第48話:デスサイズ
序盤、特に1章辺りはすみません、初投稿でかなり拙文であったりしますので、時間があればその内表現や台詞回し等大幅に変更予定です。
それまでは何卒、生温かい目で見守ってやって下さい。
「どうなっているのですか・・・」
アルアレは呆れも入った声で独り言を吐いた。
「・・・凄いね」
パトリックも確実に呆れているのだろうと思わせる声色で言う。
「何だ、此奴ら配下に下ったのか?」
ナッズは若干脳筋臭が漂う様な物言いだが気にしないでおこう。
「・・・」
ソニは何を考えているのか、無言で、この状況を見ていた。
「やはり異常じゃよ・・・」
アリシエーゼは少し恐怖の混じった様な表情で呟くが、そんな事言われると傷付く・・・
「「・・・・・・」」
篤と明莉は無言であったが一体何を思っているのかは定かでは無い。
俺達は休憩後に麓の開けた場所まで一気に進み、到着するなりモリーゼの仲間を引き込み、その足で更に洞窟まで一気に進んでそこでも残りのモリーゼの仲間を引き込んでついでにモリーゼに舌の術式を使って洞窟で出荷を待つゴブリン達もコントロール下に置いてもらい、今はとりあえずゴブリン含む全員を俺達の前に並べたところだ。
いやぁ、壮観、壮観
全部で百以上は並んでるんじゃないか?
「どうだこれで一気に戦力が増えただろ!?」
「ゴブリンなぞ連れて行けるかッ」
俺の言葉にムキになって返すアリシエーゼだが、確かにこんなにゴブリン要らないかもなとちょっと思ってしまった。
「でもこの場で全員殺すのも流石に可哀想だろ・・・」
「ゴブリンなんぞ百害あって一利なしじゃッ」
そう言ってアリシエーゼはゴブリン達を犬歯を剥き出しにして睨みながら言う。
そんな事言うなよ・・・
みんな怯えてるじゃないか・・・
「でもなぁ、勿体無いしゴブリンはゴブリンで運用出来ないかな?」
「そんなもの運用してどうなる。国でも落とすつもりか?」
「いや、そうじゃ無いんだけどさ、やっぱり、勿体無い、じゃん・・・?」
「テツヤには万のゴブリン共もおるんじゃぞ!?そんなのと一緒に行動出来るかッ」
確かにアリシエーゼの言う事は尤もだ。数万のゴブリンと一緒に街になんて入れないし、そもそも街に入るとかそれどころでは無い。
「うーん・・・どうにかならんかなぁ。普段は一緒に行動しなくても手を借りたい時だけ颯爽と現れる集団みたいなさ」
「遠く離れておったら無理じゃろ・・・到着するのに何日も何ヶ月も掛かる様な距離に待機させておくのか?常に一緒に行動する事は出来ない以上、どこかに待機させておくしかないんじゃし」
「そうだよなぁ・・・この世界、転移魔法とか無いの?」
「無い」
アリシエーゼは俺の問いに即答した。
転移系の魔法が無いとか移動が怠くて仕方が無いんだが・・・
どうなってんのこの異世界・・・
「・・・そうなるとやっぱりアリシエーゼの影移動を使えたりしないかな」
「無理じゃろ・・・先程の死体も消えたぞ?」
「だよなぁ・・・でもあれにヒントが隠されてると思うんだよ」
「アニメ的な展開ではそうなんじゃろうが、今の所無理と思うほかあるまいて」
アリシエーゼはもうこの話は飽きたと言わんばかりに投げやりに言う。
「・・・分かったよ。とりあえずゴブリン達はこのまま今の場所で待機させとくか」
「殺した方がええぞ絶対・・・」
「嫌だよ勿体無い」
「勿体無いと言う言葉はゴブリンに使うものでは無いと思うんじゃが・・・」
そんなアリシエーゼの言葉をシカトして、俺の前で未だに跪いているモリーゼに言う。
「とりあえずゴブリン達全員、今まで通り待機させておいて」
「畏まりました」
ちなみにモリーゼとその仲間、更にはここに居るゴブリン達全員が俺の前に片膝を付けて跪いているのだが、どうやらモリーゼがゴブリン達にはそうさせて居る様だ。
モリーゼやその仲間に施した設定は、俺の目となり鼻となり腕となり、諜報活動をメインに活動してもらうが、常に影となり俺に仕え、俺を支え、俺の為だけに動く様にした。
あれ?
忍者だな・・・
聞けばテツヤ付近のゴブリンにはセンビーンを栽培させているらしく、センビーンはそのまま土に植えれば凄まじい生命力でグングンと育って直ぐに大量に収穫出来るとの事で、食料はほぼ問題無いらしい。
まだ暫くはそのまま待機させておいても問題無いだろう。
「じゃあそう言う事で、後は宜しくね」
「はい、マスター」
モリーゼはそう言って跪く形から更に頭を恭しく下げて言った。
それに倣ってモリーゼ軍団とゴブリンも頭を下げる。
ゴブリンの方って一々モリーゼが命令してるのかな・・・?
「ま、ますたー?」
モリーゼの返事を聞きアリシエーゼが目を丸くして俺に言って来た。
「なんだ?」
「こ、こやつらに自分の事をマスターと呼ばせておるのか?」
「そうだよ。かっこいいだろ」
「なんちゅー趣味をしとるんじゃ・・・」
アリシエーゼは完全に呆れ果てた様な表情でそう言った。
いやいや、何言ってんだ此奴?
影の軍団には自分の事はマスターと呼ばせるだろ普通
「自分の事を姫とか呼ばせてるお前にいわれたくねぇよ・・・」
「なんじゃ!?姫は姫であろうッ」
「自分の事姫とか呼ばせる方がどうかしてるわッ」
「何をぉッ」
お互い一歩も引かず自分の主張を通そうとするが、一進一退の攻防が続く。
「私だったら様付けで呼ばせるがな」
そんな俺達を見て篤がそう独りごちる。
「・・・それも有りだな」
「・・・じゃな」
そう思うと自分の事をマスターとか呼ばせてる事が無性に恥ずかしくなって来た。
「篤の案採用します」
俺はすぐ様鞍替えを表明した。
「はやッ!?」
そんな俺の変わり身の速さにアリシエーゼは驚いていたが関係無い。
何だよマスターって
恥ずかしいわッ
そんなやり取りをしている内にモリーゼ達にはしっかりと今の事を頭に文字通り叩き込んでおいた。
「アリシエーゼは変えるのか?」
「わ、妾はこのまま行くぞッ」
「ムキになるなよ・・・」
「ムキになどなっておらんわッ」
「なってるじゃねぇか」
「なっておらん!妾は姫なのじゃからそれでいいんじゃ!」
何言ってんだ此奴・・・
お前はもう貴族でも何でも無い、ただの頭の可笑しいガキだろうが・・・
「・・・まぁ、お前がいいならそれでいいよ」
「ふ、ふんッ」
アリシエーゼはまるで引っ込みが付かなくなった様に頑なに姫呼びを固辞した。
そんな事をしている内にモリーゼ達はゴブリンをテツヤ方面に送り出す準備をしていた。
「ちょっと疑問に思ったんだけどさ、テツヤの方に居るゴブリンにもメスは居るだろう?」
「そりゃ居るじゃろ」
「だったらここ以外でもテツヤの方では自然に繁殖はしてるよな?数万のゴブリンに対してメスがここにいるだけってのは比率的におかしいしさ」
「・・・じゃな」
「あっちで産まれた奴らってモリーゼの管理からは外れてるよな?その辺どうすんだろ?」
「定期的にモリーゼがテツヤの方に赴いて管理しとるんじゃないか」
確かにそれしか無いか?
でもそれめちゃくち面倒くさくない・・・?
「それはですね―――」
「うわッ!?」
そんな事を考えていると突然俺の後ろから声が聞こえて来て遂思わず驚きの声を上げてしまった。
振り返るとそこには少し長めの黒髪の男が立っており、俺が驚いたからか直ぐに謝罪のポーズとしてか頭を下げていた。
「驚かせてしまい申し訳御座いません、ハル様」
「い、いや、いいよ。それより誰だ?」
先程全員が俺に跪いている時に居た様な気もするがあまり記憶に無い。
居たか?
居た・・・よな?
「私はハル様の近衛班の班長を務めさせて頂く事に成りました。名は御座いませんのでお好きにお呼び下さい」
えッ!?名前無いの!?
「名前無いの・・・?」
「はい、御座いません」
「普段どうしてた訳・・・?」
「それは普段お互いをどう呼びあっていたかと言う事でしょうか?それならばコードネームで呼びあっておりました」
コードネーム!?
それはアレか、アルファとかブラボーとか、はたまた二つ名みたいなスカーフェイスだとか何とかキラーとかだろうか?
「ちなみに何てコードネームだったの?」
「5です」
えぇぇ・・・まさかの数字!?
「そ、それは何か呼びにくいから他のがいいなぁ・・・」
「・・・はい、お好きにお呼び頂いて構いません」
「ん、なんじゃ?名付けを行うのか?」
近くで会話を聞いていたアリシエーゼが割り込んで来た。
「ん、まあそうだな。何がいいかな」
「そりゃもうウズウズする様なのが良いじゃろう!」
ウズウズって・・・
まぁ、分からなくも無いが・・・
「じゃあ何がいいかなぁ・・・俺の懐刀?最後の切り札?其奴を見た者は誰一人生きては居ない的な?」
そんな事を考えていたら自然と口角が持ち上がってしまっていた。
「・・・決めた!!お前の名前はデスサイズだ!!」
「「「「「「「うわぁ・・・」」」」」」」
俺が声高らかにそう宣言すると、それまで会話に参加していなかった面々が口を揃えて心の底からウンザリした様子で吐き出した。
な、何だよ!?
かっこいいだろデスサイズ!
え?
かっこいいよね・・・?
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