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プロローグ
◆プロローグ◆
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失恋で始まる物語なんて、
ありがちで、つまらないものだ。
そもそも論、他人の恋愛に興味がないだろうし。
思い通りにいかない。努力が実らない。
好きな人に、愛されなかった。
それだけの事、それだけの真実。
それでも、この物語も失恋から始まる。
ただ、決して普通ではないと同時に、
特別でもないという事。
忘れないで欲しい。
常識も当たり前も、
スポットライトの当たらない世界では、
無慈悲に彼女達の首を絞めているということを。
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◇
江上優希16歳、今をときめく現役高校一年生だ。と言いたいところだが、基本は家でゴロゴロとアニメを見て、ゲームをして、マンガを読む、典型的なオタクである。
アシメにした前髪、平均やや上くらいの顔面偏差値で、特別な才能はない。バスケ部の部活動推薦で、ろくな受験期を過ごさずにそこそこの進学校に入学し、3ヶ月が過ぎた頃の話。
彼女には好きな人がいた。
それは、人生で初めての恋だった。
◇
