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異端の紅赤マギ  作者: みどりのたぬき
第3章:雷速姫と迷宮街編
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第94話:フラグ回収

出来るだけ、連日投稿出来る様に頑張ります。

無理だったら、優しく微笑んでください。

 ミザウアの正門に近付いた為、俺達は馬を降りて牽いて行き、入口の検査待ちの列に並んだ。


「おかしいな・・・普段は入口でこんな時間掛かる検査なんてやってないんだが」


「あれじゃないか、クソ聖女が通るんだろここも。だからそれの警備体制強化とかそう言うの」


「あぁ、それは有り得るな」


 ドエインは柄訝しむが、俺はどうせそんな下らない事だろうと言う。

 俺の言葉はあながち間違ってはいないだろう。

 ここから数日進めばもうホルスな訳で、ホルスはハイスタード帝国と今でも小競り合いが続く最前線だ。

 この辺りには関所の内側と比べてもハイスタード帝国の間者の類は格段に増える事が素人でも予想出来る為、聖女御一行が立ち寄る場所なので警備体制は普段よりも強化される事だろう。


「検問で、フリーの傭兵って言っても問題無いよな?」


「あぁ、問題無い」


 余程風体が怪しく無い限り、名前や出身地等を調べられる事は無く、荷物も怪しい物を持って居なければ特に何かある訳では無いと事だったので、とりあえず俺達はこのまま素直に列に並ぶ事にした。


「次の者!此方へ!」


 それ迄一列に並んで居た列が門の直前で二列となり、二箇所で兵士数名が検問を行っており、俺達はそれの右側からお呼びが掛かったので移動した。


「傭兵団か?」


「はい。フリーの集まりです」


「全員フリーなのか。一応荷物も改めさせてくれ」


「はい。問題有りません」


 基本的にこう言った受け答えや申請、交渉の類は全てアルアレに任せてあるので、今回もアルアレが全て受け答えする。

 荷物検査も入るので、先ずはアルアレから持っていた麻袋の口を開けて中を兵士に確認させた。

 順番を待つ間、そう言えば現代の地球でもら、入出国検査では無駄に緊張したなと思い出し、自然とニヤけてしまった。


「次の者、荷物を見せてくれ」


 アルアレとアリシエーゼの荷物検査が終わり、俺の番となったが、俺は自分の荷物を持ち歩いていない。

 全てナッズが持っている袋に詰め込んでいるのであるとしたらベルトに括り付いているポーチくらいだった。


「荷物はあっちの奴に全部預けてるんだ。ポーチの中身は見るかい?」


 そう言って俺は腰のポーチをポンポンと叩いた。


「そう言う事なら結構だ。次の者」


 ポーチの中までは改められる事は無く俺の番は無事に終わり、そのままドエインの番となった。


「はいよ」


 そう返事をしてドエインは自分の馬に乗せていた荷物を下ろして足元に置き、その口を開いて中身を見せる。


「少し見させて―――お前、ドエインか!?」


 突然兵士はドエインの顔を見て驚いて声を上げた。


「あ―――ん?えーと・・・」


 ドエインは兵士の顔を見るが思い出せないらしく、言葉を詰まらせた。


「俺だ俺!フリスだ!一度演習で一緒だっただろう!?って言っても、もう何年も前だし覚えてないか」


 そう言ってフリスは自嘲気味に笑った。


「あー、すまん」


「いや、いいんだ。お前、こんな所で何やってんだ?一昨日、お前の噂を聞いたぞ。軍をいきなり退役したんだってな?」


「え!?もうそんな話がらこっちに回って来てんのか!?」


 隣で話を聞いた俺は思わず声を上げてしまった。

 だってそうだろう。ドエインが退役したのが一昨日で、このフリスが噂を聞いたのも一昨日。

 と言う事はこの情報はほぼリアルタイムでこのミザウアに伝達された事になる。

 無線電波等無いこの異世界でどうやって情報をリアルタイムで伝達していると言うのだろうか。


 いや、まぁ、魔法や魔力なんだろうけど・・・


「あぁ、言って無かったか。軍じゃ、独自の情報ネットワークが構築させてて、それを使えば遠く離れた場所にも情報を伝達出来るんだ」


「へぇ、そうなんだな。便利だなぁ、いいなぁ」


 俺も独自のそう言った情報ネットワークを早めに構築しておきたいと思い、各地の拠点等が決まったら直ぐにでも取り掛かろうと心に決めた。


「まぁ、便利だな―――あ、ちなみに、俺に詳細は聞くなよ?退役してもその辺は守秘義務が発生してるから話せんからな」


「はいよ、了解」


 俺は軽くドエインに返事をしておいた。


 ドエインからは抜き取らないが、他の奴からならいいよな


「今はこの者達と一緒なのか?って言うかお前傭兵になったのか?」


「ん、まぁな。とりあえずここで俺に会った事は内緒にしておいて貰えるか?」


 そう言ってドエインは兵士の肩を叩いた。


「あぁ、それは構わないんだが、そろそろ聖女がこの街に入るってんで、警備が強化されててな。その関係でお前の―――」


「そこぉぉおおッ!!何やってるかぁぁ!!!さっさと終わらせんかぁぁ!!」


「いぃぃッ!?!?」


 ドエインと兵士が話し込んでいる最中に門の内側に設置されている兵士が使う簡易的な詰所の辺りから、物凄い怒声が響いて来た。

 それを聞き、ドエインは一瞬で顔が青褪め、兵士はその場で直立不動になり固まった。

 そして、目だけをドエインに向けて言った。


「言うのが遅くなってすまん・・・今、そこの詰所に大隊長が詰めて来てんだ」


「その様だ・・・」


 ドメインはそう返すのが精一杯で、怒声を発した主が、こちらにもの凄い形相で歩いて来るのを静かに見詰めた。


 フラグ回収っと


 そんな事を思い、俺はこの後どんな展開になるのかと若干―――いや、かなりワクワクしながら状況を見守る。


「何時までくっちゃべっとるんだ!!さっさと業務を遂行しないか!!」


「ハッ!申し訳御座いません!顔見知りが居た為、つい話し込んでしまいましたッ!」


 兵士は直立不動のままその場で大声で応える。

 怒声の主は、遂に俺達の目の前まで到達すると、応えた兵士の目の前に立ち、右手にはサーベルの

 様な細身の剣を抜き身で持って、顔を極限まで近付けてガン見した。


 うわッ・・・

 めっちゃメンチ切っとるやん・・・

 めっちゃ圧迫面接やん・・・


 ただ意外だったのは、怒声の主が女だった事だ。

 怒声が響いた時は甲高い声だとは思ったが、女だとは思わなかった為、その点は驚いた。

 驚いたんだが、それ以上に衝撃なのはやはり、剣を抜き放って威圧している点だ。

 完全に脅迫だ。無言で兵士をガン見しているが、舐めた事言ってると切り殺すぞと言う心の声がビシバシ伝わって来る。

 それに、兵士との顔の距離だ。


 近過ぎる・・・


 兵士の方が若干背が高いが、少し俯き加減の為、女と額と鼻が完全にぶつかっており、それじゃ相手の目も良く見えないんじゃ無いかと無駄に此方が不安になる程だ。


「顔見知りだとぉ?」


 そう言って女は眉間に凄まじいまでの皺を寄せてギロリと俺を見る。


 な、何だこの凶悪な顔は!?


 俺は地球でアホな唯の威勢が良いだけのカスを散々相手にして来ているが、まったく臆した記憶が無く、怖い等と思った記憶も無い。

 そんな俺が女の顔を見た瞬間、ほんの少しだがたじろいでしまい、思わず片手をパタパタと横に振り、俺じゃないですとか言ってしまった。

 それを見て女は流れる様にドエインに目を向けた。


「よ、よう、久しぶりだな。姉貴」


 えぇぇぇぇぇッ!?!?


 俺は思わず目を見開いてドエインと女を交互に見た。三度程。


 まさかこっちのパターンだとは・・・


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