせた。いつ何時、襲ってくるかわからない。それに、一本道であるため、挟まれたりして慌てて短剣を構えるのに時間がかかってしまう。


奥へ進んでいくと、大きな広場に出た。暗くてよく見えない。しかし、前の方からゆっくりと光が近づいてくる。目を凝らしてみると、複数人が松明を持ってこちらに向かってきている。


「3人だ。作戦通りにいく。」


「了解。」


ミシリは気配を消しながら近づく。


俺は3人に気を引かせるために、口笛を鳴らす。


ピーーー!


大きな広場であるため音が大きく反響する。


「ん?」

「なんだ?」

「侵入者か?」


3人が困惑している最中にミシリは背後から3人の首を斬った。


「完了。」


俺はミシリが斬った3人の首を見る。しっかりと声帯まで斬っており、暗殺者としての知識はしっかりと前世のまま残っているようだ。ミシリを連れてきて間違いなかったと俺は思った。


「奥に進むぞ。」


俺たちは奥へ進んだ。大きな広場の奥にはまた細い道がり、進んでいく。もちろん、敵が持っていた松明など持ってきていない。暗くてよく見えないが、慎重に進む。しかし、進んだ先は行き止まりだった。そして足元には体を包むことができる布と食料があった。


嫌な予感がする。


「先輩...これって...」


ミシリが不安そうな声で俺に尋ねる。


「今すぐ、引き返すぞ!!」


俺たちはすぐに進んできた道を引き返した。よく考えて見ればそうだ。辺りに木が一切無く、いかにも怪しい洞窟を表していた。これは俺たちを誘導する罠だ。完全にはめられた。


すぐに洞窟を出たが、辺りはもう暗かった。今からエルフの隠れ家に引き返しても...いや、そんなことを考えている場合じゃない!!


「ミシリ!馬に跨がれ!!」


「了解です!!」


俺たちは馬に跨ってすぐに引き返した。その道中に俺たちを案内してくれたエルフが刺されて殺されていた。しかし、今はそんなことを気にしている場合ではない。一刻も早く戻らなければ...


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「大丈夫かな...」


ウタは部屋の窓の方を向いてボソッと呟いた。


「大丈夫ですよ。ミナトさんがいるのですから。」


そう言ってマナはウタにお茶を出した。


「そうだよね!てか、今日の晩御飯何かな〜」


ウタはあまり気にせず、他のことを考えた。








『ご馳走様でした!』


アーシャが作ってくれた晩御飯を食べ、ウタはゆっくりとしている。


「片付けますね。」


アーシャがそう言って皿を片付けている時、


ドカァァァァーン!!!!


外から大きな爆発音が聞こえてきた。それに続けて、


「盗賊だ!!!!」

「逃げるんだ!!!!」

「武器を構えろ!!!!」


外から声が聞こえてくる。


「とう...ぞく...?」


アーシャはすぐに族長がいる部屋へ向かった。

残されたウタ、ミントは困惑し慌てていた。


「ど、どうするの?」


ウタがマナとミントに聞く。


「どうするって...ミナトさんたちは!?」


ミントが答えようとするが、慌てて何をすればいいのかわからない。

しかし、一番落ち着いていたマナが口を開く。


「慌ててはなりません。今は落ち着いて指示を待つしかありません。」


「なんでそんな落ち着いていられるのよ!」


ウタがマナに言う。


「慌てたところで何か解決するのですか?ミナトさんなら慌てずに状況を整理するはずです。」


「そう...よね。ごめん。」


ウタは深呼吸をして落ち着かせた。ミントもウタと同じように深呼吸して落ち着かせる。


数分後、アーシャが息を切らしながら戻ってきた。


「皆さんはここに運ばれて来る負傷者の手当てをお願いできますか!?」


「わかりました。すぐに手当てができる状態にしておきます。」


マナはそう言って、手当てのできる環境を作り始めた。ウタとミントはマナの指示に従いながら手伝う。


「今は私たちにできることだけを考えましょう。」


マナはそう言って運ばれてきた負傷者の手当てを行った。 


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


俺たちがエルフ族の隠れ家に戻ると、悲惨な状態だった。周りの木は燃えており、エルフ族の人たちがありとあらゆる所で倒れていた。


「おい!しっかりしろ!」


俺は馬から降りて、倒れている数人のエルフたちの体を揺さぶりながら話しかけたが、反応がない。


「ミシリ!みんなのところへ急ぐぞ!」


「了解です!!」


向かうと、大きな声が聞こえたりしてまだ戦闘状態のようだった。俺たちが泊まっていたところはかろうじて残っていた。しかし、これは時間の問題だ。


「俺たちは背後から奇襲をかけるぞ。」


「了解...です。」


こんなことになるとは思ってもいなかったが、仕方ない。それによく見ると、ミシリの表情は不安と恐怖で支配されていた。


「大丈夫だ。俺がいる。No.5640。」


俺はミシリの手を強く握った。


「はい。」


ミシリは目の色を変えた。

俺たちは気配を消して、背後から奇襲をしかけた。


「隠れスキル...暗殺者...」


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『隠れスキル、暗殺者を使用』

『攻撃力、防御力、あらゆる力が向上します。』


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最後まで読んで下さりありがとうございます!!

37話は来週の土曜日18時頃に投稿予定です!!


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