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第二夜:揺れる影

影山智は、自分の歪んだ顔を見つめる影から目を逸らすことができなかった。その瞬間、街灯が明滅し、世界が一瞬闇に包まれた。


(これは、幻覚か?それとも...)


再び光が戻ると、影は元の形に戻っていた。しかし、影山の心の中に残された違和感は消えなかった。


彼は歩き出した。行き先はない。ただ、動き続けることで何かが変わるのではないかという漠然とした期待だけが、彼を前に進ませる。


角を曲がると、見覚えのある姿が目に入った。先ほどの強盗事件の被害者だった女性だ。彼女は電話ボックスの前で佇んでいた。


(警察に通報するのか?)


影山は立ち止まり、女性の動きを観察した。しかし、彼女は電話をかける素振りも見せず、ただそこに立っているだけだった。


不審に思った影山は、女性に近づいた。


「大丈夫ですか?」


女性は振り返った。その目には、先ほどの恐怖の色はなく、どこか虚ろな表情が浮かんでいた。


「あなた...さっきの...」


女性の言葉は途切れた。彼女の目が、影山の影に釘付けになる。


「影...動いてる...」


影山は咄嗟に自分の影を確認したが、何も変わった様子はない。


(彼女にも見えているのか?)


混乱する影山の前で、女性は突然笑い出した。その笑い声は、夜の静寂を切り裂くように響いた。

(続く)

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。まだ誰からもコメントをいただいていませんが、これからじっくりと読者の皆さんとつながっていければいいなと思っています。もし読んでくださった方がいらっしゃいましたら、どんな些細なことでも感想をいただけると本当に嬉しいです。

 次回もお楽しみに!

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