1:隠れスキル
パンッッッッッッ‼︎
銃声が響き渡る。俺の左胸から血が溢れ出す。
「急所を外したか...さすが俺が育てた暗殺者だ。だが、君はこの組織に必要ない。よって排除する。」
銃口が俺の頭に突きつけられる。
なんだよ...俺が呼ばれたのは排除するためかよ...クソが...肺に血が入ってうまく呼吸ができない...
「じゃーな...1\5」°2」
パンッッッッッッ‼︎
頭を撃ち抜かれた俺は徐々に目の前が真っ暗になり、死んだと自覚した。
----------
『獅子 湊の死亡を確認』
『転移条件クリア』
----------
俺は機械音声を耳にした後、いつの間にか目が覚めていた。
「ここはどこだ...さっきの機械音声はなんだ...」
俺は戸惑いながらも立ち上がり、周りを見渡そうと立ち上がった時に突然、俺の目の前に謎の画面みたいなものが出現した。
=============
《ステータス》
名前:獅子 湊
職業:-
レベル:1
H P:100/100
M P:100/100
攻撃力:1
防御力:75
スキル:なし
=============
「なんだこれ‼︎レベル1のHPが100でMPが100、攻撃力が1 防御力は75でスキルはなし......はぁぁぁぁぁ⁉︎攻撃力1⁉︎スキルなし⁉︎クソ雑魚じゃねーか‼︎」
俺は自分のステータスの低さに驚き、声を上げた。
おいおい、ちょっとまってくれよ。こんなステータス...ありかよ...
「まぁレベル1だし!これからの成長に期待‼︎」
俺はレベル1のせいにして気持ちを切り替え、今持っている持ち物を確認した。
「小型ナイフとハンドガン...武器はあるってことか...そしたら食料を確保しないとな」
俺は新たな人生?みたいな感じで攻撃力が1ってことも忘れて、サバイバル生活にワクワクしていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おぉぉぉお!これがスライムってやつか?」
俺が散策していると、目の前に青いプヨプヨしたものが現れた。それと同時にスライムのステータスが出てきた。
=============
《ステータス》
名前:スライム
レベル:12
H P:50/50
攻撃力:15
防御力:50
スキル:なし
=============
「名前スライム、レベル9のHPが50で攻撃力がじゅう...ご......俺より攻撃力高いじゃねーか‼︎こんなプヨプヨしたやつに攻撃力負けるなんて...」
----------
『スキル鑑定を獲得』
『対象の魔物のステータスを知ることができます』
----------
「え?スキル獲得?」
俺はすぐに俺のステータス画面を開いた。
=============
......
防御力:75
スキル:鑑定
=============
「やったぁぁぁぁぁあ!初スキル獲得したぞ!」
ってそんなことよりこのスライムどうやって倒せばいいんだ?
俺はわからないまま小型ナイフを取り出して、スライムを刺してみた。
プニュ
「え?あれ?刺さらない?まさか攻撃力1だから?え?そんなの...どうやって倒せばいいんだぁぁぁ!」
俺はショックのあまりスライムを何度も小型ナイフで刺した。
プニュニュニュニュニュニュ プス
俺はスライムの刺す感覚に手応えを感じた。
----------
『スライムを倒しました』
『レベルが1上がりました』
『スキル弱点把握を獲得しました』
----------
倒したスライムが溶けていく。
「弱点把握?ってことは魔物の弱点を知ることができるってことか...それに、弱点に当てれば攻撃力1の俺でも少しでもダメージを与えることができるのか...てか、レベル2になったから攻撃力1から上がってるよな...」
=============
《ステータス》
名前:獅子 湊
職業:ー
レベル:2
H P:105/105
M P:105/105
攻撃力:1
防御力:80
スキル:鑑定•弱点把握
=============
「うそ...だろ...攻撃力...いち?ま、まだレベル2だから...って落ち込んでもしょうがない。今は食料の確保しないとな...」
俺はもう一度気持ちを切り替えて食料を探しにいった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「やばい...そもそも水がない。これはまずいな...」
何時間か探索したが、川さえない。焦っている時に声がかすかに聞こえる。
「4°€・/4°€・/」
「叫んでいるのか?もしかしたら...」
俺は人が近くにいると思い、全力で声がする方に向かう。だんだん声が近くなる。
「1÷2(☆4°€・/」
近い!ここの先にいるはずだ!
俺は急いで向かった。そして俺はまずい状況に出くわしたと理解した。
周りには兵らしき人が倒れており、大きな赤いオオカミが1人の少女を襲おうとしている。
「危ないッッ!」
俺は反射的に少女の方へ走り、押し倒した。
「グッ‼︎」
オオカミが振り下ろした爪が俺の背中をかする。
「4(☆%(8(♪=(・(°2/-」
少女が俺の顔を見て言っている。俺は何を言っているのかわからないため、指を指して逃げろと合図した。
少女は指さした方向へ走っていく。
俺はオオカミが少女について行かないように、小型ナイフをオオカミに投げる。オオカミは俺の方を向き、威嚇する。
「スキル鑑定!」
=============
《ステータス》
名前:レッドウルフ
レベル:75
H P:1000/1000
攻撃力:1500
防御力:850
スキル:火炎玉
=============
「うそ...だろう...こんなの攻撃力1の俺が勝てる相手じゃ...」
いや、俺は...困難な任務でもやり遂げてきた。こんなところで終わるわけにはいかない!
「スキル弱点把握」
レッドウルフの体が一瞬透けて、頭と首、心臓あたりが赤く光る。俺はハンドガンを取り出して、レッドウルフに突っ込む。
パンッッッッッッ‼︎
頭に一発。さらに後ろに回り込んで、首の辺りに二発。ウルフが痛がる様子を見せる。
「ハンドガンならいける!」
頭にもう二発を撃ち込む。
「これでどうだ!スキル鑑定!」
=============
.....
H P:900/1000
.....
=============
「今ので100ダメージ⁉︎これじゃ弾がもたない。どうすれば...」
相手はレベル68のレッドウルフ...それに対して俺はレベル2...一発もろに喰らえば死ぬ。
俺が策を考えている内にレッドウルフは口を開けて、火炎玉を放つ。避けようとした俺はさっきグネった足がもつれてしまう。
「まずい!このままでは...」
ドカァァァァーン‼︎
=============
名前:獅子 湊
職業:ー
レベル:2
H P:8/105
M P:85/105
攻撃力:1
防御力:80
スキル:鑑定•弱点把握
【隠れスキル:暗殺者】
=============
----------
『特定の条件を達成しました。』
『隠れスキル、暗殺者を獲得』
『攻撃力、防御力、あらゆる力が向上します。』
----------
俺の頭の中で何かが聞こえる。
殺せ...殺せ...殺せ...殺せ...
「殺す...殺す...殺す...殺す‼︎」
今は何も考えられない。なぜ、俺は殺さないといけないのか。あーめんどくさくなってきた。何もかも考えたくない。うるさい...うるさい...殺せばいい...殺せばいい...
レッドウルフは火炎玉をもう一度放つ。俺はそれと同時にジャンプして避ける。倒れている兵の剣を持って突っ込む。
殺せばいい...殺せばいい...
突っ込むと、レッドウルフは爪を立てて俺に振りかざす。俺はそれに合わせて振りかざした足を切断する。
「グゥゥゥゥッ‼︎」
レッドウルフが叫ぶ。俺はそのまま弱点である首を切断しにいく。しかし、レッドウルフはうまく体を動かして弱点を避ける。俺はすぐにハンドガンを片手で持って、目に向けて撃つ。
パンッッッッッッ‼︎
レッドウルフの目に着弾。片方の視界が奪われたためか大きく暴れる。俺は視界が奪われた方に回って上からレッドウルフの首を切断する。
スパン‼︎
----------
『レッドウルフを倒しました』
『レベル28上がりました』
『スキル敵察知を獲得しました』
『スキル弱点命中を獲得しました』
----------
俺は聞き覚えのある機械音声を聞いた途端、体の力が抜けて倒れた。そして、頭の中で聞こえた声はもう聞こえなくなっていた。
「4(☆%(8(♪=(・(°2-」
この声は少女の声か?なんでここにいるんだ...逃げてなかっ...たのか...
俺は気を失った。
最後まで読んで下さりありがとうございます!
次の 2:冒険者 も読んでもらえると嬉しいです!!