表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

白い

「しょうがないな、もう。」


裕也が、牛乳をこぼした。


「にゅうにゅう〜!」


来年小学生なのに、いつもの呼び方で、大好きな牛乳を呼ぶ。

俊彦さんが、呼ばせた呼び方。


「子供らしくてかわいいだろ。」

子供みたいに笑う俊彦さんを思い出す。


そういえば、あの日の朝もこんなだったな。


「よっしゃー!床ににゅうにゅう飲ませてやったな、裕也よくやった!次はお父さんが、タオルににゅうにゅう飲ませてやろう。」


”でも”

と美和子は思う。


”でも裕也は男の子だし、

もう5歳だし…”


「裕也、にゅうにゅうじゃなくて牛乳でしょ!」


強く言って、すぐに自分の胸が締めつけられた気がした。


「ぎゅにゅう…」


裕也は美和子じっと見ていた。

こういう時は褒めてほしいのだ。


「…ちゃんと言えた!えらい、えらい。」

できるだけ笑顔を心がける。


裕也はふたたび美和子をじっと見て、しばらくしてからいつもの様にニッと笑った。


「ママもえらいえらい。」


なんだか、ほっとして胸が温かくなった。

もう少し甘やかしてもいいだろうか。

裕也の事も、自分の事も。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ