19:まったり温泉
「ここがトーラス国か...」
俺たちは無事に着くことができ、疲れを癒すために一日だけ宿を取ることにした。
「ここの宿、温泉があるらしいですよ!」
ウタが目をキラキラさせながら俺に言ってくる。
「俺は男だから、一人で入るけどな。」
「えー!バレなきゃ犯罪じゃないですよー...」
「そんなこと言うな。俺はすぐに入ってこの宿でゆっくりする。みんなは自由に行動してもらっても構わないぞ。」
俺がそう言うと、ウタたちは宿を出てこの町を散策しに行った。いや、温泉入らんのかい!と心の中でツッコミをした。俺はというと温泉を堪能する。
「ふぅ〜...気持ちが良いな〜」
「兄ちゃん。冒険者か?」
俺は一人だと思って堪能していたが、一人ガタイのいい男が先に入っていた。
「冒険者です。えっと...」
「あ〜。俺の名前はリーナー•クッブだ。俺も同じで冒険者だ。」
「そうなのか...俺は獅子湊だ。クッブさんは地下ダンジョン目当てですか?」
「いや、俺は単なる観光目的だ。後、敬語はやめてくれ。なんか堅苦しい。」
クッブはデカい声で笑いながら、そう言ってくる。
「そうか...」
「あ!兄ちゃんも冒険者だから知っていると思うが、リブラ国今やばいらしいな。」
「り、リブラ国がどうしたんだ?」
「え?知らねーのかよ。実は最近、リブラ国から逃げる人が多いんだよ。」
「逃げる?リブラ国ってそんなに危ない町なのか?」
俺はリブラ国の素性を知っているが、ここはあえて知らない方がいいだろう。
「いや、最近になってよ。人々が虐殺されてるって噂が流れてるんだよ。」
「虐殺?なんで......」
俺はクッブからリブラ国の現状について教えてもらった。
今のリブラ国は問答無用で国民たちが兵へとされているらしい。もしかしたら、他国に戦争を持ちかける準備をしている可能性がある。それに、虐殺をしているのは兵になるのを断ったり、気に食わない者やリブラ国から逃げようとしている人々を虐殺しているらしい。今は国全体がスラム状態になりつつあるとのこと。だから、今はリブラ国に行かない方がいいと...
「兄ちゃんも冒険頑張ってくれ。俺はお先に。」
「おう。ありがとう。」
クッブさんはそう言って先にあがっていった。
まさか...リブラ国が...これは思っていた以上にまずいぞ...
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ミナト、なんか元気なかったねー」
ウタがミナトことについて言う。
「そうですね。きっと旅で疲れたのでしょう。」
マナがウタに言う。
「なんというか、みんなで元気つけたいよね。」
ミントがミナトを元気つけたいとみんなに言う。
「まぁ、今はこの町を散策しよ!ってミシリは?」
「ミシリさんはなんか疲れたようで宿に戻ったそうです。」
「途中まで来てたじゃん!まさか...ミナトを...」
ウタはミシリが抜け駆けしてるんじゃないかと疑うがマナが それはない と言う。
ミントもマナと同じようにツッコむ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「俺もそろそろあがるか...」
俺はあがって着替えて部屋に戻る途中、ミシリの姿が見えた。
なんでミシリがいるんだ?部屋に忘れ物か?
俺は恐る恐る部屋に戻って扉を少し開けて、ミシリが何をしているか様子を伺った。
何か探してる?忘れ物だったか...俺も探した方がいいな。
俺は何か勘違いしていたようで普通に扉を開けて中に入る。
「ミシリか。何か忘れ物か?」
俺がそう尋ねるとミシリは顔を赤くする。
「い、いや別に...つ、疲れただけ。」
「顔赤いぞ。熱でもあるのか?」
俺はそう言ってミシリのおでこに手をつける。
「ひ、ひゃい!」
「あっ!すまない。」
やっちゃった〜!いきなりおでこ触るとかキモいよな。つい心配で...反省しなきゃ。
「わ、私も疲れたので、お、温泉入ってきます。」
そう言ってミシリはそそくさと部屋を出て行った。
俺は戻ってきたらちゃんと謝ろうと思った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ボス。獅子湊はトーラス国にいるという情報が入りました。」
「トーラス国か...いや、まだだ。」
「では、どうなさいますか?」
「そうだな...リブラ国の北側にあるビスケス国を攻めろ。」
「了解しました。」
「あともう少しで"あれ"が完成する。それまで...」
ボスはククッと笑ってニヤける。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ミシリが温泉からあがって、部屋に戻ってきた。
「ミシリ。さっきは急に触ってしまってごめん。心配で...」
「だ、大丈夫です。」
部屋に二人っきりで気まずい空気が流れる。
「あ、あの隣座っていいですか?」
ミシリが湊に言い、湊はそれを許可する。
「じ、実は私トーラス国出身なんです。」
「そうな!?それじゃー地下ダンジョンについて詳しいのか?」
「い、いえ、私は性格的にお、臆病で...」
なるほど...地下ダンジョンには行ったことがないということか...でも、なんで冒険者なんてやっているんだ?を疑問に思い、尋ねてみた。
「そ、それは...」
「あ...言いたくなかったら言わなくていい。ごめん。無神経で...」
「い、いえ。は、話します。わ、私の両親は私が8歳の時に、し、死んでしまって...」
これはまずい...とても重い話だ...
「ひ、一人で自立しなくちゃい、いけなくて...そ、それで...」
ミシリの目から涙が流れる。俺はミシリを抱きしめた方がいいと思い、抱きしめた。
「もう言わなくていい。辛かったよな。よく頑張ったな。今は俺がいるから安心してくれ。」
そう言うとミシリが俺を抱きしめる。俺たちが抱き合っていると、いつの間にか眠ってしまっていた。
次に目が覚めると、辺りはもう薄暗くなっていた。俺は水を飲もうと机の方に立ち上がって取ろうとした時、目の前にウタとマナ、ミントがいた。
「え、いや、これは...」
「ミナト。まさか手はだs」
「してません!見ろ。服着てるだろ。」
「信用できません。それに、キスなら出来ますよね?」
「ま、マナさん。俺はミシリとそんな関係じゃないぞ!」
そう言っているうちにミシリが起きる。
「なぁ!ミシリ!普通に会話してただけだよな?それで気づいたら寝ちゃっただけだよな?」
頼む!寝ぼけずに答えてくれ!
「は、はい!普通に私のことをは、話していただけです!」
寝ぼけずに答えてくれた!これなら...
「ウタとマナさん。これなんか言わせてる感ありません?」
「み、ミント。それは誤解だぞ...」
俺はまた正座させられて、色々と聞かされた。幸い、理解してもらえてなんとか命は助かった。
翌日
俺たちは宿出て、無事に地下ダンジョンへ着くことができた。
最後まで読んで下さりありがとうございます!!
明日の18時頃に第20話を投稿する予定です!!
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