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プロローグ

自室となる皇の間で寝そべって本に囲まれている白髪の青年、彼の後ろからは白いしっぽが自分のベットと言わんばかりにその上に寝転がり本を読んでいた。


「……ふぅむ、本を読むのは飽きんのぉ……」


私の名前は、ダヴェルカーザ、人種からは神竜皇と呼ばれている。

私の趣味は人の作った本を読むこと、魔術を極めた時、暇になった私が偶然見かけた本に興味を引かれ読み始めたのがきっかけだ。

私がちょうど読み終える頃に人の姿になっている私に近づいてくるヒールの足音、青髪ポニーテールのメイド服を着た女が近づいてきた、彼女の後ろには青色のしっぽが生えていた。


「ダヴェルカーザ様、今年も人の子達は本を作れなかったようです」

「むぅ!?……そうか、つまらんのぉ、これも見終えた、しまっといてくれ」

「かしこまりました」


彼女は澄んだ青い瞳でじっと私のことをみながら淡々と私が読み終えた本を片付けてくれた。

彼女の名前は、冰竜王シェルザール、私の嫁でもあり部下でもある。

勢いよく私の部屋の扉が開いたかと思うと私に向かってダプダプと胸を揺らしながら、その長い緑髪をたなびかせて走ってくる女がくる


「ダヴェルカーザさまぁ!あぐっ!?」

「引っ込め!この駄肉ドラゴンがァ!?今は読書中だとわからんのかァ!」


シェルザールは自分のしっぽで彼女、風竜王サージャズールを吹き飛ばした。確かに彼女が邪魔しなければ私はサージャズールの突撃、もとい、のしかかりを食らっていただろう、彼女の体は凶悪だ、まず目に入るのはその胸、人の顔程度なら簡単に挟めるだろう、太ももは柔らかく何処でも枕として機能する、何より抱き心地は最高だ

対してシェルザールは胸はなく、足も筋肉ばっており枕にしずらく、あまり抱き心地は良くない、まぁ、尽くしてくれるから愛らしいのだがな、今も私の身の回りの世話をすると言って私が知った知識であるメイド服を着て、メイド業務をやらせている

氷の息を吐きながけらも威嚇するシェルザール、サージャズールと彼女は、はっきり言って仲は悪い


「いたた……相変わらずお堅いわねぇ、シェルザールは」

「なにぃ!?お前が邪魔しなければ私だってしっぽを出すわけないだろう!」

「うるさいぞ、シェルザール」

「はい、申し訳ありません」

「ぷぷ、怒られてやーんの」

「お前のせいだろうがァ!!」


相変わらず血の気が多いのぉ……なんて思いつつ人の姿のまま氷の息を吐くシェルザール、私の部屋の床を1面凍らせてサージャズールは自身を抱きしめて寒そうにしていた。

仕方が無いので指を鳴らすと一瞬で氷を溶かしサージャズールにモコモコのコートを着させた。


「うるさいぞ、お前たち」

「「申し訳ありません」」

「それで、サージャズール、何か用か?」

「コートありがとうございます、最近面白いものを手に入れましたので、献上にまいりました」

「なぁに、お前がタンクトップに半ズボンでいるからだろ、ほぉ、なんだその面白いものとやらは」

「これです」


彼女が持ってきたのは一冊の本だった。

表紙は”転生の方法”ふむ、悪くなさそうなタイトルだな、私達竜種は長寿であり何も無ければ1万年ほど生きれるはずだ、まぁ私の友人たちはみな死んだがな、今は5000年ほど生きているが、そのうち死んでもおかしくない、ならば転生の方法を知っていれば何かと役に立つということか、ふむ面白い


「お主が考えたことは分かった、サージャズール、実に面白いものをありがとう」

「はぃ!なんかこの前来た人間たちが私の血を取ろうとしてきたので薙ぎ払ったんですけどそいつらの荷物から出てきたんですよ」

「ふむ、相変わらずお主は雑よな、私なら理由を聞くがな」

「さすがダヴェルカーザ様、お心がお広いですね!」

「うむ、シェルザール、ありがとう」

「いえ、滅相もございません!私なんてダヴェルカーザ様に比べたら心の小さい竜ですので♪」


少し褒めるとシェルザールはしっぽをブンブンと振るので私はそれを見るのが楽しい、この前読んだ本では人間の男は女に対して可愛い、という感情を抱くらしい、ふむ、これが可愛いと言う感情なのか?確かに、私の嫁だから愛おしく感じてはいるが、なんだろうかと、シェルザールをじっと見つめながら考えていた。


「そんな、ダヴェルカーザ様の熱い視線が私にっ…あぁ、とけてしまいそう…」


まぁ、私のことを溺愛しすぎな部分があるが気にしないでおこう


「ダヴェルカーザ様…」


シェルザールが雑に開けた扉からひょこり顔を出す、茶髪を短くまとめ、今にも眠りそうな橙色の目を半目にしてズルズルと私が作った枕を引きずりやってくるダボダボのTシャツ1枚を着ている女、岩竜王ナヴィルルーグだ、彼女は全てが程よい、固すぎず柔らかすぎず胸も大きすぎず小さすぎない、バランスのとれた体、そして私や他の嫁たちに懐いており、みなからは妹みたいな感じで扱われているが私の嫁達の中では1番年上に当たる


「む?どうしたナヴィルルーグよ」

「んー…寝心地が良くなかったから寝に来た」

「相変わらずマイペースなやつよ、構わんぞ、私の横で寝るといい」

「ん、ありがと」


ボフリと私の横に枕を置くとそこに頭を置き眠り始めた。


「…相変わらずですねナヴィルルーグ様は」

「そうね、時たまふらっと、どこかに行ったかと思うと気づいたらダヴェルカーザ様のところに戻ってきてるもの、不思議よね」

「そういう奴だからな、こやつは、私の一番最初に嫁になった割には、夜は誘わんしな、お主らも辛かろう?」

「…そ、そういう訳では無いのですが…」

「まぁ、密かにしてたらバレないからね」


確かに時たまシェルザールやサージャズールが私の寝床に忍び込んでくるが…そういうことだったのか

まぁ、普通に相手してやっているがな


「おぉ?なんだ、今日は集会の日だっけか?」

「…もう1匹の駄肉が来るとは…これはどうしてしまいましょうか」

「これ、シェルザールよ、私はお主の体は嫌いでは無いぞ、だから、ケンカをうられるまではかうでないぞ」

「か、かしこまりましたっ♪」

「…ちょろ…」

「何か言ったかサージャズール…?」

「な、何も言ってないけどー?」

「アハハッ!相変わらずシェルザール様とサージャズール様は仲が悪い事で!」


ボソッとサージャズールが本人に聞こえない声でそんな事を言うとギロッとシェルザールが睨んでいた。耳はいい様だ。

その間にも短い赤髪を揺らしながらガシャ、ガシャと鎧どうしが擦れる音を立てながら私に近づいてくる女、目に入るのはシェルザールよりも大きな胸、身長も他の嫁たちよりも数十センチ高く、私よりも少々高いこの全身鎧姿の女、炎竜王ガウェルナーガは私の嫁の中でいちばん若い、そして血気盛んだ、いつも戦が起きるとそこに飛び込み、物を漁るのが趣味だ、今日もどこかで取ってきたであろう大剣と大きな袋を持ってやってきた。


「む、4匹とも集まるとはな、タイミングがあまりにも出来すぎておるな」

「そうですね、今日は何も予定がなかったのですが、この駄肉共をたたき出してもよろしいですか」

「やだぁ、あなたと戦うとめんどくさいもの、その上このコートは汚されたくないから私帰ろうかなぁ、渡すもの渡せたし」

「すぅ…すぅ…」

「シェルザール様には何もしてないじゃないっすか〜、あははっ!あーこれ今日仕入れてきた人間どもの道具です」


ガラガラっ!と雑に袋をひっくり返すと出てくるのは色々な武器や宝石、そして本だった。


「でかしたぞ!ガウェルナーガ!ほぉー、本じゃ!」

「…相変わらず本がお好きだね、ダヴェルカーザ様は」

「…そうですね、私たちには目を向けず」

「…私の武勇伝聞いてほしかった…」

「「「はぁ…」」」


私は3匹のため息なんて無視をして本を読み始める、その横ではナヴィルルーグが寝息を立てていた。


数時間後、私が本を読み終えるとシェルザールが全員分の食料を出してきていた。

それはかなり大きなイノシシ、鳥など、ほぼ肉だ。我々竜種は普通に生食をするが私が料理をして欲しいとシェルザールに頼むとシェルザールは熱心に勉強をし、簡単なものだが作れるようにはなっていた。

今日はその集めてきた獣肉を全て大釜に入れて茹であげるらしい、シェルザールは手刀で全てを捌くとそれに丁寧に丁寧に味付けをし始める。

30分程かけて、それをすべて味付け終えるとそれを鍋にぶち込む、ぶち込む!私がナヴィルルーグにお願いして作ってもらった大鍋は人が住めるような大きさの鍋であり、それにぶち込まれていく肉たち、下ではガウェルナーガが火を吹き水を湧かせていた。


「…さて、ここから5時間ほどですが、皆様我慢できますか?」

「「「出来るわけない!」」」


満場一致である、当然のように私は指を鳴らし時を飛ばす、私くらいになるとその程度簡単である。まぁ、1ヶ月程しか飛ばせないのが欠点だとは思ってるが…


「さすがダヴェルカーザ様」

「まぁ、これくらいは普通だろう」


シェルザールは平然と鍋からしっぽを使い直接取り出す、その肉たちは白く茹で上がっていた。食べ頃なのは見るだけでわかる


「ここからさらにっ…」


シェルザールは手刀で切り刻むとそれを人が何百人も入れそうな巨大な大皿に盛り付ける、そして黄色い果実を何個も握りしめその果汁をかける


「ふぅ、ここに色々と調味料があれば味も選べるのですが…すみません」


その大皿を軽々と持ち上げるシェルザール、私の目の前まで持ってくるとドシンッと地響きと共に皿が置かれた、そしてシェルザールは笑みを浮かべ私を見つめる


「どうぞ、召し上がれ、お口汚しになると思いますが」

「まぁ構わん、私のわがままだからな、ありがとうシェルザールよ」

「いえ、お気になさらず、貴方様のわがままを叶えるのが私の幸福でもございます」


深々と跪き、礼をしてくるシェルザールに私は頭を撫でてやる、嬉しそうにしっぽが揺れているのがとても愛らしい


「…私も褒められてもいいと思うんですけどー」


それを見たサージャズールは不貞腐れながらも私の近くに来る


「あぁ、そうだな、お前もよくやったよ」


今度はサージャズールを撫でてやる、嬉しそうにしっぽをふりながら彼女はえへへ、と嬉しそうに声を漏らしていた。


「あー!ずるいですよー!お2人だけ撫でてもらって、私だって撫でられたいです」


ムスッとした顔で私を見てくるガウェルナーガを見た私は手招きすると、嬉しそうに近づいてきて頭を出してくるので撫でてやる、んふー♪と満足気に笑みを浮かべながら彼女もまたしっぽを降っている。


「……3人ともずるい、私も」


いつの間にか私の後ろにいたナヴィルルーグは抱きついて私の脇から顔を出す、少し撫でづらいものの頭を撫でてやると、目を細め今にも眠りそうになりながら私の服を掴んでいた。


「……うーむ、考えたのだがな?」


4人とも満足し終えたのかシェルザールを作った料理を食べようと素手でその肉を掴んで食べようとしているところに話をする。


「どーしたの?ダヴェルカーザ様……」


半目のまま素手で切られたと言っても拳ほどもある肉を口にほおりこみながら、私の方を見るナヴィルルーグ

3人とも固唾を飲んで見つめていた。


「転生しようと思う、いつ頃になるか分からんが、私はお主らの前にまた姿を出すだろう、その時のために私の財産、私の素材、私の本、そしてこの土地について、分けたいんだがな」


私が誰に何を渡すか口を開き言おうとする、すると目を輝かせナヴィルルーグが近づいてくる


「どうした、ナヴィルルーグ」

「私、素材がいい、ダヴェルカーザ様の素材で色々作りたい」


彼女はたしかに鍛冶の腕はこの4人の中ではトップクラスだろう、大鍋にこの大皿、彼女に任せれば何か色々と作れる事だ、まぁ私も最初から考えていたことなのだが


「当然だ、お前に私の素材を任せる、好きに使うといい」

「ありがと、大事にする」

「本は心配だが、サージャズール、お前だ」

「分かりました!」

「土地に関しては定期的に掃除程度はして欲しいからな、シェルザール、この土地に関しての管理はお前に任せる」

「かしこまりました」

「財宝は人があまり寄り付かないところがいいからな、火山に住んでるガウェルナーガ、お前に任せる」

「わかりましたッ!おまかせを!」


4人とも納得してくれて早速私はシェルザールが横に来て渡してくれたにかぶりつく、さっぱりとした柑橘の味の後に来るドスンっと来る肉の味、悪くは無いがもう少しパンチが欲しいな、なんて思いつつ何個かその塊を口に入れる、シェルザールはその光景がとても嬉しかったようでしっぽを地面にベシベシと叩きつけながら嬉しさを表現していた。


「うむ、美味かった、私は例の本を読んでくるからな、好きに食べるといい」


4人とも嬉しそうにしながら食べながら談笑していた。私はどこからともなくハンカチを出すと食べるために汚れた手を拭き、私は”転生の方法”を読むためまた自分のしっぽをベットにし横になり読み始めた。


書いてある内容としてはどれも信ぴょう性が低いものばかりで高価な素材ばかり必要とした。まぁ私にかかればそれくらい構わないのだが、と思いつつ最後のページらしきところで私は目を見開いた。それは伝説の5匹の竜の血を飲むことで転生できる、と書かれているからだ。


私が驚いてる理由は私の存在が人に知られてないからだ、この世界は私の嫁である4人の竜が統治していることになっているのでこの作者はその上に私の存在をいることを知っているという事になる、私はある戦争を機に外に出るのをやめて読書に集中していた。それを始めたのは約2000年ほど前になる。

にやりと口角を上げて私は立ち上がると4人が食べ終えてるであろう大皿のところまで向かう、シェルザールはテキパキと肉を全員にくばっていてほかの3人は肉を貪っていた。


「お前たち、すまないが血を私にくれるか?」


私がそう言うとすっ飛んできて深々と頭を下げるシェルザール


「それがダヴェルカーザ様の願いなれば、私の命も捧げましょう」

「いや、そこまでは言っておらんぞ、血だけでいい、少しで構わん」

「そうですか、なら私はお捧げしますよ」

「うむ、ありがとうシェルザール」

「いえ、当然のことです」


ほかの3人は肉で口をパンパンにしながらも頷いており否定的ではないように見える。

数分後シェルザールが4つの皿に10mlほどずつ4人分の血を入れ私のに渡してくれた。私は久々に竜の姿になろうと思いおもむろに立つ、


「みな、離れて置けよ」


そう言うと4人ともこのへやの隅に行く、それを確認すると私は人化を解くと純白の竜になる、部屋はそのためにかなり広く設計してあるのでまだまだ余裕があるが羽を伸ばそうとすると天井にぶつかるためもう少し高さをつけておくべきだったと今でも思う。私は準備してあった血を皿ごと食らう。

すると、心臓の奥でドクンッと大きな鼓動がする


「ぉぉ……これが死ぬ間際というものなのか……」


ちらりと4人を見ると固唾を飲んで見守ってくれている。

少し笑みを漏らしながら私は目を瞑る、そのまま体から力が抜け、口も開けれず私は死んだ。

今回は読んでいただきありがとうございます。

時々私も見返すと思いますが、誤字脱字ございましたら是非ともご指摘いただければとおもいます。

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