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イレギュラー召喚で神器をもらえませんでした。だけど、勝手に付いてきたスキルがまずまず強力です  作者: #とみっしぇる


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25 教えて沼様

ピピ沼レベル5ピピピ・・


宿屋の自室に帰ったとき、待望の沼レベルが上がった。


『アタイだ』


「うおっ、前触れなしだよ。感動のシーンなのに」

『話ができるようになっても、週に1時間くらいだ。ガールズトークをする時間はない』

「沼様は女の子なんだね」

『それはいい。私は沼そのもの。どっかで死んだやつの魂を使ってこの沼世界の管理者にされている。女で文明が進んだとこの人間だったようだか、それ以上は分からん』


「誰かって神様?」

『恐らくな。アタイと繋がったお前が、こんな非常識な力を魔力消費なしにポンポン使えるんだぞ』

「神器使いにも通じたし、沼がなにか見破られなかったしね」


『神器?女神なんて低級神の作ったオモチャと比べるな』

「沼様はもっと高位なんだ」

『もちろん、人間界では邪神と呼ばれる高位神のオモチャだ』


「オモチャは一緒なんだ・・」


『それよか、神器使いはうまかったぞ。数ヵ月の間に2人も食えた』


「聞きたいのそこなんだよ。私が倒した神器使いは山田竜都だけだよ」


『ああそこか。アタイは基本、直径80センチの沼を介し、1ヶ月に1分くらいしかお前らの世界に干渉できんかった』

「それがなんで、私のスキルのようになってくれたの」


『うむ、アタイは現実世界には干渉できんが、次元を渡るものには触れられる』

「次元を渡る?まさか召喚者のことかな」

『正解。女神の神器を持たされたやつが、お前らのとこのブライト王国に向かってるの見つけたんだよ』

「そのうち1人を食ったんだ」


『好みのクズが2人いたが、片方が山田竜都よりうまそうだったから、かぶりついた』


「だから、王城に出た黒目黒髪が三人しかいなかったんだ」

『神器持ちを食ったとき、異世界からブライトへの転移魔方陣が瞬間的に誤作動したようでね。それが森の中にいたお前の前に現れ、お前をブライトに連れていったんだ』


「じゃあ、私も次元を渡ってて、そこで沼スキルをもらったんだ」


『違うぞ』


「へ?もらってないなら、なんで「沼」を使えるのさ」

『お前は幸運なんだ。空間魔法の適正者で空間収納を使えるだろう』


「すごくショボいけどね」

『それが大事なんだよ。お前が次元を渡るとき、そのショボい空間収納に、同次元に近い「沼」がひとかたまりだけ入ったんだ』


「へ?」

『現世に戻ったら空間収納から分離して中身が飛び出て、「沼」として独立した。あれには驚いた』

「私がでかい空間収納持ってたら?」

『沼が濁流のように空間収納に入り、その濁流が重りになって、お前を別次元に止めてただろう。お前が沈めた人間のように飢えて死ぬだけだったな』


「空間収納のショボさに嘆いてたげと、それが命を救ってくれたんだ」


『それにお前のスキル回路もがら空きで「沼」がすっぽり入った。だから沼がお前のスキルのひとつと判定され、自分自身のレベルも上がるだろ。それも神スキルだから、沼で食うとお前の経験値も多い』


「つまり私は、何もかも低レベルだったから、神のスキルを手に入れたんだね」

『なんかスマン・・』

「あ、いやいや、ありがとうだよ。沼様のお陰で私の勇者達とも出会えたし」


『メロンとカリナだな。レベル6になれば、沼の中で簡単な生体改造ができる。完全復元ならレベル8は必要だ。何十年かかるか分からんな』


「そうだ、沼レベルのことが分かんない。どういう法則なの?」

『そこは別次元なんかが関係してる。お前が沼から送ってくれる獲物が死ぬとき、アタイの栄養になる。それはまずまず美味だが、経験値としては少ない』


「けど、沼レベルは最初の日に1から3に上がったよ」

『それはな、最初に食った神器持ちが同じタイミングでお亡くなりになったのさ。神器と召喚者の「神気」が沼の栄養になった。吸い尽くしたから、お前にはオーク1匹分の経験値しか入らんかった。山田竜都のときも一緒だ』

「だから一気に沼レベルが上がったんだ」

『正確に言えば、レベル3ではなくレベル3・98くらいになった。もうレベル4に近かったんだ』


「は?そっから4まで2ヶ月くらいかかったよ」


『神のスキルだぞ。お前が簡単に上げられるもんではない。むしろ2ヶ月でよくやってくれた』


「レベル5になった経験値も、ほぼ山田竜都からなんだ」


『そうだ山田を倒したときレベル4・999くらいになったな』


「すごい差だね。ところで沼を使うと私の経験値が多いのはなんで?」

『地上で魔物を倒すと、拡散していくエネルギーの1割くらいが討伐者に向かう。それがお前らの言う普通の経験値だ』


「沼だとどうなるの?」

『全体がアタイの支配領域だから、エネルギーが拡散しようがない。神由来のアタイには必要ないし、排出したエネルギーがお前に全部直撃するんだ』

「それでレベルの上がりかたにばらつきがあるんだ」


『そっちの世界への干渉領域も増えたから、新たな技が増えた。アタイが預かっている風の神器を削って、飛び道具を作った』

「おお、待望の・・」


『お前の空間収納の中に、神器のオリハルコンを少し使い、沼でコーティングした武器を作って入れてある』

「空間収納というと、スコップ2本と銅のナイフ1本。強化された武器は銅のナイフだね」


『何を言ってんだ。お前、武器を使う才能ゼロだろ。普段の攻撃も止まったやつを槍で刺すか、棒で殴るだろうが。弓なんて論外だし』


「まさか、あれ?」

『もちろん、空間収納に入ってたもんで、お前が使えるのは3個入ってた「石」の中の1個だ」

「確かに飛び道具だね・・」


「結構話したから、残り時間は緊急時のために取っておきたい。使い方は持てば分かる。またな』



私が新しく得た武器は空間収納に入っていた石から作られた。


持つと名前が浮かんできた。


「泥団子・・」


「沼」と「泥団子」を使い、これから戦っていくのだ。




https://www.alphapolis.co.jp/novel/295429334/181668538




こちらで先行掲載しています。

読んでいただきありがとうごさいます

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