25:146階層(2)
俺は後ろからの攻撃によって壁に打ちつけられる。
痛い...痛い...どうすれば...
俺は痛みに耐えながらもヨロヨロと立ち上がり、コングの方に顔を向ける。すると、マナが一人でみんなを守っていた。みんなはマナの後ろで倒れている。
「土の精霊よ!私に力を!アースウォール!」
マナの前に大きな土の壁が下から出てくる。しかし、コングはその壁を簡単に拳で壊す。
ドカァァァァーン!!!
マナは慌ててもう一度土の壁を出すが、それも簡単に壊されてしまう。
俺は痛む体を無理に動かしてマナの方に向かうが、頭に大きな衝撃が走る。
殺せ...殺せ...殺せ...殺せ...
「グッッ!!!」
マナの精霊魔法が解けて...しまったのか!?いや、耐えるんだ俺...
俺は頭の中で響く声と体の痛みに耐えながらも、マナの近くに行き、コングを狙う。
弱点把握!
足首がうっすらと赤く光る。
「オラァァァァ!!!!」
俺は剣を抜いて、全速力でコングの足首を斬る。
スパァァァン!!
「マナ!みんなを!」
俺はマナにみんなを任せて、俺はコングを引き寄せる。コングは俺の方を向き、歩いてくる。
俺は何度も動き回りながらコングの足首や手首、胴体を斬りつける。
「まだ動けるのかよ!!クソ!鑑定!」
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《ステータス》
名前:魔術のコング
レベル:1246
H P:61800/72000
攻撃力:121000
防御力:42700
スキル:威嚇、幻影、困惑
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「まだ体力あんのかよ!?硬すぎるだろ!」
いや、弱気になっちゃだめだ...まだ、動ける!
俺は何度も立ち上がり、コングの攻撃を避けながらも攻撃を与える。体が大きいおかげで、当てやすい。
「ハァハァハァ...嘘だろ?まだ動けるのか!?」
俺はコングと距離をとるが、コングはすぐに距離を詰めてくる。
「斬っても斬っても意味がなiッッ! ガァァァァァァァァァ!!!」
殺せ...殺せ...殺せ...殺せ!!!!!
俺の頭の中で誰か叫ぶ。痛い。痛い。もう...だめだ...
その後俺の視界は真っ暗になった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ボス。谷沙耶の件ですが...」
「どうした?」
「ビスケス国にいないとの情報が入りました。」
「どこにいる?」
「トーラス国のようです。」
ボスはニヤニヤしながら
「ちょうど良い。谷沙耶と獅子湊を捕まえろ。」
「了解しました。ビスケス国は?」
「もう用はない。全部隊をトーラス国へ!」
「了解しました。」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
私が目覚めると、先輩が一人でコングに立ち向かっているのが見えた。
「癒しの精霊よ!私に力を!ヒーリング!」
私は声のする方へ向くと、マナがウタとミントの回復をしていた。
「わ、私サポートします!」
慌ててサポートをしようとした時、
「ミシリさんは休んでいてください!」
マナが大声で言う。
「い、いやでも...」
「自分のことを心配してください!」
確かにそうだよね...今の私では足でまといになるかもしれない。今じゃ魔法もあまり長時間使えないし...
私はその場でじっとしていることしかできなかった。その時、
「ガァァァァァァァァァ!!」
いきなり湊が叫び出す。その声を聞いてマナが先輩の方に振り向く。
「み、ミナト!!ミナト!」
「ミナトさん!」
ダメだ...私の声もミントの声も届いてない...どうしよう...
「ミナト!ミナト!.......」
私は何回も呼んだが、先輩は蹲っているだけで動きもしない。すると、ミントが精霊魔法を使う。
「光の精霊よ!私に力を!フィルトレ!」
しかし、先輩は蹲ったまま。コングは先輩の近くまで行き、大きく拳を振り上げ先輩を殴る。
ドカァァァァーン!!
「先輩!!」
「ミナトさん!!」
コングが振り下ろした拳は地面に大きな穴をつくった。しかし、そこには先輩の姿がない。
「殺せ...殺せ...殺せ...殺せ!!!!」
どこからか先輩の声が聞こえる。そして私は察した。先輩は謎の声に体を乗っ取られてしまったことを。
先輩はすごい速さでコングを斬りつけるが、そのスピードと強度が剣に合っていないため、剣が割れる。しかし、先輩は剣を捨てて、拳で殴りかかる。
ボコッッッ!!ボゴッッッ!!
コングはその攻撃によって後ろに倒れる。
『え?』
私とマナは驚き固まる。
いや、先輩たしか...ドラゴンの時も拳で倒してたよね...
コングは後ろに倒れても先輩は容赦なく顔を殴り続けて、しまいにはコングの目玉をえぐり取る。
ウォォォォォォォオ!!
コングは叫びだし暴れ出す。しかし、先輩は高く上に飛んで避け、そのまま天井を蹴ってコングの顔を殴る。
ドカァァァァーン!!!
砂ぼこりによって何が起きたのか私は理解できなかったが、その砂ぼこりがやむと、先輩の倒れた姿が目に入った。
「先輩!」
「ミナトさん!」
私とマナはすぐに先輩の方に駆け寄り、マナが治癒する。
「癒しの精霊よ!私に力を!ヒーリング!」
先輩の拳は血まみれで体もボロボロだが、生きている。私とマナは先輩が目を覚ますまで、そこでじっと待った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺が目を覚ました時、ミシリとマナが俺の顔を覗き込んでいた。
「先輩!」
「ミナトさん!」
あれ...俺は...そうか、終わったのか...
「み、みんなは?」
俺がそう言うと、ミシリとマナの後ろから顔がヒョコっと出てきて、
「大丈夫よ!」
「大丈夫です!」
ウタとミントが言う。
それにミシリとマナがびっくりする。多分、ウタとミントが目を覚ましていたことに気づかなかったのだろう。
「よかった...それで...どうなった?」
「ひ、146階層...攻略しました!」
ミシリが涙目になりながら俺に言う。
「そうか...」
俺は安心した。みんなに もう少し休んで となんか言われたが、俺は気にせず起き上がった。
「ゆっくりしてから、このダンジョンから出ようか...」
俺はみんなにそう言ってゆっくりと146階層で休んだ。
しかし、ダンジョンで攻略達成していた間にラックキルがトーラス国を侵攻していたなんて俺たちは知らなかった。
最後まで読んで下さりありがとうございます!!
次の26話は明日の18時頃に投稿予定です。
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