結ばれぬ物想い……
■まえがき
気持ちが解るだけに痛々しく、物心が突いて来る。許せるか否か、心理的要因に妥協出来る者は居るのだろうか……
■本文
酔いどれに席を立ち
異臭漂う個室の床に
哀愁漂う輝く飾り物
高そうだな
凝った造りが物語る
洗うか否か
悩んだ末の決断
物別れ
君は迷えるカチューシャ!
全て金属なら望みを残すが
ガラスとビーズも洗えば何とか
けどレースがあっては……
下を向いて落ちたのね
中ではないだけに悩み所か
お悔やみ哀しみ察する床上
水に流せぬ飾り物
私はこうした物に名前を付けた
”心理的瑕疵物品“
会話に妙な勘繰り避ける術
席へ戻る道すがら
誰の物か察すれば
服に合わぬ髪型見付け
様々な思考に結びつく
どなたかこの娘にマティーニを♪
下を向いて落ちる髪
傷みの少ないストレート
汚れたカチューシャ
哀しみよ
さようなら
この後カラオケ行くなら
歌うタイトル決定ね
きっと髪を振り乱して踊る筈
友達も個室で気付く筈だけど
持って来る奴居たらマジ笑う……
性格の悪さか純粋か
あのテーブルの女性が席を立つ度
気になり過ぎて目が離せない
その時はやって来た
それは悲しい知らせ
テーブルの皆が席を立つ
君の事を好きな気持ちは変わらない
別れる運命だったのかもしれないね
物事には順序や秩序が付き纏う
例え心は綺麗で純粋だとして
汚れを身に纏う事が出来ようか
ごめん、残酷な結果だけど
受け入れるしかなかったの
さようなら
結ばれぬ物想い……
■あとがき
「○○に落ちてた○○」等と言えば可哀想より汚れた感じが先行するので、私はこうした物を”心理的瑕疵物品“と呼ぶ事にしたのです。
何せ、こうした物はト○レに限った事だけではなく、黒い何かが触れた物や嫌いな誰かに触られた物等、様々な要因で”心理的瑕疵物品“は出来得るからだ。
仮にも、「トイレに落ちてた」等と言う会話が本人に聞かれれば、当人の哀しみの念を仏に治める事も出来ず、それを酒の肴とネタにする者あれば辱めにすら感じられる事でしょう。
故に、周囲の会話にも惑わされず”心理的瑕疵物品“として処理され、そうした哀しみも捨て去り、安らかな眠りに着く事を願う”物“である。
これにまでエコを言う環境云者が居ない事を願うばかりです。




