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異端の紅赤マギ  作者: みどりのたぬき
第2章:闇蠢者の襲来編
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第65話:裏の顔

出来るだけ、連日投稿出来る様に頑張ります。

無理だったら、優しく微笑んでください。

 それから俺達は夜も更けて来ていたが、ユーリーが話したいと言うので少し話す事にした。

 ユーリーは口下手で人見知りが激しく、余り他人とコミュニケーションが取れない子だと思っていたのだが、そうでは無かった。

 やはりと言うか、基本的には精霊を間に噛ませている為に反応が遅くなり、その合間が少し長いので他人にはコミュニケーションが取り辛い、取れない等と思われているだけだった。

 それもモニカが知っているかどうかは定かでは無いが、一応、コミュニケーションは取れていそうなのでこちらから口は出さない様にしようと思った。


「その精霊を挟むやり方、変えた方が良くないかの?」


 ただ、アリシエーゼは何でも精霊に頼るのは良くないと言う。


「何でだ?」


「自分で考える力が見身に付かんし、何より、()()()()()()()


「近いと何か問題あるのか?」


「大有りじゃよ。その内()()()に取り込まれて戻って来れなくなるぞ」


「・・・」


 アリシエーゼの言葉にユーリーは何か感じるものがあるのか、黙って考え込んでいる様だった。

 俺は精霊は見えないし、嫌われているらしいのでその辺りは門外漢だ。


「後のう、お主のその声の小ささどうにかならんのか」


 アリシエーゼはつまらなそうにユーリーにそう言った。


「・・・・・・ナンデ」


「何故じゃと?そんなもの決まっておろう。イライラしてくるのじゃ!」


 おい、そこは違うだろ・・・


「お前なぁ・・・ユーリー、こうやって話してても、相手がユーリーの声聞こえないと、何回も、え?今何て言った?って聞き返されちゃうだろ?それってユーリーは面倒臭くないか?」


「・・・・・・メンドクサイ」


「だろ?だからもう少し大きな声で喋れば皆聞き返さなくなるぞ、きっと」


「・・・・・・ワカッタ・・・ガンバル」


「おう、頑張れ」


 俺はそう言って笑い、ユーリーの頭を優しく撫でた。

 ユーリーは俺の手をそのまま受け入れ、気持ち良さそうに目尻を下げた。


「ぐぬぬぬッ」


 俺とユーリーのそんなやり取りを見てアリシエーゼは対抗意識を燃やしてるのか何なのか良く分からないが、明らかにユーリーを敵視しているのが分かった。


 やめろよ、お前じゃ勝てんよ


「さて、もう遅い。ユーリーはもう寝た方がいいぞ」


「・・・ハルハ、ネナイ?」


 今、声大きく無かったか?と思ったが、それは指摘しないでおいた。

 それに俺の事をハルと呼んだ。その進歩に心がホッコリして暖かくなった。


「俺達は悪い奴らが来ないか見張ってるから、安心して寝ていいぞ」


「・・・ソウ、ジャアモウスコシダケ、ハナシタイ」


「・・・分かった。じゃあ何を話す?」


「・・・・・・」


 そこでユーリーがまた黙ってしまったが、これは精霊と相談している訳では無く、自分で何かを考えているのかなと直感した。


「・・・オネエチャンノコト、ソウダンシタイ」


「モニカの事?何かあるのか?」


「・・・・・・・・・オネエチャン、ソノ・・・」


 ユーリーは言い淀んだ。

 そんなに言い難い事なのだろうかと考えるが、何であろうか。


「・・・ボ、ボ―――」


「ユーちゃん?」


 ユーリーが何かを言い掛けた時、突然階段からユーリーを呼ぶ声が聞こえ、その声を聞いたユーリーは身体をビクリと一瞬震わせた。

 声のした方を見ると、いつの間にかモニカが一階に降りて来ており、俺達とユーリーが話しているのを見て声を掛けた様であった。


 って言うか、いつの間に・・・

 全然気付かなかった・・・


「・・・ァ」


「どうした?ユーリー?」


「ユーちゃん?何話してたの?またベッドから抜け出すんだからダメじゃない」


「・・・」


 モニカの言葉にユーリーは俯き黙ってしまった。


 何か変だな・・・


「もう遅いんだから寝なくちゃ。行こう」


 そう言ってモニカはユーリーの手を優しく取った。

 そこへアリシエーゼが直様待ったを掛ける。


「ちょっと待つのじゃ。ユーリーが妾達に何か話したいらしくての」


 そんなアリシエーゼの言葉にモニカは怪訝な顔をする。


「ユーちゃんが話したいと?」


「そうだよな?何言い掛けたんだ?」


 俺もユーリーに語り掛ける。

 が、当のユーリーはモニカが来てから俯いたままで俺やアリシエーゼの言葉に反応を示さなかった。


「・・・」


「もう、お二人も忙しいんだから邪魔しちゃダメでしょ」


 そう言ってモニカはどうもすみませんでしたと俺達に謝りユーリーを連れ出そうとする。


「・・・ァ、ァ」


 ユーリーの反応にやはり何かありそうだと思い俺は言った。


「モニカ、ちょっと待ってくれ。ユーリー。こっち見て」


 モニカを制し、俺はユーリーに優しく語り掛ける。

 するとユーリーはゆっくりと顔を上げて俺を見た。


「精霊は何て言ってる?」


 モニカが来てからユーリーは精霊とまた会話をしているんじゃないだろうかと思い、俺はそう言った。


「・・・・・・ガ、ガンバレッテ」


 また声が少し小さくなってしまったが、ユーリーは俺の問いに確りと答えた。


「・・・じゃあ、頑張っちゃえよ」


 俺はもう一度ユーリーに微笑んで言った。

 ユーリーは眠たそうな目を丸くし、俺を見つめてそれから意を決した様にモニカに言った。


「・・・オネエチャン」


「え、う、うん、なに?」


 いつものユーリーと違う雰囲気を感じ取り、モニカは若干狼狽えながら答えた。


「・・・モウ、オンナノコ、ヤダ」


 女の子嫌だ?

 うん?

 どう言う事だ?


「・・・」


 ユーリーの言葉にモニカは押し黙った。

 その顔は若干青褪めており、元々白い肌から更に血の気が引いた様に見えた。


「・・・ユーリー、どう言う事だ?」


 どう言う事か理解出来ずに俺はユーリーに聞いた。アリシエーゼも怪訝そうな顔をしており、ユーリーの言葉を待った。


「・・・オ、オネエチャン、ボ、ボクガイヤダッテ、イッテモ、オンナノコミタイニ、サセル」


 女の子みたいにさせる?

 え?

 いや、え?って言うか、え?

 ボク???


「ユ、ユーちゃん、何でそんな事言うの!?な、何を言ってるの、眠いんでしょ?」


 狼狽したモニカはそう言ってユーリーの腕を掴み、話を中断させようとする。


「・・・待て、モニカ」


「ダ、ダメですよッ、ユーちゃんきっと眠―――」


 ユーリーを見ていたモニカはアリシエーゼの制止を聞き顔を上げてアリシエーゼを見て固まった。

 モニカが急に動かなくなったので、何だ?と思い、俺はモニカの視線の先へと目を向けた。


 ひ、ひぃぃぃぃぃッ!!??

 な、なな、何て凶悪な顔してるんだ!?アリシエーゼ!?


 アリシエーゼはモニカに鋭い視線―――どころでは無い、凶悪な顔を向けてモニカを制していた。

 きっとモニカと最初に会った時もこんな顔をしていたに違いない!


「・・・ユーリーが話しておる。ちと黙っておれ」


 アリシエーゼは得体の知れない凄みを醸し出しながら、ゆっくりとした口調でモニカに言った。


「・・・ハ、ハヒ」


 モニカは口をパクパクさせながら冷や汗を垂れ流し、頭をブンブンとふって頷いた。


「・・・ユーリー、どう言う事じゃ?まさかお主は・・・男なのか?」


 そうだ、ユーリーは確かにボクと言っていた。

 それに、女の子みたいにさせると・・・


 それってつまり・・・


「・・・オネエチャン、ボクガオトコノコデ、カナシソウダッタ」


「・・・ぇ」


 モニカはユーリーの言葉に驚いていたが声が出ず、ユーリーを見るだけだった。

 ユーリーはそれに構わず続けた。


「・・・オネエチャン、イモウト、ホシカッタンダトオモウ。ダカラ・・・ボクニ、オンナコノカッコウ、サセテタ」


「「・・・・・・・・・」」


 それを聞き、俺とアリシエーゼは何も言えなかった。


 マジかよ・・・


 ユーリーが男だったってのも驚きだが、それよりもモニカだ。

 弟に女装させて喜んでた変態だったとは・・・


「・・・オネエチャンヨロコンデタ、ダカラ、ボク、ガマンシテタ」


 ユーリーは俯きそう言った。


「・・・だけど、もう嫌だと?」


 そんなユーリーを見て俺は何だか切なくなってしまったが俺は先を促す様に聞いた。


「・・・ウン」


 よく見るとユーリーは泣きそうな顔をしていた。

 もしかしたら泣いていたのかも知れない。


「・・・モニカ」


「・・・ち、違うんですッ、私、妹がほしいだなんてッ、思った事ありません!」


「・・・チガウノ?」


 モニカの言葉にユーリーは心底驚き聞き返した。


「違うよ!ユーちゃんは私の家族!それ以上でも以下でもないんだよッ」


「・・・デモ、ヨロコンデタ」


「・・・とっても可愛かったからだよ。ただ、私の弟がこんなに可愛い事が嬉しかったの」


「・・・」


 ユーリーはそうだったのかと唸って、モニカに抱き着いた。ごめんなさいと言っていた。

 そんなユーリーをモニカは抱き締めて言った。


「この服だって、男の子が着たって全然恥ずかしく無いんだよ?でも、ユーリーが嫌なら辞める」


「・・・ウウン、オトコノコノフクナンダヨネ?」


「・・・うん」


 はい、ダウトー

 絶対男物では無い


「・・・ジャア、コレデイイ」


「ッユーリー!」


 そして姉弟はまた強く抱きしめ合ってお互いの家族愛を確かめ合った。


「・・・なんじゃこの茶番は」


「・・・知らねぇよ」


 俺とアリシエーゼはそんな茶番とも思える家族愛をテーマにした何かを見せられ、辟易した。

 その俺達のやり取りを聞いていたモニカが、ユーリーを抱き締めながらこちらを見て、そしてニヤリと笑ったのであった。


 うわー

 やっぱりただの変態じゃねーか


評価、感想、レビュー、ブクマ等頂けると小躍りします。

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