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異端の紅赤マギ  作者: みどりのたぬき
第2章:闇蠢者の襲来編
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第70話:犬群

出来るだけ、連日投稿出来る様に頑張ります。

無理だったら、優しく微笑んでください。

 スーパーコボルトの咆哮で、森の中の数千のコボルトが一斉に蜂起し、森の中から村へと侵入して来る。

 俺は仲間達の方へ振り返り叫ぶ。


「来るぞ!!構えろ!!」


「余所見してんじゃ―――」


 スーパーコボルトはまた目の前で消える。


「―――ねぇッ!!」


 その瞬間、俺の後ろで声がして、スーパーコボルトが爪を立てた右手を振り下ろした。

 しかし、それは既に予想済みだ。


「―――ッ」


 冷静に対応をして、俺は後ろを振り返らず素早くサイドステップをしてその攻撃を避けると同時にその場で飛び上がり、スーパーコボルトに後ろ回し蹴りを放つ。


「チッ」


 その蹴りをスーパーコボルトは右手を振り下ろした体勢から上体を急激に反らせて回避して、その反動を利用して今度は左手を回し蹴りを放って空中で無防備な俺に振り上げた。


「させんよ」


 スーパーコボルトの攻撃は俺とスーパーコボルトの間、更に言えばスーパーコボルトの左腕の下に潜り込んで来たアリシエーゼに寄って跳ね上げられ空振りに終わる。

 アリシエーゼはそのまま左手を跳ね上げられた影響でガラ空きになった左脇腹に小さくその場で回転し遠心力を乗せた掌底を叩き込んだ。


「グッ!?」


 スーパーコボルトは掌底を受けて吹き飛ばされそうになるのを、右脚を踏ん張りなんとか回避するが、俺はその右脚に全力でローキックを叩き込んだ。


「ガッ!?」


 踏ん張っていた右脚に衝撃が走り、踏ん張って居られなくなったスーパーコボルトはその場で右膝を付く。

 俺はローキックを放っち吹き飛んで直ぐに修復していく左脚を地に付ける前に腰を捻り、踊る様に低くい位置に来たスーパーコボルトの顔面目掛けて右フックを放つ。

 俺はその時にも冷静に相手の動きを見て、鼻っ柱に叩き込もうと思っていた右フックを少し軌道修正してガラ空きの右眼へと突き刺した。


「ギャッ!!??」


 突如眼球が潰された痛みと衝撃にスーパーコボルトは思わず甲高い悲鳴を上げて、両腕を顔と後頭部を護る様に包み込み、そして身体を丸めて小さくした。

 上半身、特に脇腹や背中が隙だらけになった為、そこから俺とアリシエーゼが一発ずつ攻撃を叩き込んだ時に不意にスーパーコボルトの身体が更に小さく丸め込まれた感じがした。


 何か仕掛けてくるのか?


 そう思った瞬間、収縮していた筋肉を解き放ち、凄まじい勢いで真上へジャンプして包囲を抜け出した。


 真上とかバカだろ!


 俺はその上体で攻撃は避けられないだろうと追撃を行おうとしたが、突如スーパーコボルトの身体が消えた。


 しまった!

 そう使うか!


 それを確認して瞬時に辺りに目をやると、村の入口とは反対の奥の方から集まって来ているコボルトの大軍の更に奥に移動している事を確認した。

 スーパーコボルトは肩で息をしており、消耗している事がわかったが、まだ致命傷は与えられていない。

 このまま畳み掛けたい所であったが、一旦アリシエーゼと合流した。


「お主、やるではないか!」


「だろう?俺もここまでイけるとは正直思わなかった。身体が損傷してから修復までの僅かなタイムラグも体感して大体分かって来た」


「あの衝撃波と転移魔法だけ気を付けて居ればまぁ、イケそうじゃな」


「だな。あと、転移魔法で気付いた事あるんだけど、彼奴、戦闘中に転移魔法を多用出来ないぞたぶん」


「そうなのか?」


「多用出来ないと言うか、たぶんあの転移魔法の特性のせいだなきっと」


「特性じゃと?」


「あぁ、あの転移魔法、転移する空間を作り出して、その中に入る事で、出口の空間に移動する魔法なんだよ。何でか分からないけど、自分が今いるこの場所にその入口の空間を展開する事が出来ないんだ。たぶん、目で見える範囲とか、そんな感じ」


「成程のう。さっきの真上に逃げた時は、その真上にその空間を出現させておいてそれに飛び込んだと言う訳か」


「そういう事」


「何故、自分と被せる様に入口を展開出来んのじゃろうな」


「さぁ、それは分からないけど、多分俺達が密着してる状態だと無理な気がするから、転移使わせない様に、超至近距離で戦うのがいいかもな」


「うむ、分かった」


 そう言ってアリシエーゼはグルりと辺りを一度見渡し言った。


「やはり数が多いのう」


「・・・あぁ」


「それでの、ちと相談なんじゃが、この数を一掃する大規模魔法も使えるには使えるんじゃが、もうそれを展開する余裕は無い。準備している間に押し潰され兼ねないしの」


「うん」


「じゃから、やはり妾達で先にあの上位種を片付けてから雑魚共を相手したいんじゃが、妾の通常攻撃じゃと中々削りきれん。そこでじゃ、お主、ちぃとばかし彼奴の注意引き付けておく事は出来るかの?」


「その間に力溜め込んで、隙が出来たらドカンって事か?」


「そうじゃそうじゃ」


「まぁ、俺も決め手に欠けるからそれはいいんだが、このクソ雑魚共を捌きつつ、彼奴の相手もするってなると相当厳しいぞ」


「分かっておるよ。じゃが、そこはほれ、女子に良いとこ見せるつりで頑張るんじゃ」


「えぇ・・・そんな理由で俺は頑張れねぇよ。まぁ、やるしかないんだし、やってみるけど」


 そう言って俺は自らの肩をグルグルと回して身体の調子を確かめる。


「こっち側の雑魚は後ろに行かせないつもりで立ち回るぞ」


「うむ」


 俺達は村の奥から現れるコボルトは仲間の元へは行かせない決意をしてスーパーコボルトを睨み付ける。

 丁度その後すぐ、スーパーコボルトがもう一度咆哮を発した。


「来るぞ」


 アリシエーゼは腰を低くしそう言った。


「あぁ」


 俺も臨戦態勢で答える。

 村は極小と言う程では無いがそこまで大きくは無い。

 精々百くらの人数が住む程度の村だが、村の中はもう既にコボルトで溢れ返っている。

 スーパーコボルトの咆哮を聞き、その先頭集団が一斉に俺達に襲い掛かるべく走り出した。

 それに併せて俺達も駆け出す。

 チラリと仲間達を見ると此方はもう戦闘が始まっていたが、今の所問題無さそうなので自分の目の前に集中力する事にした。


「ッ!」


 俺は押し寄せるコボルトを殲滅すべく走り出した。アリシエーゼもそれに続いた。





 一体どれ程の数のコボルトを屠っただろうか。

 基本的は全て一撃で殺しているが、如何せん武器が無い為、一度に複数を相手取る事が出来ず、力加減も間違えると、自分の攻撃で手足が損傷したり、吹き飛んだりしてしまう為にそう成らずに一撃で仕留められる位の力加減を意識しつつ、動く必要があった。


「動きを止めるとッ、群がって来てッ、一瞬でッ、押し潰されちまッ、うッ!」


 一人そう言いながら、コボルトをどんどんと潰して行くが、偶にチラリとスーパーコボルトを見ると、俺が潰した右眼を抑えながらこちらを睨んで動かない。


 まだ動かないか

 でも常に注意はしておく必要はあるな


 スーパーコボルトを意識しつつ、目の前のコボルトを殲滅しつつ、仲間達に気を配りつつ等とやっているが、正直キツいと思った。

 これでスーパーコボルトが参戦して来たら、少なくとも仲間に注意を払う事は出来なくなるな等と考えていると―――


「きゃああッ!!」


 明莉の叫び声が聞こえた。

 反射的にそちらを振り返り、無意識に身体を動かしながら、周りにのコボルトを殲滅しつつ様子を見ると、傭兵達の合間をすり抜けて殺到するコボルトの姿が見えた。

 ナッズは大剣で、ソニは両手斧で文字通りコボルトを薙ぎ倒していっていたが、一撃で多くの数を相手取るその動きはやはり取りこぼしも多い。

 その穴をモニカ、アルアレ、パトリックで何とか埋めてはいたが、多勢に無勢。

 止めど無く押し寄せる敵を前に段々と押し込まれて行っていた。

 それは他の聖女一団も同じ事が言え、ジワジワと押し込まれている。

 それを見て一瞬、あちらに合流した方が良いかと考えた俺は背後に何かを感じて振り向こうした瞬間、背中に痛みを感じた。


「痛ッ!?」


 目で確認すると、コボルトがボロボロのショートソードで俺の背中を斬り付けた後で、他のコバルトも俺に殺到して来ていた。

 痛みを感じる事による、防衛反応等を考慮して、基本的には攻撃時にのみ、脳の痛みカットは行っていない。

 なので、攻撃をする間際で無いと、痛みを感じてしまう訳だが、常時発動は何となくダメな気がするのでオンオフはかなり激し目だ。


「集中しないとこっちも不味い!」


 既に背中の傷は修復を終えて、体勢も立て直しており、コボルト殲滅に再度集中しているが、やはり一匹一匹を相手取っているので、前から押し寄せるコボルトがどんどんと後ろの仲間達に流れてしまっていた。

 端目でアリシエーゼも確認するが、こちらは俺と違い身体強化を使っている為、一度の殴り付けの動作で数匹から数十匹のコボルトが絶命していた。


「早く俺も何か全力が出せる様な装備を見付けないと」


 出力を抑えながらの戦闘行為はそれ自体、ストレスを積み重ねていて、それでいてこのどうしようも無い状況が拍車を掛けて俺を焦らせ、そしてイラ立たせた。


 マジでクソ犬どもがッ

 躾がなってねぇよ!!


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