プロローグ
知識なし、書きだめなし、執筆経験なし!の無い無い地獄ですが、どうにか書いていきたいと思ってます…
ゆらり、ゆらり。
碧い世界が、昇っていく
ゆらり、ゆらり。
違う。私が、沈んでいく?
ゆらり、ゆらり。
ここはきっと、水の中かな
ゆらり、ゆらり。
なにもわからない。なにも、感じない
ゆらり、ゆらり。
(Ah…)音は微かに反響し、かき消えた
ゆらり、ゆらり。
水面に手をかざしてみる
ゆらり、ゆらり。
だれかがその手を、掴んだ気がした
『もう、大丈夫だよ』
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…眩しい。
彼女はゆっくりと身を起こし、目を開ける。
カーテンの隙間からこぼれた朝日が、その海色の瞳を輝かせた。
お父さんに貰った、綺麗な色。自慢の瞳。
鏡の前に立ち、ボサボサの髪を整えながら微笑む。
その長い髪は、母親譲りの艶めかしい黒曜色。こちらも彼女の自慢だ。
「ヤバっ、そろそろ行かないと!」
寝間着を乱雑に脱ぎ捨て、壁に掛けてあった制服を着る。
そして急ぎながらも丁寧な所作で両親の位牌に手を合わせた。
これが平凡な女子高校生アオイ・ワダツミの平凡な日課。
「むぅ…」
自身の空腹に気付き、青く点滅発光するリフジレイターに口惜しい視線を流しながらも部屋を出た。
「ヤバっ、ヤバっ、ヤバっ…」
階段を早足で下りながら、手慣れたムーブで携帯端末を取り出し、立ち上げる。
《HELLO WORLD》
無機質な起動ボイスと共に空中投影されるホーム画面。
「ハイハイ!はろー、にーはお、こんにちわ!いいから適当にミュージック再生!」
イヤホンから流れ始めた心地よいテクノポップを聴きながら、アオイは駅へ続く道を駆けていった。