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22:転生者

俺が宿に戻ると、ウタはみんなとは違って座らず待っていた。


「何してたの?」


少し強い口調で俺に尋ねる。


「あ、ちょっとな。冒険者ギルドに寄ってたんだよ。」


「なんで行ったのでしょうか?」


マナが疑問に思う。


「冒険者ギルドっていろいろな情報が載ってる掲示板があるから、リブラ国についての情報を見てたんだ。」


「なんで私たちは行っちゃだめなのよ?」


ウタがさっきの口調よりも強い口調で言う。


「それはみんな疲れてるだろう?宿と冒険者ギルドは反対の方向にあるから...」


ウタは何も言わずにみんなと同じように座る。


「リブラ国についてなんかわかりましたか?」


今度はミントが尋ねる。


「ああ、クッブが言っていた通りに虐殺などを繰り返して、人々が他国に逃げているらしい。それ以上にまずいのは、リブラ国がビスケス国に攻め込んでいることだ。そして、リブラ国とビスケス国を繋ぐビスケス国にあるネービア町がリブラ国の兵によって支配された。」


俺が話終えると、みんなは硬直していた。リブラ国がそこまでしているとは思ってもいなかったのだろう。それに、マナはリブラ国王の娘となると言葉では表せない程の責任を感じているのだろう...


「私の父はそれを指揮しているのでしょうか?」


マナが俺に小さい声で聞く。


「わからない...」


話すタイミングを間違えてしまった...こんなに疲れている時に話すべきことじゃなかったか...でも、今話さないかったらいつ話す?どうしたらよかったんだ...


「ちょっと外の空気吸ってきます。」


マナそう言って部屋から出て行った。

俺は何をしたら良いのかわからずに、ただマナが出ていく姿を見るしかできなかった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「ボス。ビスケス国にあるネービア町を支配しました。」


「そのままビスケス国を攻め込んで行け。そこにいる谷沙耶を捕まえろ。」


「その女はたしか...」


「ああ、そうだ。だから、お前が行って捕まえてこい。」


「了解しました。」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


私の父はいつも温厚の人だった。誰にでも優しく接して国民から愛されている人だった。だけど、いつから変わったのだろう。母親が亡くなった頃だろうか、急に人格が変わったのは。表では良いことを振る舞った。しかし、裏では優しく接していた執事を怒鳴ったり、私を見下したりしていた。亡くなったことがショックのあまり誰かに八つ当たりしているだけど、そう思っていた。


でも、ここまでくると八つ当たりなんて言えない。どうすればいいの...お母さん...


「助けてよ...」


「俺でよければ助けるよ。」


湊の声がマナの耳に届く。マナは後ろを振り返る。そして、マナの目に映ったのは走って追っかけてきた湊の姿だった。


「仲間だろう...頼ってくれよ。」


「でも...」


「大丈夫だ。俺がいる。」


湊はそう言ってマナの見つめる。


「ありがとう...」


マナは湊を抱きしめる。そしてマナが落ち着いた後、宿に戻った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


俺は戻った後、今後の予定について話し合う。


「俺の目的としてはボスというやつの倒すことだ。それに、マナさんの父親も何かが鍵となって操られていると俺思う。」


「私もミナトと同じ目的よ。」


ウタが答えるとマナ、ミント、ミシリが頷く。


「そのためには俺たちが強くならなければならない。それに、あそこまで派手にやっているということは、俺たちもまた狙われる可能性がある。」


俺たちは長い時間話し合った。気がつければ辺りは真っ暗になっていた。


「長い時間話し合ったな...もう風呂に入って寝よう。」


俺がそう言って長い話し合いは終わった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


翌日、俺は誰よりも早く起きて、クッブが俺のポケットに入れたであろう弾薬をマガジンに詰め込んで、近くの森で発砲した。


問題なく撃てるか...弾薬は残り4発。撃つべき場面を見極めないとな...


俺は撃てることが確認したら、すぐ宿に戻った。


まだ、誰も起きてないはず...あ...


俺が戻るとミシリが起きていた。


「ミシリ。起きたのか?」


俺ば小声でミシリに尋ねる。


「は、はい。と、ところでな、何してたんですか?」


「銃の試し撃ちしてたんだよ。」



そう言うとミシリはわかっていたかのようにクスクスと笑って、


「みんなが起きるまでちょっとの間この辺りを散歩しませんか?」


「え?あ、うん。」


今つまらずに話したよな?あれ...いや、気のせいか?


俺はミシリと一緒に部屋を出た。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「どうして散歩したかったんだ?」


俺はミシリに尋ねる。


「本当は夜空を眺めたかったんですけどね...」


俺はそのことを聞いて察した。カナ•ミシリは俺の後輩であると。


「お前も転移者か?」


ミシリに聞くとニヤリと笑って、


「うーん...それに近いですね。それと、お久しぶりです。先輩。」


「こ、後輩なのか?」


「そうですよ。皆さんには内緒で。」


なんでこのタイミングで...今までのは演技だったのか?


「親が死んだとか言ってたじゃないか...」


「あれは本当ですよ。先輩は転移者ですけど、私は転生者です。」


転生者...この世界には転生者もいるのか...


「なぜ今まで黙っていた?」


「先輩に気づいてほしかったからですよ。」


「敵...なのか?」


「私は先輩の仲間です。」


まさか、仲間のミシリが元いた世界の後輩だったとは。


「なんでこのタイミングなんだ?」


「それは何でもかんでも先輩が一人でしようとするからですよ。」


俺は意味がわからなかった。それだけの理由で転生者と言うのだろうか?


「先輩が私のこと知ったら、前いた世界のように頼ってくれるかな と思って...」


「わかった。こらからは頼らせてもらう。しかし、なぜ仲間には言えない?」


「あれだけ良くしてもらって、今更言えませんよ。」


「そうか...」


俺は意外にも落ち着いていられた。何度かミシリを後輩として思っていたことがあったからだろうか。


俺とミシリは何も喋らず宿に戻った。

最後まで読んで下さりありがとうございます!!

明日の18時頃に第23話を投稿する予定です!!

《お願い》

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