第50話:真の覇者
序盤、特に1章辺りはすみません、初投稿でかなり拙文であったりしますので、時間があればその内表現や台詞回し等大幅に変更予定です。
それまでは何卒、生温かい目で見守ってやって下さい。
風呂が一般庶民には馴染みの無い物である事を知り絶叫した明莉は続けて声を荒らげる。
「宿屋とかにも無いんですか!?」
「高級宿にはあると思うぞ」
「暖くん!!!」
「は、はい!?」
アリシエーゼの発言を聞き、明莉は突然俺の名前を叫んだ。
「お金いっぱい持ってましたよね!?お金!」
「え、あ、うん・・・」
「じゃあ、宿屋は高い所に泊まりましょう!ねッ!」
こ、怖い・・・
あかりの血走った目を見てこれは逆らっちゃダメな奴だと悟った俺は素直に頷く。
「う、うん、そうだね・・・」
「やった!絶対ですからね!」
明莉は俺からの言質が取れた事に気分を良くしてか、鼻歌交じりで桶を持ってキッチンまで行き、そこにある水瓶から水を汲み何やらゴソゴソと始めた。
んんッ!?
え、何やってんの??
「こ、これ、明莉・・・」
アリシエーゼも明莉の行動に気付き声を掛けるが、明莉は聞こえていないのか、キッチンの奥でいきなり服を脱ぎ出した。
えぇぇ・・・
ガッツリ見てしまったんだが、どんだけテンション上がってるんだろうか・・・
これからは風呂付きの宿屋に泊まれると決まったからテンションが上がるのは分かる。
だが、男子が居る事も忘れてその場で身体を拭く為に服を脱ぎ出すと言うのはどうなんだと俺を含めアリシエーゼも篤も固まってその光景を只只黙って見守った。
「「「・・・・・・・・・」」」
「やっぱり服も替えた方がいいですよね、これ。あ、服は馬車の中に置いてあるんでしたっけ・・・どうしようかな・・・アリシエーゼちゃんは服はどうするんですか?」
「「「・・・・・・・・・」」」
明莉の独り言とも付かぬアリシエーゼへの問いにアリシエーゼは反応出来ず黙ったままだった。
「・・・??アリシエーゼちゃん?」
反応が無い事に疑問になり明莉がパッと顔を上げてこちらを見た。
あぁ・・・何だろう、このテンプレ展開・・・
「・・・・・・・・・」
「「「・・・・・・・・・」」」
全員が沈黙し、妙な静寂に包まれた小屋の中で一人、早くもこの呪縛から脱した者が存在した。
「明莉くん、やはり君の身体は私の求めている完熟ボ―――」
篤の言葉は、明莉が身体強化をフルで使い投げられた木の桶がもの凄いスピードで篤の顔面にヒットし、桶が砕け散り、爆砕した音により遮られた。
強化された俺の眼を持ってしても捉えきれないとは・・・
篤を見ると、桶が顔面にクリーンヒットしてそのまま仰向けに倒れて時折ピクピクと痙攣していた。
よく見ると鼻骨が折れており、鼻血がドバドバと流れ出ていた。
うわぁ・・・
その光景に若干恐怖を感じているとキッチンの奥から底冷えする様な、地鳴りとも取れる恐ろしい声が聞こえて来た。
「・・・暖くん」
「は、はいッ」
俺は声の方には振り向く事はせず、気絶している篤を見ながら返事をする。
「・・・見ましたか?」
「い。いえ、何も見ておりませんッ!本当に何も見ていませんッ」
「・・・本当に?」
「ほ、本当ですッ」
「・・・嘘は付かないで下さいね」
「う、うう、嘘何て付いてません!本当に何も見てませんんん」
「・・・・・・そのままいいと言うまでこっちを見ないで下さい」
「・・・は、はい」
恐怖の時間はまだまだ続き、一体どれ程の時間が経過したか分からない程その場で固まっていたが、その光景耐え難い重苦しい空気を終了させる声が俺に掛けられた。
「もういいですよ~」
「・・・」
恐る恐る振り返るとそこには身体を拭いてサッパリしたのかそれとも別の理由なのかは分からないが、明莉がニコニコと笑顔で俺の真後ろに立っていた。
「ひ、ひぃぃッ」
俺にはその笑顔がとても恐ろしく写り、思わず心の底からの悲鳴(上げてしまった。
「どうしたんですか??」
そんな俺を心底不思議そうに見つめる明莉だが、その表情すら恐ろしかった。
「い、いや、別に・・・」
「あれ?これどうしたんですか?」
こ、これ?
明莉が見つめるのは未だに仰向けに倒れて気絶している篤だが、その物言いは明らかに先程とは違った。
「い、いや、桶がね。その、ぶち当たっちゃって・・・その、鼻の骨が折れてるみたいでさて・・・」
「あ、そうなんですね。じゃあ治しちゃいます」
そう言って明莉は倒れている篤の頭辺りに立った。
「えいッ」
そして明莉は可愛らしい声を出しながら何と篤の頭を左足で蹴りあげた。
!?!?
その行為に俺は驚き、同時に先程から何も反応を示さないアリシエーゼを勢いよく見た。
アリシエーゼは俺の視線に気付くと不自然な程の動きで顔を伏せて、見ていませんよアピールをした。
おい、ズルいぞ・・・
「・・・う、うーん」
顔を蹴りあげられた篤は直ぐに目を覚ました。
鼻は既に治っており、流れ出た大量の血が顔と服を汚しているだけだった。
「・・・わ、私は一体・・・」
篤は何も覚えていないらしく、テンプレイベントの前後は都合よく記憶が抜けている状態だった。
「な、なんだこの血は!?」
流れ出た血を見て焦っていたが俺とアリシエーゼで適当に誤魔化し落ち着かせた。
篤は納得言っていない様子だったが、これてま下手に思い出してまた何か余計な事でと口を滑らせたらと考えると恐ろしくなってしまったので必死で誤魔化した。
その様子を明莉がニコニコと眺めていたので宛らマフィアのボスとこそ子分みたいな構図になっていたのでは無いだろうか・・・
自分達の換えの服は全て馬車に置いて来てしまったので、デス隊に言って夜の内に中身だけ此方に持って来て貰う事にした。
ちなみに馬車は洞窟に入れないと言うか、集落から洞窟までの道程を考えると持っては来れないので、デス隊以外の誰かに街道からテツヤ目指して持って来て貰う事にしておいた。
結局、何だかんだバタバタして疲れてしまったのでそこからはスンナリと皆寝る事に同意して、ベッドルームに行き寝る事になった。
いやぁ・・・明莉は怒らせるとヤバいな
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