14:責任感
俺のせいだ。そもそも、俺がみんなを巻き込んで冒険なんて出来るわけがない。自分のことばかり考えている俺が嫌いだ。
俺は宿の近くの公園で寝そべり、夜空を見る。
暗殺者だった時、夜空を見上げるのが好きだったな...あの時の俺は何を考えていたのだろう...そういえば、誰かに言われたことあったな...
「先輩!何見ているんですか?」
「夜空」
「なんでですか?」
「...」
確かわからないとか言ってたっけ...その頃は好きという感情がわからなかったんだな...
「月が綺麗ですね...」
ッッ!後輩?
「マナか...」
「ケルンさんのことですか?」
「...」
「みなさん、ミナトさんが帰ってこなくて心配してましたよ。」
「...」
「黙っていてもわかりません。」
「俺は...みんなに合わせる顔がない」
「私は父上がみなさんを巻き込んでしまった身です。お気持ちはわかり...」
「わかるわけねーだろうが!!俺は1人の人生を台無しにしたんだぞ!!俺がこんなところにいなければ!!みんなを巻き込むことなんてなかった...もう...」
俺は泣きながらマナに怒鳴りつける。
「もうこんな自分が嫌いなんだよ...自分のことしか考えられない自分が自分でないかように思っても自分は自分なんだって...もう...」
マナが俺を抱きしめる。
「私はあなたではないためわかりません。ミナトさんがすごく悩んでいることはわかります。でも、ミナトさんは1人で抱え込みすぎです。仲間である私たち、私を頼ってください。いつまでもあなたと側にいますから...」
俺はマナを強く抱きしめて泣いた。ただひたすら泣いた。気がつけばあたりは少し明るくなっていた。俺が離れると、マナがするっと抜けて倒れそうになる。
「マナ?」
俺が顔を覗き込むと眠っていた。俺の愚痴を聞いたり、抱きしめてくれたりして疲れて眠ってしまったのだろう。マナには本当に優しい。俺はマナを抱えて、宿の方へ向かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
部屋の扉を開けると、みんな起きていた。
「ミナトさん!どこ行ってたんですか!?」
ウタが強い口調で言う。
「本当にごめん。ケルンのことがあって...なかなか戻れなくて...」
「ケルンのことね...私はあなたのせいだと思っていないわ!」
「私も思っていないです。」
「み、ミナトのせいじゃない。」
俺のせいじゃない?いや、俺が原因で...
「ミナトさん...いや、ミナト!」
ウタがさらに強い口調になる。
「はい!」
「男なんだから、いつまでもクヨクヨしてないで、もっとシャキッとしなさいよ!責任感があることは悪くないわ!でもね!そのままずっと何もせずにしているミナトはミナトじゃないわ!」
「ウタ...みんな...」
みんなが俺の方を向いて手を差し伸べてくれる。そして、俺の右腕をマナがつかむ。いつの間にか起きていたようだ。
俺はみんなの差し伸べた手を取り
「ありがとう...」
みんなが俺を抱きしめてくれた。俺はその安心したせいか、倒れるように眠ってしまった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺が次に目覚めるとベットの上だった。
俺は眠ってしまったのか...
「おはよう!」
「ウタか...眠らなくてもいいのか?」
「いや、みんな寝てるよ。」
俺は周りを見渡すと全員が無防備な姿で眠っていた。よくよく見ると、ウタも無防備な姿だった。
嘘だろ...いや、俺は一線は超えていない。そこまで俺はクズじゃないはず...
「激しかったよ♡」
ウタが俺の耳元で言う。
「嘘つけ。バレてるぞ。」
「いやー騙せないか...みんな風呂入ってすぐにベットについて眠ってしまったから、無防備なんだよ。おそっちゃう?」
「おそわないよ。俺も風呂入ってくる。」
俺はウタの顔を見ずに風呂場に行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あぶない、あぶない!あのまま押されてたらあぶなかった...さっさとシャワーを浴びよう。
俺はシャワーを浴びた後、着替えてみんないる部屋に向かう。
扉を開けると、ウタしかまだ起きていなかった。
「まだ、みんな寝ているのか?」
「まーね。それより、ちょっとだけ付き合って。」
俺はウタに手を取られて、宿の裏に連れて行かれた。
「マナさんと明け方まで何してたの?」
何を言われるのかと思ったら...そんなことか...
「普通に俺の人生相談に付き合ってもらっただけだよ。」
「本当に人生相談?明け方までそんなに喋るの?」
「ケルンのこともあったり、いろいろあったんだよ...」
「いろいろって?」
「いろいろはいろいろだよ!なんでそんな事聞いてくるんだよ。」
「ミナトのこと...心配してたんだから...」
ウタは顔を真っ赤にして宿の方へと戻った。
「なんだよ。あれ...」
多分俺も顔が赤いだろう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺たちはケルンのところに寄って別れの挨拶をした。そして俺たちはクリオス国にあるダンジョンに向かった。
「ウタ。ダンジョンって冒険者ギルドに行くって言わないと入れないのじゃないか?」
「リブラ国にできたダンジョンはそうだったけど、普通は誰でも入れるよ。そう思えば、冒険者ギルドに入るって報告しないと入れないっていうのはおかしかったかもね。」
「そうなのか...」
歩いていると、森の中に入った。
「ダンジョンって遠いのか?」
「まぁ今日中には着くことできないね。だから、この森で野宿しよう。」
「わかった。」
俺らは少しあけたところを拠点として、夜に備えて木の枝や食材を調達することにした。
ミントとミシリは川で魚を調達して、ウタとマナは拠点作りをしていてくれた。俺は周りに何もないか、危険がないかを調べていた。
気がつけば日がくれかけていた。俺は拠点に戻って火を起こす準備をした。
石で周りを囲み、木を並べた。火をつける時はウタに頼むと魔法でつけてくれた。火をつけると同時にミントとミシリが帰ってきて、魚を焼いて食べた。
みんなとゆっくり雑談したり、見張りを交代しながら夜を過ごした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ここがクリオス国の一番でかいダンジョン...
俺たちは気合いを入れてダンジョンの入り口を跨いだ。
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明日の15時頃に第15話を投稿する予定です!!
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