過去と今
コアをアリーナで見つけあたし達は図書館に向かった。
この学校について調べるためだ。
「いや〜コアもあったし鍵も探せばありそうだな〜」あたしがワクワクしながらそう言うと
「ええ。アリーナに飾ってあるくらいだもの。
とりあえず図書館に学校の資料があるはずだからそこにも描いてあるはずよ。」
アリナはそう言うと学校の正面が表紙の資料を開いた。
「なるほど。この世界では宇宙科学がかなり進歩していてよく別の星に行ってたみたいね。
そこで校長が販売されてたコアを記念として買って飾ってたみたいね。」
アリナがそう言うと
「まじかよ!!他の星に移るだけあってかなり進歩してんだな〜」
あたしは驚いたようにそう言った。
「恐らくは校長室に鍵があるでしょうから向かいましょう。」アリナがそう言うと
あたし達は階段を降りて一階の校長室に向かった。
俺は泣いていた。今まで感じていた違和感が確信へと変わったからだ
どうして学校ではクルミ達と会わないのだろう。
どうして自分のことように実感がある夢を見るのだろう。
そしてよく遊んでいたはずの友達の名前も思い出せないことで今までの目をそう向けていた現実に気づいた。
俺には最初から何もなかったのだ。
俺はこの世界でも幸せになれないことに絶望して自分にとって都合の良い世界を作っていたのだ。
何をしてるのだろう。
妹達が頑張って探索をしていたと言うのに。
幸せにしてやると約束したのに。
幼い頃に唯一面倒を見てくれたいた母親が病気で死亡した。
それから俺達の生活は悲惨なものだった。
日頃から放置していた父親にストレスのはけ口として使われ毎日のように暴力を受け身体中がアザだらけだった。
飯もまともに与えられずそんな状態では学校にも通えないため俺は妹も養うため
自分より弱そうなやつを狙い金や持ち物を奪い取り万引きなどをして日々の飢えをしのぎ生きていた。
それでも妹だけはなんとか学校に通わせていた。
妹には俺のように友達もいなくてこんな汚くて醜い化け物にはなって欲しくなかったからだ。
でもそれも上手く行かなかった。
妹は風呂にも入ることも出来なかったために
ボロボロだったし筆箱とかも学校の物を借りて過ごしていた。
人間は自分と違うものを見つけて集団で敵とみなし絆を深めるものだ。だから当然妹は絶好の標的だった。親も出てこないしいつもいるのは俺だけだったからだ。
そして俺はいじめをしたやつ全員に仕返しをした。こんな生活を送っているのだ。いやでも喧嘩は強くなる。
「バケモノめ!!ここはお前達が来ていい場所じゃない!!とっと消えろ!!」
俺達が最後に学校で聞いた言葉だ。
妹はそれ以来学校には行かなくなり
俺達は何とか生き延びることができ16歳になった。
俺は歳をとり何年もこの生活を送って来たため強くなり用心棒やヤクザの子分となりそれなりに金を稼ぎ
妹にはその金で今まで我慢してきた分存分に遊ばせてやった。
妹だって女だ。自分の身も綺麗にしたいだろうしたくさん色んなところに行って遊びたいはずだ。
やっと俺達はまともな生活を歩み始めた。
これで妹だけは幸せにできるとおもっていたのだ。
でも世界は俺達を許してはくれなかった。
俺はその日もいつものように仕事を終えて家に帰った。
そしてリビングに行くとあいつに妹が服を破られ犯されていた。
その時に俺は限界を迎えた。人殺しだけはすまいと思っていたのだが怒りを抑えられなかった。
俺はきずくといつも武器として使っていた包丁であいつの首をメッタ刺しにしていた。俺は人を殺してしまった。もう後戻りは出来ないだろう。
妹は泣きながら血塗れの俺に抱きつき震えていた。
そしてその時に天使がきた。
「君達。異世界に行ってみないかい??
そこでは君達でも幸せになれるかもしれないよ。」
「ただし二人が諦めて全部の世界を廻らずに途中で辞めちゃったら二度と君たちは転生できなくなっちゃうけどね。」
「どうだい??行ってみるかい??」
そう天使に導かれてこの世界に来たのだ。
幸せになるために。
でも俺はこの世界に何も無いことや今までのこともあり自分が夢を見ていた学校生活の幻覚を見るようになったのだ。
俺は現実にやっと気づいてクルミ達のところに向かった。今までの事を謝るために。