俺TUEEE桃太郎~元鬼の俺が人間に転生してチートな体を手に入れたので、強い仲間達と復讐します!~
気軽にお読みください。
むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。
ある日、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯をしに行きました。
おばあさんがジャブジャブと洗濯物を洗っていると、川の上流から、
タスケテ……タスケテ……
と、うめき声を発する虹色に光る桃が流れてきました。
おばあさんは耳がクッソ悪かったので、桃の声は聞こえませんでした。
しかし虹色の桃というものは、否応なく目立ってしまうものでして、結局、おばあさんは桃を拾い、家へ持って帰りました。
おじいさんとおばあさんは久々に果物が食べられると大喜びし、桃を真っ二つに切って食べました。
すると、どうでしょう。
なんと、二人がみるみるうちに若返っていくではありませんか!
「「おやまあ……」」
二人は数分も経たぬうちに、二十代の若かりし姿へと変わりました。
二人は当然のように狂喜乱舞し、その勢いのまま、布団の上で濃厚なプロレスごっこを一晩中繰り広げました。
その数カ月後、二人の間には元気な赤ん坊が爆誕しました。
この赤ん坊こそ、本作の主役である桃太郎です。
二人は虹色の桃を神様が与えてくださった食べ物だと信じていたので、赤ん坊に桃太郎と名付けました。
桃太郎はユー〇ューブのショート動画くらい早く成長しました。
とにかく食べて、よく寝て、よく体を動かし、三歳になる頃には、木刀で太い木を折れるほどの力を身に着けていました。
それもそのはずです。桃太郎は転生者なのですから。
桃太郎には前世の記憶があるのです。
彼の前世は鬼でした。
彼は両親を早くに亡くし、他の鬼たちからは、いじめられていました。
毎日毎日、暴力を振られ、石を投げられ、「役立たず」「一番弱い鬼」「クソ雑魚」と罵倒されました。
彼の出自が悪かったからです。おまけに鬼の社会は弱肉強食が基本のため、誰も彼を助けてようとはしませんでした。
特に鬼ヶ島のリーダーの息子は、しつこく彼を攻撃しました。棍棒や短刀を使用した、まごうことなき暴力でした。
彼に居場所はありませんでした。誰も彼の味方にはなりませんでした。
鬼としての最後の記憶は、飢えて飢えて死んだことくらいです。
彼は最終的に、食料ですら手に入れられずに死んだのです。
彼はこうして人間に転生しました。
彼は生まれながらにして復讐を誓っていました。誰も助けてくれなかった、かつての故郷とそこに棲む同族達に。
同族嫌悪。鬼の社会マジ許さん。
それが彼、桃太郎の嘘偽りのない心でした。
桃太郎はどんどん力を付けていきました。毎日、欠かさず筋トレを行い、山を走り回り、動物と戦い、やがて、自分の力の本質に気づきました。
桃太郎の体は、鍛えていくにつれて一般人を遥かに超えた筋力を持ち始めていたのです。
そうして、桃太郎はとうとう日本中の誰よりも強くなりました。
桃太郎の姿は、まるで漫画に出てくるゴリマッチョのようでした。世紀末風の輩そのものでした。
「父上、母上、俺はこれから鬼ヶ島っていう場所に行って、悪事を働くゴミ共を成敗してきます」
桃太郎が十歳になった頃、いよいよ復讐の機会は巡ってきました。
両親の生活も安定し、立派な船を手に入れられる当ても見つかり、鬼達が悪さをしているという噂も耳にしたからです。
元おじいさんと元おばあさんの二人は、桃太郎の夢を心から応援し、早速、準備に取り掛かりました。
おじいさんは通販サイトで武士のコスプレ衣装を購入し、一族に代々伝わる日本刀を持たせました。
おばあさんは隠し味にエナジードリンクを混ぜ込んだ「きびだんこ」を作り、お弁当として持たせました。
準備を終えると、桃太郎は二人に感謝し、鬼退治へと出発しました。
道中、そこら辺をうろついていたケルベルス。
バナナに飽きていたゴリラの魔人。
そして、野生の不死鳥を、拳ときびだんごで仲間にしました。
桃太郎は、そんな愉快な仲間達を引き連れながら、ジェット船で最速最短で鬼ヶ島へと向かいました(※重量オーバーだったため、桃太郎だけは泳いで向かいました)。
一日も経たずに、桃太郎一行は鬼ヶ島に上陸すると、先手必勝と言わんばかりに、鬼ヶ島の町門を蹴り飛ばしました。
「おらぁ! クソ鬼ども! 楽しい鬼ごっこの時間だぞ!」
桃太郎はそう言い放つと、日本刀を腰から抜いて、縦横無尽に戦場を駆けました。
神作画のアニメのようなバトルが始まりました。
桃太郎は強すぎました。次々と鬼達の首を、熱いナイフでバターを割くかのようにバッサバッサと斬り落とし、鬼達に反撃の隙を与えませんでした。
鬼達は最初、格好のカモが来たと思っていましたが、その予想はものの見事に外れました。
桃太郎の愉快な仲間達も続きました。
ケルベロスは巨大化して鬼を踏み潰したり、食べたり、ビームを口から出して辺りを破壊しました。
ゴリラの魔人はおもちゃのように鬼を振り回して遊んだり、魔法を放ったりして、地獄絵図を作り出しました。
不死鳥は逃げ出そうとする者を、一人残らず灰にし、たまに戦闘要員の鬼に近づき、目玉をくり抜いて「眼球おいちー」と食べながら呟いていました。
そんなこんなで、桃太郎はついに鬼達のリーダーと、主犯格である息子を発見しました。
「ま、待て! 奪いまくった金銀財宝ならやる! この島に連れ去った美女も全員返す! 降伏する! だから、これ以上は……」
桃太郎の意思は揺らぎませんでした。
桃太郎はリーダーに素早く襲い掛かると、あっという間に彼の上半身を切り裂き、胴を別れさせました。
リーダーの息子はわんわんと泣き喚き、う〇こを漏らしていました。
もちろん、桃太郎はそんな事情しったこっちゃありません。
「おい、お前。よくも俺のことをいじめてくれたな。●●という名に心当たりはあるか?」
「なっ、なぜお前がそれを知っているんだよ! あのクソ野郎がどうかし……」
「ありがとう。クズのままでいてくれて」
桃太郎はリーダーの息子の心臓を貫くと、息が止まるのを待ってから、海の荒波へと放り投げました。
桃太郎が復讐を果たしたころには、鬼ヶ島の鬼は全滅し、ゴリラの魔人が紳士的な振る舞いで美女達を助けて、エスコートしていました。
桃太郎は鬼達の船とジェット船を使い、金銀財宝と美女達を乗せて日本に帰りました。
そして桃太郎は、金銀財宝と美女達を元の場所へと届け、美女の一人と恋に落ちて結婚し、幸せに暮らしましたとさ。
めでたし めでたし
※後日、生まれた娘が学校に通いだし、乙女ゲーム『お伽噺プリンス』の世界だと気づいたらしい(To be continue......?)。
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