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天使喫茶  作者: イエネコ
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幕間 ー出会う前の1ページー

カランカラン

耳に心地よい音を響かせて店のドアが開く。


「いらっしゃい」

「いらっしゃいませー!」


シックな木造の店内にはたった二人。

髪を後ろで結った顔立ちの整っている女性、そして少々背の低い桃色のロングヘアーをなびかせた少女が

自然な笑顔で出迎える。


「―――――」

「かしこまりました」


余計な言葉は無く、BGMとお茶を注ぐ音に耳を傾ける。

テーブル席が3つ、カウンター席が4つ。そんなこじんまりとした空間に客はたった一人きり。

ここには一つしかない喫茶店らしいが経営は成り立っているのかと心配になる。

そんなぼんやりとした第一印象を浮かべる間に爽やかな茶葉の香りが鼻腔をくすぐる。


「どうぞ。ヨモギ茶になります」


鈴を鳴らしたように可愛らしい声と共にヨモギ茶が置かれる。

外から差し込む光が陶器を照らし、(うぐいす)色のお茶が静かに光る。


「当店自慢の一品です」と書かれていた看板を思い出しながら一口。


「――――」


ほんのりとした甘みに加え、ヨモギの香りが鼻をくすぐる。

ほわっ、と体をめぐる温かさに自然と口元が緩んでくる。


「あの・・・」


ゆったりとした空間に浮かんでいた私を店員さんの声が引き戻す。


(よろ)しければ、ご一緒にヨモギのお団子はいかがでしょう?」


断る理由もない。私はまた一口、お茶を口の中で転がしながら次の一品を待つ。

暖かな日差しが差し込むマイアの月。空を優雅に飛ぶ天使たちを見つめまた一口、

私はこの平和を味わっていた。




読んでいただきありがとうございます。

宜しければ1章も読んでいただけると幸いです。

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