表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落ち葉拾い  作者: 静夏夜
2/13

「葉書」〜壱〜

■まえがき


 これは他の作者様の活動報告や作品の感想に私が書いたものになります。

 今後も追記して行く予定です。


 感想ものには「『作品名』作者名」を記していますので、作品の方へと足を運ばれていただければ幸いと思います。

 尚、これを書くのに断りを入れてはいませんが、作者様から削除要請あれば即時行いますのでお申し付け下さい。



■本文


「『竜神。』caem様宛」


 その舞は、米へと繋がる神への儀式。

 秋穂に実るそれまでを焼入り守る竜の槌。

 その輝きは実の中へと納められ

 焚いて炊かれた一粒に

 艶めく輝きが顔を出す。

 昇華するは竜の如くに、消化するは腹の中。


 新米のクセに生意気な。

 そう言わせる程のうまいコメ。




「『swallow』caem様宛」


 子供の頃から毎年来ていた駅舎が壊され改修されて、新しくキレイになったと喜ぶ大人達の傍らで、私は何かの違和感に受け容れられずにいた新駅舎。

 季節になって思い出された帰る郷の失き跡に、駅員さんが設置していた巣箱に感謝の帰郷。




「『太っちょ、ちょっと、いいわけ。』白夜いくと様宛」


秋の実りに祭りに香りにと

手を出し足を出し腹を出し

腹八分目油断大敵暴食暴飲

私は春の祭りに負けたパン

お皿の為にと買った食パン

皿もペロリと乗ったは脂肪

季節は巡る春を前に食誘う

秋の実りに祭りに香りにと




「『白い部屋』日浦海里様宛」


若さは無機質を求め、年を重ねて木のぬくもりを求め出す。

それは胎内のぬくもりから出た自身を感じたいからこそ冷たい無機質な物を好み

産まれ出た世の冷たさに彷徨い疲れてぬくもりを求める。

人の暖かさを近くに感じる生活には無機質な物が多く、人が居ない場所ほど木が多い。

人を羨む人形なのか、人形のように人としての世を拒絶するのか……




「『passing by』日浦海里様宛」


代わる景色の流れに時を見る。

毎日見ている景色にも違いがあるのに気付かぬ変化。


如何に自分が見えてる世界が狭きものかと

そこに気付けるのは代わった事を知れた時

通りすがりの店にも代わらぬ事を求めるは

川の流れにも負けず佇む大石と同じくして

少しずつ削られている事実は目に見え難く

それが時代の流れと気付けば記憶も流れて

時の流れと同期し同じ時の流れに身を任せ

見える視野はそのスピードにより狭くなる




「『きみはつよいこ』白夜いくと様宛」


 その確信なき核心を突いた悪の所業が悪を齎すのか

人を傷付け心の隙を作り嘲笑う人が悪なのか

悪の入る隙を作り嘲笑う人に悪が悪を行わないなら

悪に対抗するは悪のみか

悪を持って悪を制すが正しいのなら

心根にも悪の無い者は救われそうにもない……




「『このよで1番輝いてるのは?』日浦海里様宛」


 夜に下見る小さな世に

 見下し見る目は心の目

 綺麗な星や月やを貶めて

 あざけ笑うは醜い心

 鏡面反射に荒れる心

 波打ち荒らすは苛む心鏡




「『Never let go my hand you hold』日浦海里様宛」


優しさは時に人を傷付ける

優しい心に触れて気付かされ

心の鎧を脱ぎ去れば

重たい心が解き放たれて軽くなる

温和に寄り添われて心を許す

許せば心の防御は無くなる

裸の心は傷付き易く

貴方無しでは生きられなくなる

それを知って尚手を取るのか

臆病になる事を望むのか

心の不安も見透かして

手を取ろうとするその手をじっと見る




「『天才なんていない』日浦海里様宛」


 天才に定義を求める事が凡人と言われれば、ムカつき覚えて天才を認めるよりも凡人と言われた自分を認めさせる事に終始し天才をも貶める。

 天才がそれを言ったのなら天才ではなく、誰かが天才を創る為に天才として持ち上げ他者を貶めた話。

 誰かが認める時点で生まれる天才。

 けれどそれは、天才は誰かに認められるまでは天才ではなく、天才と認める誰かは何者なのかに、凡人に認められた天才は天才なのか、天才と認める天才は誰に認められた天才か……

 鶏卵に陥る話に、それこそが天才では無い証明。

 自分より才能があれば天才なら、幾らでも居るさ天才なんて、切りがない……(笑)




「『花の星座がない理由は』逢乃 雫様宛」


花のない星座が浮かぶ夜空にも

大輪の花を咲かせる花火がある

今は季節に関係なく打ち上がる

夏夜だけに限らずイブの夜にも

花の主張は強く気高く華やかに

星々の光を負かす程に騒がしく

人々の見上げる姿はにこやかに

たまに咲くから負けても許そう

星の光と花の光とが交わり詩い

みなの心に浮かべる光を歓びへ


八十八から漏れたアルゴと共に

今も目にするのに星座には無い

流星群にだけ聴く星座しぶんぎ




「『夏祭り ― 初恋 ―』冬野ほたる様宛」


 夏よ来い故意夏夜恋

 ヒューヒューヒュー♪

 面被り

 見惚れていたら

 たこ焼きついて口火傷

 はれた唇妬けたくち




「『夜間想行』日浦海里様宛」


 夜は昼の喧噪が無くなり人の少なさに集中力も増し、妙に感性が豊かになるとちっぽけな自身にも気付くようで、視える物全てが愛おしくもなる。

 月明かりに乱反射する川面を横目に夜道を走らせる自転車も気持ちが良く、海を目指すも帰宅の途も同じ道を行く者達に流れる星の加護を想う。




「『祈念』日浦海里様宛」


 煌めく星の儚い記憶に願う光

 光の速さを以ってして

 届くまでの距離を思えばこそ

 途中を塞ぐ事も有り得る中で

 良くぞここまで無事で何より

 届いた光を眼に反射させ

 想いを浮かべ輝かせる☆



■あとがき


 この一話で文字数が三千を超えていましたので、一話を凡そ二千文字程度とする為、「葉書」〜弐〜 へと一部を編入させていたたきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  タイトルやサブタイトルも、思わず肯きます。  ぴったりですね。  初見の作品もあるので、ゆっくりと楽しませていただきます♪  ひとつひとつが作品として発表しても遜色ないと思いました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ