表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イレギュラー召喚で神器をもらえませんでした。だけど、勝手に付いてきたスキルがまずまず強力です  作者: #とみっしぇる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/98

71 底辺サーシャの危機

イレギュラー召喚の2ヶ月前、貴族家の跡取りナルタとのトラブルから2日がたった。


貴族家なんかに関わったことがない私は、「人前で恥をかかされた恨み」なんてものに無頓着すぎた。


短時間で罠が張られているとは思ってもいない。


薬草の採取場に行くと、私1人だった。


普段はなんとなく5人くらいがお互いに見える位置にいる。そうすれば、ゴブリンやホーンラビットに対処できる。


「たまには、こんな日もあるか。ま、薬草は独り占めだな」


唯一のスキル、空間収納微小からスコップを出した。薬草は根っ子まで煎じて使うが、根こそぎ採取すると次が育たない。


スコップで丁寧に土を掘りながら採取していると、草むらから音がした。


ガサッ。ガサガサ。


振り向くと、貴族家跡取りのナルタと汚い格好をしたゴロツキ2人が立っていた。


ヤバい。いつもの好色より、怒りを感じる目。


「こんにちはサーシャ君」

「・・こんちは」


ヤバい、ヤバい。


「周りを見ても無駄だよ。この辺を稼ぎ場にしてる冒険者はみんな、今日は違う仕事をしてる」


「違う仕事?」


「そう、ある貴族家別邸の掃除で、1人20000ゴールドと賃金がいい」


「誰も来ないようにしたのね。そこまでしてなんになるのよ」


「2日前、君のせいで僕は父上にまで怒られてね、すごく恥をかかされた。お仕置きしたくてね」


平静を装っているが、心の中でアラームが鳴りっぱなしだ。

ヤバい、こいつ本気だ。


逃げたいが、私は3年近く冒険者をして、やっとレベル2。


ゴロツキもレベル10はあるだろう。


まさか、殺される?


思いきって逃げたい。


だけど、敵3人が街の方に向かう道を塞ぐようにして立っている。森の奥に逃げるのは自殺行為だ。

奴らの間を抜けるしかない。


前にゴブリンから逃げたときのように、土を顔にかけてダッシュ。


どっ。


1歩目を踏み出した瞬間に腹を蹴られた。


「うぐっ、ごほっ、ごほっ」


「あんまり殴るなよ。特に顔はダメだ。この先の小屋に連れ込んでヤルときに萎えるからな」


「分かってますよ。デスラさんに女の捕獲の仕方をうるさく言われてますから」

「デスラさんは、坊っちゃんと別の場所に狩りに行ったことにして、アリバイ作りでしょ」


「そろそろ小屋に連れていけ。表向きは狩猟の休憩所だけど、有効利用できてるよな」


「本当に運んだら帰っていいんですか?」

「いいんだよ」

「その女が魔法とか使ったらまずいですよ」


「大丈夫だよ。ギルドでも確認した。スキルなしの底辺。そんなやつが僕相手に恥をかかせやがった。このっ」


バチィ、バチッ、バチッ。


顔はやめろとゴロツキに言いながら、跡取りはビンタしやがった。


スキルなら「空間収納微小」を持ってる。ショボすぎて申請してないだけだ。


言う間もなく、ビンタを何発も食らって意識朦朧となった。


手足に何かで縛られ、どこかに連れていかれるとこまで覚えていた。


悔しい。無力って罪だ。



https://www.alphapolis.co.jp/novel/295429334/181668538




こちらで先行掲載しています。

読んでいただきありがとうごさいます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ