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異端の紅赤マギ  作者: みどりのたぬき
第1章:異世界と吸血姫編
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第51話:王国

序盤、特に1章辺りはすみません、初投稿でかなり拙文であったりしますので、時間があればその内表現や台詞回し等大幅に変更予定です。

それまでは何卒、生温かい目で見守ってやって下さい。

 翌朝、あまり良くは寝付けなかった為か、少し気怠さを覚えつつ起きて顔を洗い朝食を済ませてから外に出ると、傭兵の面々は既に準備を整えて集合していた。


「あ、ハルくんおはよ~」


 パトリックの屈託の無い笑顔に癒されつつ返事を返す。


「・・・おはよ」


「どうしたの?元気無いね?」


「・・・いや、大丈夫、気にしないでくれ」


「そう?わかったよ」


 納得はしていなさそうだったがパトリックは素直に俺の言葉を受け入れてくれた。

 正直有難いと思った。


 昨日の出来事をそのまま話す訳にはいかないし・・・


「うむ、皆揃っておるようじゃの」


 振り向くとアリシエーゼと明莉が小屋から丁度出て来た所であった。明莉は昨日とは打って変わって普段通りに見える。


 とりあえず怒らせない様にしよう・・・


 篤も明莉も昨日の夜にデス隊か他の隊かは分からないが、集落の馬車から荷物を取って来てくれたお陰で服は着替えられた。

 馬車を使えない為、ここからは荷物は各自でといきたい所であったが、袋が無かった。

 大きな麻袋の様な物が三つあったので、各自の着替えやその他諸々をそこに詰め込んで、ナッズとソニ、そしてデス1が持って歩く事になった。


 この世界、バックパック的な物はあるのかな

 有ったら絶対便利だから買おう

 無かったら誰かに作らせよう


 次に大きな街に行ったら探して見ようと心に決め、出発の再確認をしているアリシエーゼ達に再び意識を向けた。


「とりあえず今日中に洞窟を抜けてテツヤの鉱山跡まで出るぞ」


「「「「おうッ」」」」


「はいッ」


 傭兵と明莉が元気良く返事をして俺達は出発した。先ずは昨日行った洞窟入口まで移動する。

 今日はパトリックとナッズが先頭を走り、その後に俺達が適当に付いて行く。

 パトリックが索敵を行い、昨日のモリーゼと同じ様に、事前に脅威を察知して自信でその脅威を潰すか合図をして他の傭兵に指示を出す様であった。

 デス隊はとりあえず俺の視界には入っていないがきっと影の様にこちらに付かず離れずで行動しているだろう。


「篤も明莉も身体強化は問題無さそうだな」


 二人の様子を確認して俺はそう独りごちる。

 勿論、言わずもがな。俺以外は皆身体強化を自身に施して移動している。

 アリシエーゼは元々の身体能力は化け物みたいなものだが、それにプラスして常に身体強化を発動しているらしいが・・・


 だからいつもオーバーキル気味なんだよ


「お主だけじゃぞ、身体強化が使えんのは」


 いつ間にか俺の横に移動して来たアリシエーゼはウシシと笑い言った。


「んなの分かってるよ・・・」


「ちゃんと着いて来れるかのう?」


「何なら全員、身体強化が出来ない様にしてやろうか?」


「・・・妾は別にええんじゃが・・・それは卑怯じゃぞ」


「何でだよ」


「何でって・・・まぁ良い。ちゃんと着いて来るんじゃぞ」


 そう言ってアリシエーゼは前の方に移動して行った。

 それから俺達は何事も無く洞窟前まで辿り着いたが、そこには既にゴブリンの姿は無く、モリーゼと数人のみがそこに居るだけであった。


「話は聞いております。ここからは私も共に参りましょう」


「うん、よろしく」


 モリーゼと短く会話をしてすぐに洞窟の中に入った。洞窟の中に入るとヒンヤリとした空気の通りを確認出来た。


「ちゃんと補強もしてるんだな」


 俺は洞窟内の通路を見て言う。


「えぇ、ゴブリン達に全てやらせました」


 それを聞きモリーゼが答える。


 洞窟内の通路は穴が掘られその面を木材等で補強して通路として拡張しており、それがずっと先まで続いている。


 ゲームのダンジョンや洞窟って感じでは無いな・・・


 なんと言うか、人工的で、まさに鉱山と言う感じだった。

 通路内も所々に松明が掛けてあり、灯りは既に灯っている。きっと先行したゴブリン達に指示していたのだろうと思った。


「さて、ここから通常なら一日くらいか?」


「そうですね。通路を拡張させる際に地盤調査等は行って居なかったので、時々事故が起こりましてね・・・なので直線と言う訳では無く、曲がりくねっていたりします」


「なるほどね」


「洞窟内に脅威が無い訳では無いのですが、他の者に先行させて脅威があれば排除させていますので移動に専念出来ます」


「そりゃ助かる」


 モリーゼの言葉を聞き俺はアリシエーゼを見る。アリシエーゼはこちらの視線に気付き一つ頷いた。


「ではここからは少し走るペースをあげるぞ。篤と明莉はキツかったら何時でも言うのじゃ」


「うむ」


「はいッ」


 篤は無表情に応え、明莉はまだまだ元気が有り余っているかの様に大きく返事をした。


「では出発じゃッ」


 そこからはただ只管洞窟の通路をひた走った。

 途中何度か休憩を挟んだが、特に問題も無く、篤も明莉も多少疲れたがあったが脱落する事無く着いて来た。


 俺?

 アリシエーゼに変えられてから可笑しいんだ・・・

 全然疲れない

 まぁ全力を出てないと言うのもあるが、もう身体能力だけを取ってもとても人間とは言えない・・・


 出発してから何時間くらい経過しただろうか。モリーゼが横に来て言った。


「そろそろ出口前の大広間です」


 聞けばテツヤで鉱山が稼働していた際の出入口は既に封鎖されている為、そことは少し離れた位置に出入口を新たに作り、入口付近に大きな広間も作ったと言う話だった。


「何で広間なんか?」


「出入りを一応チェックしたかったので、簡易的な関所の様なものとして運用しております」


 正規の出入口は閉鎖されており、ほぼ人間がここに立ち寄る事は無くなり、稀に来る者も入口が確りと封鎖されている事を確認するだけで直ぐに立ち去る様だが、もしもの時に、洞窟が発見され辿られると困るのでそう言う処置を施している様だった。


「徹底してるねぇ」


「お褒めに預かり光栄です」


「・・・お、おう」


 モリーゼと会話しながら走っていると当然、先頭がスピードを緩めたので俺もそれに従った。


「お待ちしておりました!!」


 俺達が立ち止まると突然大きな声が聞こえたのでそちらを見ると目の前にはそれまで人が四人程並んで歩けるくらいの幅の通路が続いていたのが突然開けて、その先には人が百や二百は入れる広間が広がっていた。

 広間の奥には木材で組んだ頑丈そうな大きな柵があり、その前に先程大きな声で俺達を出迎えた人物と、五十匹程のゴブリンが並んで跪いていた。


「・・・・・・」


 俺が圧倒されていると、モリーゼやデス隊の面々もそちらに加わり、跪く。


「・・・此方が我々が準備を進めておりましたゴブリン軍団と、そして・・・ゴブリン王国です」


 ん?王国??


 モリーゼの言葉に疑問を持ち怪訝な顔をしているとモリーゼ達が突然立ち上がり、その人並みがパカリとまるでモーゼの十戒の様に割れて、木で出来た柵の門がガラガラと音を立てて観音開きの様に開いた。


「なッ・・・」


 俺は目を見開く。


「なななッ」


 アリシエーゼも目を見開く。


「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」


 他の者は半笑いや目を瞑り天を見やったり、目と口をこれでもかと広げたりと様であったが、概ね皆同じ心境であったであろう。


 絶句


 その光景を目の当たりにして、ただだだ言葉に成らずにいた。

 門の先には、広大なとしか例え様が無い、()()が存在していた。


「・・・モリーゼ」


「はい?」


「・・・何だこれは」


「ゴブリン王国に御座います」


「・・・いや、そうじゃ無くて、こんなモノがあるなんて聞いてない」


「はい。少々驚かせようと思いまして」


 モリーゼはそう言ってニヤリと笑った。

 その笑みは嫌らしいものでは無く、なんと言うか自分の行いを誇って、自然と出る笑みの様に見えた。


「広間って言ったじゃないか・・・」


「この王国も広間の延長みたな物です。建物等はあまり存在せず、重要施設のみですし、ここでは皆、地べたに寝ている様な状態ですので、雨風が凌げる洞窟のあくまで延長です」


 確かに翌々見ると、建物はあまり存在せず、なんと言うか、だだっ広い()()だ。

 ただ、広過ぎる・・・


 一体どれ程の広さなんだ?

 かなり遠くに、外の光が見えるのでそこが出入口なんだろうが・・・


「ここってどれくらいのゴブリンが収容出来るんだ・・・?」


「今いるゴブリンは全て収容可能で、まだ余力は御座います」


 数万以上収容は可能と言う事か・・・


「今ってここに全ゴブリンが入っているのか?」


「いえ、外にも見張り等おりますし、外で資源を取ったりと言った役割に従事している者も多数おりますので」


「・・・そうか」


「ご満足頂けましたでしょうか」


 そう言ってモリーゼは再度ニコリと微笑んだ。


「満足と言うか・・・ただただ驚いたよ」


「そうですか」


「この数を全てモリーゼが管理出来ておるのか?」


 そこまで唖然としていたアリシエーゼが口を開く。


「はい。ゴブリン達にはいくつかの集団を形成して貰い、その集団を纏めるゴブリンを作りました。その纏め役に優劣は付けておりませんので、先程は王国と申しましたが、少し違いますね」


「・・・その纏め役がここにおるゴブリンか?」


「ご明察で御座います」


 そう言ってモリーゼは一歩下がり、二手に別れて今もじっと立っているゴブリン達に手をやり続ける。


「この者達が現在各集団を纏めている者達で御座います」


「・・・そうか」


 アリシエーゼはそれを聞いて黙った。


「・・・全部で何グループ存在しているんだ?」


「現在は五十で分けており、大体一つの集団で五百前後のゴブリン達がおります」


 二万五千・・・


「なッ!?」


「ちょっと・・・」


 それを聞き、それまで黙っていたアルアレとパトリックが声を出す。


 まぁ、そりゃそうだろう・・・


「一応、もう一度聞いておく・・・ここのゴブリン達は全てモリーゼが掌握しているんだな?」


「はい、間違いなく」


 モリーゼは即答した。

 そして、モリーゼの言葉の後に続き、モリーゼの後ろに控えていた一匹のゴブリンが前に出て来た。


「グゴッ、シ、シンパイシナクテモ、ダ、ダイジョブ、ダ。デ、ス。オ、オデタチ、ミンナ、アナタニ、シタガウ」


「・・・・・・・・・」


 頭の処理が追い付かず俺は何も言えずに居た。

 いや、俺だけでは無い。ここのゴブリン達に会う者は皆無言であった。


「??ド、ドウカ、シタカ。デスカ?」


「「「「「「「シャ・・・」」」」」」」


「???」


「「「「「「「シャベッタァァァッ!!??」」」」」」」


「あれ?普通は喋らないんですか?」


 明莉以外の全員が絶叫している中、明莉だけがキョトンとしていたのがとても印象的であった。


評価、感想、レビュー、ブクマ等頂けると小躍りします。

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