病院
川崎タスク18歳、頭と目が痛い普通の受験生。
『ふぅ…なんとか着いたか…』
着いた頃には血は止まっていた。
周りから変な目で見られていたが平気なフリをし、まっすぐ歩いていたら誰も声をかけてこなかった。
〜川崎市星々大学病院〜
五年前に新しく出来たばかりの大学病院。
ここの医師達はテレビで取り上げれるほどの凄腕だ。
とくに脳外科医の黒霧先生は毎日ひっきりなしにテレビにでている。
巷では『イケメンメガネ医師』とアニメに出てきそうなくらいなんともベタな容姿の医師で、女性のファンクラブまで出来ているという噂だ。
実際に、男の僕でも惚れそうな綺麗な容姿だった。
彼の存在がここの病院を有名にしたと言っても過言ではない。
『たった五年でよくここまで有名になったな…』
前に一度ここの病院に来たことがあったので、面倒な手続きはしなくてすんだ。
受付を済ませ、待合室で順番を待っていた。
ふとテレビをみると
ニュースが取り上げられていた。
さっき僕が倒れていた。
星々駅のニュースだった。
★★★★★★
「ニュースです。先程、星々駅の登り線で人身事故が起こりました。
16歳男性(学生)28歳男性(駅員)が線路に飛び込んだと言う情報です。
重症ですが、命に別状はないということです。
星々駅は毎時間、混雑しているのですが、目撃者はただ1人、18歳女性とのことです」
『へー。心中か?トラブルか?まさか僕を見てた野次馬達じゃないよな…。まさか…な。
少し怖くなったせいかあまり考えないことにした。
『ん?18歳女性…?』
ふとハンカチをくれた女の子を思い出した。
『髪はセミロングのワンカール、身長は低め、僕は170くらいだから155cmくらいかな。
胸はでかかったな。…Eはありそうだ。
花柄のヘアピンをつけていた』
何故一瞬しか見てないのに覚えてるのかって?
…それは僕の好みのタイプだからだ!!
誰だって自分の好みの子に会ったら特徴くらい覚えてるだろ…?
そんな僕の気持ちも気にせずテレビは放送し続けていた。
★★★★★★
「今日は特別に黒霧先生に起こしいただいてます。
黒霧先生!こちらの駅は先生の病院の最寄り駅ですよね?いつもこの時間は人がいないのですか?目撃者が1人なんてありえませんよね!!
私は正直こちらの女性が怪しいと思いますが!?本当は…」
…!?
黒霧の指がアナウンサーの唇に触れる。
「なんでもかんでも人を疑ってはいけません。それに、その言葉を発すると貴女の立場がなくなりますよ。口は災いの元…ってね」
アナウンサーの顔が赤くなる。
指が唇に触れただけなのに、そのアナウンサーは急にしおらしい態度になった。
「は、はい!そうですね!!く、黒霧先生の仰る通りです〜っっ!!!」
ドタッ
急にアナウンサーが後ろに倒れたので
放送は一時中断になってしまった。
…
『い、イケメン恐るべし』
…
「川崎さんーどうぞー!」
僕は名前を呼ばれたので待合室を後にした。
★ムモモモモ〜♪
読んで頂きありがとうございますー!!