ハートの穴
川崎タスク(瀕死中)
胸のサイズが気になって死ぬに死ねない受験生。
薄れゆく意識の中、微かに話し声が聞こえた。
タスクは朦朧としながらも目を開けた。霞む中ハンカチ娘とピンクの男がなにやら話をしている。
「ねぇ?お姉ちゃん可愛いね!胸も大きいしとっても美味しそう!!サイズいくつあるの?」
………
メイナは答えず睨みつけている。
「そんな睨まないでよー!あ、でもその目好きだなー!ゾクゾクしちゃう。とりあえずそのでかい胸、ハートの穴開けていい?」
「…やれるものならやってみれば?」
メイナはポケットからナイフを出し、突きつける。
「え?そんな果物ナイフで僕を殺す気?えー笑っちゃうなぁ!!ね、ね、さっき見たでしょ!そこに転がってる男、僕がやったんだよー!
そんなナイフじゃ無理に決まってるじゃん!ね、バカなの!?でかいのは胸だけなの!?」
サクマはクスクスと嘲笑う。
メイナの眉間にシワが寄る。
「よく喋るクソガキね。いいから、始めましょ。」
メイナはサクマ目掛けて走りだした。
身を低くし屈むようにサクマにナイフを突きつける。
ーーー
だが距離があった。
サクマは足でハートを型取り、空気を圧縮し、それを蹴りつけた。
ハートの空気砲はメイナの肩をかすめた。
かすめた部分だけ肉が吹き飛び血が吹きだした。
ーーピュー!
「あ、僕とした事がはずしちゃったじゃん!もー!動かないでよー。」
サクマは傘で返り血を塞いだ。
肩を抑え血を止血している。だが血は止めどなく噴き出ている。
「メイナ、大丈夫?手伝おっか?只でさえさっき能力使ってたから疲れてるでしょ」
「大丈夫よ。ミニュ、貴女は黙ってなさい」
「えー、でも私がやればあんなの一瞬なのにー」
そういうとミニュはサクマの神獣をチラッとみた。
キリは目を合わせず背中を向けて小さく震えうずくまっている。
ーーー
「さてと、もう一回行ってくるわ…。」
そういうとメイナはもう一度サクマ目掛けて走りだした。
「何度やっても同じだよー。もー本当お姉ちゃんバカだなぁー。」
メイナは気にせず走っている。
「また同じ戦法?バカなの!?あんまり動くとお姉ちゃん死んじゃうよー。」
血はまだ噴き出ている。
「さっきとは違うわ。さっきは私、血が出てなかったから。。」
そう言うとメイナは血をサクマ目掛けて吹き付けた。
「うわっ!きったないなー!やめてよね!」
サクマは傘でそれをガードする。
ーー!!
その瞬間、死角からメイナのナイフがサクマの足をかすめた。
「っ…!!」
ただかすり傷だ。
致命傷にはならない。
たらりと血が垂れた。
「痛ったいなぁー!もー!!!ずるいよお姉ちゃん!!でも残念だね。全然こんなんじゃ僕を殺せないよ!!あははは!次は僕の番だね!行け!僕のハート!」
ーバカねー
ーーー!!?
サクマの足から白い光が薄っすらと出ている。
その光はやがてメイナの肩、そしてタスクの方に向かっていった。
メイナは口を開いた。
ー吸え!ドレインライトー
神々しいほどの光がサクマの足からもれる。
ーー
あたりいっぺん光に包まれ、前が見えない。
ーーー
ーーーー
光はやがて小さくなり。
そして終息した。
タスクが見たのは
血の気がなく真っ白な顔をしていたサクマの姿だった。
タスクは何故こうなったのかわからなかったが、体は元に戻り、胸元の穴は塞がっていた。
川崎タスク→相棒神獣 (狸)ムモ
能力不明。目の前が赤くなる?
新宿メイナ→相棒神獣か (ハクビシン)ミニュ
能力、血を吸う?
原宿サクマ→相棒神獣 (狸)キリ
能力、足でハートの穴を開けることが出来る。
ミニュニュニュ〜〜♪読んでいただきありがとうございます★更新遅くてすみません。。よかったら感想とか貰えたら励みになります!勉強にもなります!