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ランド  作者: 熊谷有記
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第三話『学校』


ランドはいつも通り勉強するべく、隣町へ向かっていた。 歩きながら、朝の妹の様子が少し気になった。


「どうしたんだ…?泣いてたな」


考えていても答えがでるはずもないのでランドは考えるのをすぐやめた。


それよりも『一日でも早く医者になり自分が妹の原因不明の病気を治してやるんだ』という事で頭が一杯だった。


とはいうもののやはり今の、朝は仕事夜は勉強という今の生活は辛かった。実際ランドはこの生活を始めてから、休日を除いて夜は平均二、三時間しか寝ていない。


学校がある隣町まで二時間かかるとなると、移動時間だけで四時間かけている事になる。


タクシーを使えばいいのだが、妹の医療費の為にムダなお金は使いたくないと言ってランドはずっと自分の足で通っていたのだ。おかげで体力には自信があったが蓄積されてきた疲労が限界に近づいていた。

現に今朝も全く覚えてはいないが恐ろしい夢を見た。(これはただ疲れからきてるのだろうとランドは思って気にしていなかったが)


とはいえ全てたった一人の肉親の妹ポーラのためだ。



ランドには妹が全てだった。



妹のためなら命も投げ出すつもりでいた。自分が辛かろうが関係ない。何に変えても妹を守る。母が死んだあの日からランドはそう決めていた。
























学校へ着くと女が一人ランドに近づいてきた。


「おっはよ〜。あっ、夜だからこんばんわが正しいか」



「……」


この女の名前はマリー。ランドに好意を持ってるので気を引こうと色々誘ったりするのだが、ランドは女に興味がない(男に興味があるわけではない)ため全く相手にされていない。長身でモデル体型な上にグラマーで、性格も明るく、学校の中ではアイドル的な存在だ。そのため校内ではランドの事を快く思ってない人間も多い。


「ねぇ…勉強はかどってる?」




「……」




「今日終わったら遊びに出かけない?」




「……」




(うるさいな。あっち行けよなぁ…)




こんな調子だった。



それを口にしてごちゃごちゃ面倒な事に巻き込まれるのも嫌なのでランドは黙ってる事にした。

そんな妨害(?)に会いながらもランドの成績は優秀だった。全生徒500人余りの中で常に上から数えて10番目以内にはいた。今日も先日行われたテストの結果が発表されたのだが、なんと初の一位だった。


「やっぱり凄いねランド」



「……たまたま結果がついてきただけだろ……」






「またまたぁ。謙遜しちゃって。凄く嬉しいくせに」


「そんな事ない…」







嘘だった。

妹を救う医者になるため一歩近づいた気がして嬉しかった。








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