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RIDER  作者: 大堀はじめ
2/6

#2 : 霞ヶ関3F

この作品はフィクションです。

実際に存在するいろいろとは一切関係ありません。

#2 : 霞ヶ関3F


 外に出る、とはどういう意味なのか。


 色々考えられる。無論ただ解放されるわけでは無いはずだ、労働?もしかしたら人体実験かもしれない。


 そういう事を考えてから返事をすべきだった気もするが、そんな余裕は俺、そして神田にはなかった。

すぐに懇願した。

「はい。」「出してください。」そんなストレートな言葉だっただろうか?


 駐車場に連れていかれ、ここで待つよう指示されてからは、所長だけでなく看守も付かなかった。


 ここまで一切の説明はなしだ。

 はっきり言って少し不気味だった。これから何が起き、どこへ連れていかれるのか。


 2分くらいだろうか、沈黙の気まずい時間が流れた。

その沈黙を破ったのは神田の方だった。


「本当に出れると思ってるか?」

 彼らしい、ストレートな問いだなと俺は思う。

「正直怪しいとは思う。でも出れるならなんでもいいだろ?こんなしんどい刑務作業ともこれでおさらば。」

「身寄りはあるのか?」

 神田はストレートに問うてきた。あまり触れて欲しくはなかったが。

「ないな、全く。」

「そうか。」

 何故なのか、聞いてくると思ったが聞いてこない。

 それもそのはずだ、彼は親を殺している。


 「川崎猟奇殺人」では神田の親夫婦が無惨に殺され大きく世間の注目を集め、息子の神田もメディア、そして世間からも哀れみの視線を向けられていたが、捜査が進むにつれて息子の神田も容疑者として浮上。後に指紋だかDNAだかが出て逮捕に至った、ように記憶している。


 その後は沈黙、無音の時間が流れた。

 何か話しかけようか悩んだその時、黒塗りの高級車が駐車場に入り、俺らの前で止まった。


 ドアが開き、黒いスーツに全身を包んだ男が助手席から降りてきて、後ろのドアを開いた。

「話は聞いているな?乗れ。」


 促されるまま、俺らは後部座席に乗り込んだ。

 どこへ向かうのか、聞きたいとは思ったが、車内は言葉を発せるような空気ではなかった。


 俺らとスーツの男2人、そして重苦しい空気を積んだ黒い車は走り出し、貝塚ICから東関東道に乗って都心方面へ進み出した。


 やがて車は霞ヶ関に着く。

 国会議事堂や官邸を抜けて高級マンションの地下駐車場で車は止まった。


「降りたらそこのエレベーターで3Fに向かうように。」


 そう言われた俺らは無言で頷き、エレベーターへ向かった。

不定期投稿。

まだまだ続きます。

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