トパス近郊遭遇戦 開戦
またひと月くらい間が空いちゃいました(汗)いかん、いかんぞこれは!これから就活でさらに忙しくなるというのに!
ちなみに今回更新が遅れた理由につきましては活動報告の方をご覧ください。目指せボストン!
「大隊長、森の上空に信号弾を確認しました!ガリソン小隊の緊急信号です!」
「ご苦労。全員聞いたな!応援部隊は進発準備を急げ。残ったものはこの場に防衛陣地を構築せよ。最悪魔獣をここまで引っ張ってくる可能性があるからな、大型魔獣との戦闘を想定し、攻城兵器の用意もしておけ」
『了解いたしました!』
探索隊の帰還を待つコーウェン本隊は、森の中から打ち上げられた緊急を示す合図に俄かに騒然となった。しかもガリソン小隊といえば貴明が所属している部隊である。その部隊から緊急信号が出されたということは、よほどの事態に陥ったということに他ならない。
「おそらくガリソン小隊は伝令をこちらに出しているはずだが、その到着を待ってから出発してはおそらく間に合わん。合図があった地点に向け直進しつつ、途中で伝令を回収するぞ!」
すでに準備がほぼ整っていたことと、みなが事態の深刻性を理解していたこともあり、コーウェン率いる応援の1個中隊は合図を確認してから5分とかからず出発した。
その合図はほかの探索隊の目と耳にも届いていた。
「っ!あれはガリソン小隊か?」
「そのようですね。目標の発見や撃破ではありません、緊急信号です」
「ということは先ほどの爆発音の発信源もあちらだな。よし、我々も救援に向かうぞ!」
上空に打ち上げられた魔法信号弾の発する光と音を確認した各探索隊は、一斉にそちらに進路を変更した。
「ラルフ少佐、合図と伝令、ともに出し終わりました!」
「よし。全員聞け!われらの役目はこの場に防衛陣地を構築し、後退してきたガリソン隊の回収やほかの部隊の集結をサポートすることだ。仮に集結前に我々まで敗れた場合、後から来た部隊も被害を受けることになる。心してかかれ!」
『はっ!』
指示を受けたラルフ小隊は魔術やスキルを使い一斉に周囲の木々を切り出し、大人数が集まれる広い空間を確保し、バリケードを築き始めた。木を利用したバリケードのほかにも魔術によって作り出した土壁や石壁、さらに円形に作っている防衛陣地の外縁に沿って空堀まで作っていく。たったの30人で行われているとは考えられないほどの速度で作業が進んでいるが、軍において拠点の構築は戦闘と同等に重要な任務だ。魔術を組み合わせることで、平地であっても短時間で簡易陣地を築けるよう訓練を受けているだけあり、その作業は速やかに行われた。
「隊長、先ほどから戦闘音が聞こえています。急がなければ!」
副隊長が焦ったように進言する。
「慌てるな。確かに聞こえるが急速にこちらに向かってきているわけではなさそうだし、悲鳴の類も聞こえん。つまり先行部隊は善戦しているというわけだ。我らは我らの仕事を堅実にこなすことだけを考えろ」
それに、とラルフは続ける。
「あのガリソンが向かったのだ。仮にSクラスの魔獣が相手だったとしても手も足も出ずに敗れることなどありえんよ」
その魔獣は比較的メジャーな部類であった。
ランドリザード。
おもに森に生息するこの魔獣は、魔術は使えないが森の景色に溶け込む迷彩柄の皮膚と、強靭な顎が特徴のCランク魔獣である。群れを作ることはなく単独で行動し、奇襲を受ければ痛い目に合うが、それさえなければ案外あっさり倒せる上にその皮膚は良質な皮鎧の材料として重宝されるため、それなりに高額で取引される。冒険者にとっては美味しい魔獣といえるだろう。
それが、一般的に認知されているランドリザードの特徴だった。
しかし。
「こいつはさすがに見たことはないなぁ。誰か知ってるやついるか?」
貴明は目の前に現れたその巨体を見上げてつぶやいた。
「俺は知らねぇですな」
「私も初めて見ました……」
グレンやカーラも呆然とした表情で見上げている。ほかの者たちもどうやらまだ衝撃から立ち直れていないようだ。
純粋な大きさだけでも通常の3倍から5倍ほど。しかもその巨躯の周囲にはかすかに風がまとわりつくように流れている。風魔術を使う魔獣の特徴と同じだ。
「さっきの衝撃も魔術か何かか?とにかく普通のランドリザードと同じように考えてたら痛い目見そうだ……な!」
言い終わると同時に駆け出し、巨体へと切りかかる。驚異的なステータスにものを言わせた加速力。常人どころか一般的な冒険者や兵士であっても視認が困難なほどの速度で貴明はランドリザードへと接近した。ランドリザードはいまだ攻撃態勢を取っていない。先手必勝だ。
しかし。
「ガァァァ!」
「なに!?」
ランドリザードはその速度に反応した。それだけではなく、貴明めがけて前足で土をけりかけ牽制をすると、尾を鞭のようにしならせ反撃までしてのけた。
回避は間に合わない。そう判断した貴明は長剣を立て衝撃に備える。下位の龍種に匹敵する貴明の筋力であれば確かに耐えられただろうし、貴明はその衝撃に耐えきる自信もあった。武器が持った場合なら。
ぴしっ、キィン!
(っ!?嘘だろ!?)
ランドリザードの尾と貴明の長剣がぶつかった瞬間、衝撃に耐えきれなかった長剣が根元付近から見事にへし折れた。そして勢いを殺すことなく、貴明の体に強力な一撃が吸い込まれていくかと思われたその瞬間。貴明の胴に縄のようなものが巻きつくと同時に、その体が後方へと引っ張られた。
「いまだ!一斉射、放て!」
『アース・バレット!』
カーラの合図の元、第一偵察班が一斉に魔術を放つ。目標はランドリザードの下腹部。尾を使った攻撃のため貴明たちに背を向ける形となったランドリザードの、おそらくもっとも外殻が薄いと思われる部分に、一斉に鋭利な石の弾丸が襲い掛かった。
ランドリザードの死角から放たれたこぶし大の石礫は見事に全弾命中した。尾による攻撃が空振りに終わりなおかつ唐突に下腹部に攻撃を受けたランドリザードは、いったん体制を整えるためか貴明たちから距離をとる。
「簡単にやられるとは思っちゃいやせんでしたが、アース・バレットを腹に食らって無傷たぁ面倒ですな。旦那も無事ですかい?」
貴明の体に巻きつけた鞭を回収しながらグレンが聞く。彼が貴明を引っ張り戻したようだ。
グレンが鞭の扱いにも長けていることに若干驚きながらも礼を言いつつ、貴明は状況の把握に努める。
(普通のランドリザードならさっきのアース・バレットで片付いていた。いや、そもそもこのの剣が折られることだってなかったはずだ)
手中の折れた剣を見る。本来の主力装備だとあまりにも高価すぎて他人の目を引きすぎるため、普段から多少グレードダウンした、しかも得意な日本刀や双剣ではなく長剣を装備していた貴明ではあるが、あの剣とてただの安物ではなかった。むしろ冒険者ランクがBに上がった時、長剣も悪くないと思い始めた貴明が真剣にランクと予算を考慮した結果選び抜いた一品だった。
Bランク冒険者が持つには少々不釣り合いと思えるような代物だが、ノールにあるギルド系列の数ある武具店の中から見出した貴明のお気に入りであり、本来ならCランク相当のランドリザードに一撃で壊されるなどまず考えられないものだったが、ここまで見事にへし折れていては修復は不可能だろう。
手元に残った柄を残念そうに一瞥し、一つため息をこぼす。
「このまま戦うのは危険だ。いったん小隊に合流して態勢を整えないと。いくらなんでも情報が少なすぎるし、もともと俺たちは偵察部隊であって攻撃部隊じゃない」
アイテム欄から予備の長剣を引っ張りだし方針を決める。
「確かにそうですが、すんなり見逃してくれそうにないですぜ?」
グレンの言うとおり、ランドリザードはすでに戦闘態勢に入っている。貴明たちが背中を見せた途端、最初の爆発のような攻撃が飛んでくるだろう。
(そういえばなんであの攻撃は最初の一回以外使わないんだ?発動条件があるのか、それともチャージが必要なのか……)
なんにしてもやはり情報が少ない。
「カーラ大尉、小隊の現在地はわかりますか?」
「ええ。先ほど50メートルほど手前に第二偵察班を見つけました。おそらくその近くにガリソン小隊かラルフ小隊、あるいは両隊がいるかと思われます」
頭の中でこのあたりの地形やランドリザードの移動速度、小隊の予想位置を思い浮かべる。
「よし、今よりこの場から撤退し、第二偵察班と合流します。みんなは一度、あいつに対して遠距離攻撃を仕掛けてください。その隙にあいつの足を止めますので、そのあと全速力で後退します。直接攻撃は今のままでは危険ですし、何より俺の術に巻き込まれるので禁止します。何か質問は?」
「あ、あの。こんな規格外の魔獣、どうやって足止めするんですか?」
「中佐ができるといっておられるのです、信じなさい。中佐、いつでも」
グレンの護衛としてついてきた若い兵士が不安そうに聞いてくるが、カーラがそれを抑え行動を促す。グレンは日ごろから貴明と行動を共にしており、そのレベルも承知しているため特に異論はなさそうだ。
それに頷いて答えつつ、懐から魔力上昇補正付きの指輪を取出し装着する。
「俺が奴の気を引きます。その瞬間に一斉にかましてください。……シッ!」
手に持っていた折れた長剣の柄をランドリザードの頭上へと放り投げる。野生の本能から貴明を最大の脅威と認識しその一挙一動に注目していたランドリザードは、思わずといった感じでそれを視線で追いかけた。
「いまだ!」
『アイス・ニードル!』
『アースランス!』
『ツイントリガー!』
『バニシングトマホーク!』
貴明が叫ぶと同時に、一斉に魔術や弓、投げ斧のスキルが放たれる。
一瞬の隙を突かれた形になったランドリザードだが、前方に半透明のシールドのようなものを作り出し、事前に防御態勢をとることに成功する。グレンたちが放った攻撃は魔術は吸い込まれ、矢や投げ斧は弾かれ本体に届くものは一つとしてなかった。
(かかった!)
しかし貴明はそれでかまわなかった。先ほどの攻撃はあくまで牽制。そしてランドリザードは攻撃に耐えるためにその場に踏みとどまってしまった。
「全員奴から離れろ!『土陣・砂枷弐式、鬼地獄』!」
その瞬間、ランドリザードの足元に一瞬魔法陣が光ったかと思うと、唐突に巨大な蟻地獄が出現した。
『土陣・砂枷弐式、鬼地獄』。FOE時代に友人のダイスケが開発したこの魔術は、対象の足元を砂場に変え、そこから抜けようとしても砂が意志を持つかのように、足に枷のようにまとわりつくという捕縛用の土系統魔術だった。
貴明は『土陣・砂枷』と名付けられたその術を開発者本人の了承を得て改造、対象の足場を砂地にするだけではなく蟻地獄状にしたうえで、本来の特性である『足に絡みつく』という要素に加え、『這い上がろうとすればするほど中央に引きずり込まれる』という悪趣味極まりない術にしてしまった。
この術は当時FOEで上級プレイヤーをもことごとく屠っていた、ダイオン帝国領のとあるダンジョンのボスであるオーガ系魔獣にも有効に作用したため、ダイスケによって『砂枷弐式』の名が与えられた。『鬼地獄』の由来は説明するまでもないだろう。
ともあれ、貴明の狙い通りにはまってくれた。この術は起動から発動までにワンテンポ時間がかかるうえに対象の足元に魔法陣が出現するため、それなりにレベルが高い相手にはうまく使わないとなかなか通用しないものなのだ。
「成功のようですね」
「ええ。これでしばらくは時間が稼げるはずです。早く撤退しましょう」
「中佐、ご無事で何よりです!」
ランドリザードが身動きできないのを確認し後退した貴明たちは、後続の第二偵察班を拾った後ガリソン小隊と合流した。最初の爆発は小隊の元にも届いており、ガリソンは最悪の結果も想定していたが、多少の手傷を負いながらも全員無事な様子を確認すると珍しく作戦行動中にもかかわらず破顔した。
「ご心配お掛けしました!ラルフ小隊は?」
「先ほどの待機地点に陣を構築中です。緊急の信号弾を上げましたので、もうじき応援も到着するかと。敵の正体はつかめましたか?」
「それについては道すがらお話しします。今は少しでもこの場から離れましょう」
今は動きはないが、『鬼地獄』の効果時間はそう長くない。じきにランドリザードはこちらに向かってくるだろう。無駄にできる時間はなかった。
だが現実はそう甘くはなかった。ランドリザードを残してきた方角から、明らかに木々を押しのけて、あるいは切り倒してこちらに近づいてくる足音が聞こえてくる。
「旦那、残念ですがそいつは無理です。追いつかれやしたぜ」
グレンの視線の先には先ほど相手にしていたランドリザードの姿が。その巨体の周囲には風の刃が多数旋回している。これで木々を切り倒して道を切り開いたのだろう。
「これが件の魔獣ですな。しかしこれは……」
初見のガリソンたちはその威容に驚きながらも戦闘態勢をとる。
「ただのランドリザードではありません。少なくとも見ての通り風魔術は使えるようです。こちらが放った魔術に関しても吸収している節もありました」
カーラがガリソンに忠告する。確かに先ほど足止めのために一斉攻撃をかけた際、ランドリザードに飛来した魔術は確かに吸い込まれているように見えた。そしてその際に現れた半透明のシールド、あれは対魔術耐性持ちの魔獣が使う対魔盾でまず間違いない。当然、本来ならランドリザードという種族が持っている能力ではない。
「俺が足止めに使った術に関しても、本来ならもっと効力時間はありました。おそらく陣の魔力を吸収することで持続時間を短縮したんでしょう」
そして何よりもこの対魔盾の面倒なところは、放たれた魔術の性質、威力を問わずどのようなものであっても完璧に防ぎ切り、なおかつその術に使われた魔力を吸収し、自らの攻撃に転用できる点だ。
貴明が先ほど足止めに成功した際魔術による追撃を行わなかったのは、抗魔盾との相性があまりにも悪すぎたためだ。かといって遠距離で有効打を与えられる攻撃手段も持ち合わせてなかったため、あの場は撤退することにしたのだ。
「グゥゥ……。ガアァァァ!」
「っ!散開!」
貴明たちに動く気配を感じなかったのか、ランドリザードが先制攻撃を仕掛ける。ガリソン小隊は散らばることで大量に飛翔してくる風刃をかわすが、手数があまりにも多く負傷者が続出する。
「中佐!こいつが相手ではラルフ小隊が構築中の防衛陣地はかえって邪魔になります!この場で討伐しましょう!」
風の刃や時折それに織り交ぜるように飛んでくる四肢や尾、顎を使った攻撃を、時には長剣で、時には盾でいなしながらガリソンが進言する。
「わかりました!負傷者や一般兵は後方へ下げましょう!森の中では少数精鋭のほうが戦いやすい。ラルフ隊や到着してい部隊の分隊長以上のもので討伐に当たります!」
「承知!みな聞こえたな!無事な者は負傷者を担ぎラルフ隊と合流せよ!今の段階でわかっている敵の特徴を伝え、分隊長クラス以上のものに対大型魔獣装備で応援に来るよう伝えろ!カーラ、フランツ、クーガー、我々はこの場でこいつのお相手だ。応援が来る前に片を付け、コーウェン大隊最強の部隊は我がガリソン小隊だということを証明するぞ!」
『はっ!』
本来ならとうに食事の準備を終え、野営地で温かい食事にありついていただろう貴明たち。当初のアルザス作戦計画とは無関係な事件に巻き込まれた者と、その原因である者の本格的な戦いが始まった。
「……以上がガリソン少佐、および貴明中佐からの報告です!」
「そうか、ご苦労だった。下がってくれ。衛生班のところで治療を受けるといい」
「はっ!失礼いたします!」
ガリソン隊の伝令を見送った後、ラルフはその場にいる隊長各へと向き直った。
「状況は聞いての通りだ。コーウェン隊長がおられない今、我々だけでどうするか決めねばならん。お歴々の考えを聞かせてほしい」
今この場にいるのは陣地の責任者であるラルフとその副隊長、そのほかに救援に駆け付けたアルベール小隊とボドワン小隊の隊長、副隊長。そしてアルベール・ボドワン両隊に配属された冒険者のユリウスとベアードだ。
「どうするもこうするもないだろう!早く救援に行かねばガリソンたちの命が危ない、我々だけでもまずは向かうべきだ!」
発言をしたのはラザール・アルベール少佐。ユリウスの所属部隊の隊長だ。
「落ち着けアルベール殿。ラルフ隊はこの場の指揮があるから動けん、我ら両隊は正面戦専門のガリソン小隊と違い偵察・奇襲戦専門で大型魔獣との戦いには不向きとなると、まともに戦えそうなのは我が隊のベアード殿とそちらのユリウス殿だけだ。足手まといになるとは思わんが、戦力の逐次投入は下策だぞ」
アルベールに反論したのはラウル・ボドワン少佐。アルベール小隊とともに行動しており、この場の隊長の中では最年長者だ。
「確かにそうだが、いかに防衛戦闘の名手であるガリソンでも報告にあった通りの魔獣が相手ではあまりにも危険すぎる!それに現地には例の貴明中佐もおられるのだろう?我らが敵を引き付けつつ、中佐を中心として攻撃すれば十分対処は可能なはずだ!」
「僕も同意見です。魔術が聞かないのは厄介ですが、抗魔盾持ちの魔獣なんてさほど珍しい部類じゃありません。それに貴明さんの突破力なら十分討伐はできます」
「おれも賛成です。むしろ早くいかないと戦いが終わってそうっすね」
ユリウスとベアードがアルベールに賛同する。各副隊長たちも特に異論はなさそうだ。
「よし。それではアルベール・ボドワン両小隊の分隊長以上はこれより対大型魔獣装備に切り替えガリソン隊の応援に向かってもらう。ユリウス殿とベアード殿も同様だ。ラルフ小隊は戦闘地点を中心に半径100メートルの外縁を班単位で巡回、ほかの小隊や魔獣が現場に近づかないように警戒しろ。以上だ、解散!」
ラルフの掛け声とともに一斉に動き出す。軍属の面々はアイテム欄から重厚な大剣や突撃槍、大弓などを取出し、ユリウスたちは改めて己の武装や回復ポーションの状態を確認する。
「ユリウス、お前は例のランドリザード、どうやって攻める?」
「まだ実物を見てないから何とも言えないさ。ベアードは?」
ユリウスは話しかけてきたベアードに視線を向ける。すると大柄なベアードはニヤリと笑うと、自慢の大戦槌を掲げる。
「もちろんこいつでやっこさんをひき肉かつ粉々にしてやんの、さ……。……お?何の音だ?」
話してる途中から聞こえてきた風切り音に首をかしげる。その瞬間。
ごいぃぃん!
「ぬはぁぁ!?なんじゃこれ!?」
ベアードの持つ鉄製の戦槌に何かがぶち当たる。手のしびれをこらえつつユリウスとともに飛来物を覗き込むと、それは巨大な牙だった。根元の断面はきれいな平面。明らかに何者かによって斬られたものだ。
「……。」
「……。」
「……確か現場ってここから500メートルくらい離れてたよな?」
「……単純な飛距離もそうだけど、よく途中で木にぶつからなかったよな」
衝撃のあまりどうでもいいことに驚くベアード。確かに気になるといえば気になるが。
「……早くいかないとほんとに終わっちゃいそうだな」
「……ああ」
本音を言えばもう少し先まで書きたかったんですが、さすがに今日更新できないといつまでもずるずる行きそうだったんで今回はここまでです。
うぅ、全部スパルタンが悪いんや!
申し訳ありませんが感想は明日か明後日に返信いたします。もうしばらくお待ちください。




