第61話:家族
出来るだけ、連日投稿出来る様に頑張ります。
無理だったら、優しく微笑んでください。
モニカが家族を迎えに行くと出て行き、建物には俺達八人と、二階に警備兵の男が眠っている状態になったが、明莉がここで口を開く。
「あの、私、あの男の人の看病して来ます!」
「うん?そうか、じゃあお願いしていいかな?」
「はい!でも、何も出来ないと思いますが・・・」
「それは仕方無いよ。容態が悪くなる様なら直ぐに知らせて」
「はいッ」
明莉は元気良く返事をして二階に上がって行った。
それを見届けてからアリシエーゼはソニの名前を呼んだ。
「ソニ」
それだけでソニはアリシエーゼが何を言おうとしているのかを察して二階に上がって行った。
こいつもいつもこの位気が効けばいいのにな・・・
「・・・何か言ったか?」
「・・・いや、何も」
俺の心を読んでるのかと疑いたくなる様な発言に一瞬ドキリとしたがそれを表に出さずに俺は返した。
「大樹のあの幹の所の扉はやっぱり、中が空洞になっててその出入口だったのかね」
「そうじゃろうな」
「家族を迎えに行くって言ってたから、コボルトの襲撃があってモニカのその家族を大樹の中に匿って戻って来たら俺達が大樹の扉を開こうとしてたから攻撃して来たって事なのかな」
「恐らくの。それよりもコボルト・ジェネラルの話じゃが・・・」
「まぁ、それはモニカが帰って来てからにしようや」
「・・・そうじゃな」
皆、街道警備兵の男が言った、コボルト・ジェネラルの話が気になって仕方が無い様子であった。
俺自身も気になるが、まずはモニカから話を聞くしかない。
こうしている間にそのコボルトがまた襲って来る可能性もあったが、その時はその時だと思う事にした。
それからどれ程の時間が経過しただろうか。
少なくとも一時間は経過している。
「・・・んんんんッ!だぁぁぁああ!!!」
アリシエーゼが突然発狂し出したが、分からなくも無い。
大樹まではこの建物から歩いて三分も掛からない。
そんな近距離の場所に人を迎えに行くだけで、一時間も掛かるものだろうか・・・
否、掛からない。
「遅い!遅過ぎるのじゃ!!」
ダイニングにあったイスに座っていたアリシエーゼは地に足が届かない様だがその足をジタバタさせて癇癪を起こしていた。
ちなみに、迎えに行っている間に魔物の襲撃がある事も想定して、俺とアリシエーゼは常に警戒していたし、多分パトリックや他の面々も気を張っていただろう。
だが、そんな気配はしないので単純に遅いだけだと思うのだが・・・
「もしかしたら、俺達の警戒を掻い潜れる奴が居てもおかしくない。ちょっと様子を見に行ってみるか」
そう言って俺が立ち上がった時だった。
アリシエーゼが鼻を鳴らす。
「・・・む?来たか」
アリシエーゼがそう言うと直ぐに入口から声が聞こえて来た。
「す、すみません!遅くなりました!」
「遅いのじゃ!!何をしておった!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!この子が全然行きたがら無くって」
そう言って建物の入口の外、壁の向こうに居るのであろうモニカの家族を見て謝った。
「そこに居るならさっさと入って参れ」
「はい。ほら、こっちにおいで。大丈夫だから」
モニカはその家族に向かって優しく、諭す様に語り掛ける。
「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」
「ほら、大丈夫だって!お姉ちゃんがついてるんだから」
「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」
「もうッ、恥ずかしいの?それとも怖いの?大丈夫だよ。ねぇ、大丈夫だから」
「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」
結局そのやり取りをいつまで続けただろうか・・・
本当にそこに居るのかと疑問に思い、俺は無言で入口まで歩いて行こうとした。
「ど、どうしたの?え?怖い人が近付いて来てる?だ、大丈夫だよ、優しいお兄ちゃんだよ」
モニカは壁越しの家族と話ながら俺をチラチラと見て来た。
ん?俺の事言ってんのか?
「ほらッ、え?ば、化け物って!?失礼よ・・・普通のお兄ちゃんだよ?」
ば、化け物・・・?
「精霊も嫌がってるって?そんな、大丈夫だよ。よ、弱そうだし・・・」
おい・・・
そんな弱そうな奴の飛び膝蹴りでお前は一発で伸されてんだからな?
それにしても、精霊に嫌われてる?俺が?何で??
「もうッ!我儘言わないの!みんな私達を助けに来たんだよ!?」
そんなやり取りも更に続く。
そして、遂にアリシエーゼが我慢の限界に達した。
「うっさいわ!!!さっさと入って来んかぁ!!!!!」
その声は地響きを伴っているのか、大気が震えているのか、分からないが世界が震えた気がした。
全員が硬直している中、モニカは顔を青ざめさせて、すみませんと何度も言って、遂に壁越しの家族を両手に抱えて来た。
「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」
この場に居る全員が絶句した。
それは驚きだろうか、それとも他の何かの感情だろうか。
自分でも分からないが、兎に角言葉が出なかった。
そんな一瞬の静寂の後、二階からドタドタと騒がしく、階段を降りて来る音が聞こえて来た。
「ど、どうしたんですか!?もの凄い声が聞こえましたけど!?」
二階から明莉とソニが降りて来る。
「ッて、えぇ!?可愛い!!」
明莉はモニカが抱えているエルフの子供を見てすかさず声を上げた。
「この子、モニカさんの妹さんですか!?」
「え、あ、いや、その・・・」
モニカが何故か言い淀むが、そんな事お構い無しに明莉は続ける。
「可愛いなぁ!お名前は何て言うの?」
モニカの抱える子供は見た目だけなら、十にも満たない年齢と思える程の幼い容姿である為、明莉は自然とそんな子供を相手する様な口調となっていた。
「・・・」
ただ。その子供は明莉の問いには答えず、無言でモニカに抱き抱えられていた。
「ごめんなさい、この子人見知りが激しくて」
「そうなんですか!うんうん、この位の年齢の子はそう言う子も居ますよね!」
明莉は自分の言った事に何度も頷き、子供の顔の位置に自分の視線を合わせる様に少し屈んで、ほっぺを人差し指でつついた。
「うっわぁ!すっごい柔らかい!可愛いなぁ」
この位の年齢と明莉は言っているが、相手はエルフだ。
見た目年齢と実年齢は一致しない可能性がある。
この世界のエルフがどうかは分からないが、一般的にはエルフは長寿とされており、年齢と見た目の変化は諸説あるが、こんな幼女みたいなナリでも数十年生きている可能性だってある。
モニカも実年齢は分からないし、見た目は十代半ばくらいに見えるが実は百年単位で生きている可能性だってあるかもしれない。
一頻りほっぺのぷにぷにを楽しんだ明莉は話を変えた。
「それで、さっきの大きな声はなんだったんですか?」
「・・・はぁ、その話はもう良い。その子供がモニカの家族じゃな?」
「はい、この通り人見知りが激しくて・・・私以外の人とはほぼ口を聞かないのですが、御容赦下さい」
「・・・まぁそれは、良い」
「ありがとうございます」
モニカはそう言って苦笑いを浮かべた。
俺はモニカが抱えている子供を見るが、皆が絶句した理由を改めて思い馳せる。
可愛い過ぎるのだ
年齢は見た感じ、十に満たない。
そんな幼女だが、流石に絶世の美女と言わざるを得ないモニカの家族だ。
モニカの目はハッキリと大きく、美しいのに対して妹は常に眠たそうな目をしているが、それがまた良い。
髪は姉のモニカと同じ輝く様な金髪だが、モニカに比べて長さは短く、顎の辺りまでしか無い。
モニカは長いストレートの髪をアップにし、無造作に纏めているが、それでも髪の質感が凄まじいまでの神々しさを放っており、どんな髪型でも似合うのだろう。
また、アップにしている事により見える、うなじとか、うなじとか、うなじとかが垣間見えて妖艶さを引き立たせている。
一方の妹は姉とは打って変わって、少し癖の付いた髪ではあるが、髪の色は姉と同じで、癖が付いていると言ったが、それは傷んでいると言う話では無い。
寧ろ、姉と同様に光り輝いており、長さと癖毛具合が相まってか、非常に可愛らしさが際立った。
見た目幼女の為、姉とは違い身体のラインは歳相応と言うか、特筆すべき所は無い様に思えるが、フード付きの外套は子供用なのだろうが長さがあり、脛の辺りまである。
海松色の外套は前を閉めずに開け放たれているが、そこから覗く身体は華奢で、白いブラウスの様なものに、黒色のホットパンツ?半ズボン?の丈の極端に短いパンツを履いていて、脛を覆い隠せるくらいの長さのブーツも一緒に装備している。
結局、何が言いたいのかと言うと―――
可愛い過ぎる
この一言に尽きる。
皆、同じ意見だっただろう。なので、絶句したのだ。
付け加えておくが、俺は別に幼女趣味は無い。
無いが、何というか、無性に愛でたくなる可愛さと言うのだろうか、そういうものがこのエルフの子供からは醸し出されている。
「・・・ふんッ、してその幼女は名を何と申す」
アリシエーゼは自分と同じ幼女キャラでしかも自分の偽物具合に気付いているのか、それを認めたく無いのか、不機嫌そうにモニカに尋ねた。
馬鹿めッ!
お前の様な似非幼女とは格が違うんだよ!格が!
「はい、ユーちゃんです」
語尾に音符でも付きそうなくらいのノリでモニカは答えた。
「・・・は?」
それを聞いたアリシエーゼは素っ頓狂な声を上げる。
「あッ、ごめんなさい。ユーリーです」
モニカは慌てて訂正する。
「そ、そうか、ユーリーと申すか」
女の子でユーリーとは珍しいかとも思ったが、この世界ではどうなのか分からないので黙っておいた。
これでモニカの憂いは無くなったとも言えるので、少し真面目な話になるなと少し気を引き締めた。
ユーリー・・・ユーちゃんか・・・
これで語尾にのじゃ!とか付けてたら、お兄さんはもうッ
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