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プロローグ
まさか、こんなことになろうとは……
私はガバルト・ベルクマン。アガスティア帝国近衛将軍にしてかつて世界最強とまでうたわれた男だ。近隣諸国を併合し、我が帝国が平和になってから12年。67歳にして家族に見守られながら息を引きとった……筈なのだが
ここはどこだ?
ぼやけた視界に移るのは低い天井に魔道具なのか光を発する細長いもののみ。
体に力は入らない上に、なんだか泣きたくなってきたぞ。
おぎゃあ!ほぎゃあ!
……おい、嘘だろ?嘘だと言ってくれ!
この赤子のような泣き声が私の口から発せられているなど、信じたくはない!
信じたくはないが……自由に動かない体といいどうやら私は、転生なるものをしたようだ。