六話 顔合わせ
「えーと・・・。先生、ここであってるんですか?」
「えぇ。ここがあなたの教室ですよ!」
マジかよ・・・。
「おっ!もしや転入生?」
その声は、狭い教室を越え廊下まで聴こえるようなバカでかい声だ。
「うっせーな。前から伝えられてただろ。」
今度の声は落ち着いている感じだ。
「はーい。注目!知っての通り、ここのクラス 第三部隊に転入生が来ました~!中に入って~。」
「えーと、ここに転入しました、山寺弘といいます。最近までは近くにある公立高校に通ってましたが、訳あってここに転入しました。これからよろしくお願いします!」
自己紹介なんぞこんな簡単にでいいだろ。
ふとここで狭い教室を改めて見回してみると、クラスにいる生徒の数が僕を除いて三人と明らかに
少なすぎる。冬も近いし、風邪が流行ってるのだろうか。
そんなことを考えているのもお構いなしに、先生は場をどんどん仕切っていく。
「じゃあ今度は、元々居た組の紹介でもしよっか!右側からお願いね~。」
そう先生に指名されてしまったのは、教卓からみて、一番右にいるイケメン顔の男子生徒だった。
「僕は柳いづる。気軽に『いづる』って呼んでください。使用武器はスn・・・」
「あー、武器に関してはまた訓練実習のときにしよっか。じゃあ~次!隣。」
先生が何かを隠すかのようにいづるの発言を軽く妨害した。まあ実際隠すことでもないし、この先生の性格だとそんな事考えないだろう。
「俺は土居大樹!俺も下の名前で呼んでくれ~。」
あぁ、さっきのうるさい奴か・・・。
「オッケー。じゃあラスト!」
え?ラスト!?
もしかしてこんな少人数がひとクラス?
そんなことないよな。先生、あんな性格っぽいし、思い違いだということを願っておこう。
「えーと、私は古田まどかです。私もみんなと同じで下の名前で『まどか』って呼んでね。」
「で、私が担任かつ第三部隊司令官の牧本です。・・・。以上だね!卒業までよろしく~」
え!?マジかよ。まさかの人数これだけ?てか、卒業までこのままだと!?