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異端の紅赤マギ  作者: みどりのたぬき
第1章:異世界と吸血姫編
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第42話:答え合わせ ―その2―

序盤、特に1章辺りはすみません、初投稿でかなり拙文であったりしますので、時間があればその内表現や台詞回し等大幅に変更予定です。

それまでは何卒、生温かい目で見守ってやって下さい。

 男が不敵に笑いそう言った瞬間、間髪入れずに俺は気絶しない程度に力を抑えてだが男の顔面に拳を叩き込んで鼻骨をへし折る。


「――ァッガ」


「誰が喋っていいって言ったよ」


 俺はそう言って男に跨る様にして殴り付けた姿勢を元に戻し、男の足元に移動してねじ曲がった右脚を軽く蹴り上げた。


「ッッッァッアアア!!」


「五月蝿ぇな、とりあえず答えろ。何で俺達を狙った」


「ァァッ・・・ハァハァ、ふははッ答える訳が無い――」


 男が言葉を言い終わる前に俺は男の右脚をこれまた加減して踏み潰した。


「ッッッッァッ!!!!!」


 壊れた右脚を更に壊され男は声にならない声を上げたが気は失わなかった様だった。


「拷問での情報の引き出しって難しいな」


 俺はアリシエーゼに振り返り言った。


「じゃからお主の能力を使えば簡単じゃろうに・・・」


「いや、だからそれじゃつまらないっての」


「なんじゃかそれじゃと、拷問が楽しいみたいに聞こえるのは妾だけじゃろうか・・・」


 なに!?

 そんなバカな!?

 つまらなくは無いが、決して楽しいなんて思っていないぞ!?


「とりあえず此奴から情報引き出せない?」


 俺はここに居る、明莉とソニ以外の面々を見て言うと、パトリックは右手を上げて前に出る。


「僕がやってみるよ」


「パトリックが?出来るのか?」


「あ、バカにしたなー?情報を確実に引き出せるか分からないけど、もしかしたら上手く出来るかもしれないなと思ってさ」


 意外だ


 俺のパトリックの印象は温和そうな人畜無害の街の好青年である。

 そんなパトリックがどうやって恐らく間者であろう敵から情報を得ると言うのだろうか。


「分かった。とりあえずやってみてくれ」


「うん。じゃあ、終わるまで皆はどっかで休んでてよ」


 そう言ってパトリックは暗に「散れ!」と俺達を促す。


「見てたらダメか?」


「・・・恥ずかしいよ」


 そう言ってパトリックは何故だかモジモジと身体を少しくねらせて、上目遣いにはにかむ。


 おい、やめろそれ


「な、何かよく分からんけど、わかった・・・終わったら呼んでくれ」


 俺はそう言って、パトリックから距離を取る。


「私は見て居たいのだがダメか?」


 篤は俺の心情を知ってか知らずか食い下がろうとしていた。


「うん、ちょっとやっぱり恥ずかしいから・・・」


 またしてもパトリックは何故か分からないが恥ずかしそうにして篤の申し出を断った。


「・・・そうか」


 篤も何かを感じたのだろうか、それ以上は食い下がらずに引いた。

 俺達は情報収集はパトリックに任せて一旦、他の脅威が残って無いか集落をクリアリングして回る事にした。


「みんなでゾロゾロやってても仕方無いし、二手に別れようか」


 俺がそう言うと、アルアレはナッズと共に俺達とは別方向に歩いて行った。


「さて、俺達はこっちから回ろうか」


 そう言って俺はアルアレ達とは反対方向に歩き出したがどうしてもパトリックがどうやって情報を引き出すのか気になったのでチラリと横目で覗き見た。


「うぇぁ!?」


「うわ、なんじゃ!?」


 俺のいきなりの素っ頓狂な声にアリシエーゼは身体をビクリと震わせたが、どうしようも無い。


 だっていきなりナイフで顔切り裂くとか・・・


 遠目からだが俺にはハッキリと見えた。

 パトリックがどこから取り出したのか、ナイフの様な小ぶりの刃物で倒れている男に馬乗りになっていきなり顔をスパッと横凪にしたのだ。


 もうパトリックから目が離せなくなった俺はそのまま次の行いを凝視した。

 チラリと篤を見ると篤も目を見開いて凝視している。


 パトリックは男の顔を引き裂いて暫く馬乗りになったまま観察しているのだろうか動きは無かったが、暫くすると右手を男の顔に翳した。

 すると、パトリックの右手が淡い光を帯びて発光した。


「なんだあれは」


 俺は誰に言うでも無く、無意識に独り言を発していたが、アリシエーゼは俺の言葉からパトリックを見て言った。


「何って、神聖魔法で傷を癒しているんじゃろ」


「そうか、アレが回復魔法を発動した時のエフェクトか」


 いやいや、今はそんな事を思っている場合では無い!

 顔を引き裂いてから治した?


 少しばかり頭が混乱していると、パトリックは顔に添えていた右手を離し、左手に持っていたナイフを右手に持ち替えると―――


「ま、また!?」


 再び男の顔面を切り裂いた。


 これはつまりアレじゃないだろうか・・・


「な、なあアリシエーゼ。パトリックは・・・その、何やってんの・・・?いや、やってる事は分かっているんだが・・・」


「情報を引き出しておるんじゃろ」


 アリシエーゼは事も無げにそう言った。


「神聖魔法の回復術じゃとな、痛みも取れるんじゃよ。パトリックはああやって痛みと――ほれ、切った後にああやって揺さぶりを掛ける」


 アリシエーゼがそう言ったので翌々パトリックを見てみるとら男の顔を切り裂いた後、何かを語り掛ける様に口を動かしている様に見えた。


 だからさっきは微動だにしなかったのか

 てっきり様子を観察しているのかと思った・・・


「外傷的な痛みを与えて追い討ちで精神的に追い込む。そうしたらまた回復して外傷を治す。痛みは取れるから拷問が終わらない限りまたその痛みがやってくる。その繰り返しもあって精神は徐々に蝕まれてゆく」


 確かにそれは生き地獄と言うに相応しいかも知れない

 ただそれだと―――


「それだと精神がやられちまうんじゃないか?」


「神聖魔法には支援魔法の類も色々あっての。パトリックは仲間を鼓舞する様な魔法も使えたはずじゃ。名前をなんと言ったかの・・・忘れたが、その辺りを上手く使って良い塩梅で進めておるんじゃろ」


 何て事でしょう

 街の好青年だと思っていたパトリックは実は拷問に手馴れている、闇堕ち系男子でした!


「パトリックは本当に神に遣える信徒なのか・・・?」


「彼奴の本業は傭兵じゃろうに。パトリックやアルアレの様な教会から一歩距離を取る聖職者――元じゃがそう言った者も少なくない。じゃが、そう言った者も教会への出入りじゃとか、サポートも得る事は可能なんじゃ。本業の者とは比べ物にならんくらい薄いサポートじゃがな」


 なるほど・・・


 アリシエーゼが言いたいのは、本業の聖職者じゃないんだから別に何やったっていいだろって事だろう。


 確かにそうかも知れないが・・・

 いや、止そう・・・


 そうこうしている間も拷問が続き、倒れている男の呻き声をとも叫び声ともつかない声が聞こえて来るがとりあえずはパトリックに任せる事にした。

 その後集落の建物数軒をクリアリングして行き、特に問題無さそうなのでアルアレ達と合流した。


「こちらは特に問題無さそうでした」


「こっちも問題無しだ」


 アルアレ達と合流したのでパトリックはどんな具合かと見ると、まだ続けていた。

 どんな表情をしてどんな会話をしているのか気にはなり、それを聞き耳を立てる事は出来るが敢えてしなかった。


 だって俺のパトリック像が・・・


「なあ、あのデカい家は調べなくていいのか?」


「そう言えばまだ調べてないのう」


 ナッズの問い掛けにアリシエーゼが答えるが、確かにまだ調べて居なかった。

 俺達は全員であの倒れている男の居た集落で一番大きな建物へと向かった。


 改めて見ると建物は見る限りは二階建てで、アリシエーゼの館程ではないがなかなかの大きさだった。

 入口から入り、先程の様に二手に別れて、俺達は一階を、アルアレ達は二階を調べる事にした。


「人は居ない様じゃの」


 アリシエーゼはそう言ったが、これはなんだ、耳で聞いているのか、鼻で嗅いでいるのかどっちなんだろうか。

 これは今後の俺の索敵スキルにも使えそうなので聞いてみる事にした。


「両方じゃよ。妾はそれにプラスして、精霊にも探らせておるがの」


「え、精霊ってそんな事も出来るのか?」


「出来るぞ。まあこれも当人のセンス次第じゃがの」


 軽く自慢を入れて来ている気がしなくも無いが、まあいい・・・


「精霊は無理だとしても、耳と鼻を使った索敵は便利そうだし覚えるかな」


「そうした方が良いぞ。かなり便利じゃし」


「でもなぁ、臭いを嗅ぐのはなぁ・・・」


 宿場町でアリシエーゼの臭いを嗅いだ時の衝撃を思い出し、ついしかめっ面をしてしまった。


「まだ言っておるのか・・・そんなのお主の勘違いか、初めてだからなんか、こう、第二の嗅覚がビックリしてしまったんじゃろ」


「お前は初めて嗅いだ時、その第二の嗅覚とやらはビックリしたのか?」


「いや、全然」


「おい・・・お前、適当な事言うな」


「しようが無いじゃろッそんな経験ないじゃから!」


 とりあえず後でもう一度は試してみるか・・・

 アリシエーゼ以外で・・・


 一階を色々と見て回るが特に何かを発見出来た訳では無く、暫くするとアルアレ達も一階に戻って来た。


「ここも特に何も無さそうですね・・・」


 アルアレの言葉に俺とアリシエーゼも頷く。


「とりあえずパトリックを待つ事にするか・・・」


「そうじゃのう。とりあえずここで待つとするかの」


 そう言ってアリシエーゼは一階の広間から続く台所へと走って行った。


「おぉ、塩漬けにした肉なら結構な量があるぞ!」


 台所の奥からそう聞こえて来たが、俺はブレないなぁ等と思いながら倒れてる椅子を元に戻して腰掛けた。


「ソニッ!早く何か作るのじゃ!」


 台所の奥からアリシエーゼがソニを呼ぶが、ソニは今、明莉のげーげーの対応をしている事を忘れたのだろうか。


 まぁ肉に目が眩んで完全に忘れてそうだな・・・


「ソニは今明莉と外に居るだろうがー」


 俺は大きの声でアリシエーゼに言って席を立った。


「あーッ!そうじゃ忘れておった!」


「とりあえず二人をこっちに呼んでくるよー」


 俺はそう言うとそのまま外に出て明莉達の元へと向かった。

 明莉はもう吐いてはおらず、ソニに何か話しかけられてそれに頷く仕草を見せているのでとりあえずは大丈夫だろうと判断した。


「明莉、大丈夫か?」


「は、はい。ごめんなさい・・・」


「いや、謝らなくていいさ。俺達こそその辺まで気が回らなくてごめん」


 俺はそう言って明莉に謝ると明莉はそれを見て悲しそうな表情をした。


「暖くんが謝る事無いです・・・でも、みんなどうしてあ、あれが大丈夫なのかちょっと、理解が、出来なくて・・・」


「そんなの理解する事無いさ、明莉は」


「でも・・・」


「とりあえず今は考えなくていいよ」


「はい・・・」


 明莉はそう言って俯いた。


 正直、こんな時何て言ったらいいか分からず問題を棚上げする様な事しか言えない自分に腑甲斐無さを感じた。


 この記憶だけ消すなり改竄する事は可能だけど・・・


 最終手段としてそれも視野に入れておくかと思っていると少し離れた場所から俺を呼ぶ声が聞こえて来た。


「おーい、ハルくーん」


 声のする方を見るとパトリックが俺を呼んでいたので、終わったのかと推察してソニに明莉を皆の所に連れて行って、次いでにアリシエーゼにこちらに来る様に伝えてくれと言っておいた。


「終わったのか?」


「うん、バッチリ情報取れたよ」


 パトリックに歩み寄りながら聞くと満面の笑みを浮かべてそう返した。


「お、そうか。やるね」


「えへへ~」


 この笑顔を見ているとあんな拷問を考え付く様な人物には到底見えない。


「なんじゃ、終わったのか?」


 いつの間にかアリシエーゼも近くに来ており、パトリックに確認する。


「はい、終わりました」


「して、どうじゃった」


「はい、それなんですが―――」


 パトリックの話ではこうだ。

 ここは、ハイスタード帝国の間者が集まる集落で、この男はそれら間者のまとめ役との事だ。

 ここにいる間者は、街等に潜伏して情報収集、工作を行う部隊とは別任務で動いており、他部隊との連携は一切無し。

 ここに居る連中は市民権を得ている街の間者とは違い、不法に入国している為、この様な普通ではあまり辿り着く事の出来無い場所に集まり暮らしていると言う。

 じゃあ実際此奴らは何をやっていたのかと言うと―――


「―――この場所は、所謂実験施設みたいなんです。」


「実験?何のじゃ?」


「ゴブリン繁殖です」


 えぇ!?

 ゴブリンの繁殖って管理とか出来るの!?


「なんじゃそれは・・・」


「僕もちょっと直接聞きましたが半信半疑です。ですがこの男曰く、ここから森の奥へ進み、山の麓の開けた場所を超えて山へ向かうと洞窟が幾つかあるらしいんですけど、その中で実験と言うかゴブリンを大量に繁殖させて、その・・・」


「なんじゃ、ハッキリ言わんか」


「大量のゴブリンを街に仕向けるらしいんです」


 おいおい、大量ってどれくらいなのか知らないがそれってつまり、人工のスタンピードって事か・・・?


「そんなバカな!?ゴブリンが人間の言う事に素直に従う訳が無かろう!?」


「僕もそう思うんですが、この男曰く、その洞窟って繋がっているらしいんですよ」


「何処にじゃ?」


「北の関所手前の元鉱山街、テツヤに」


 うん?

 なに?何て言った?

 テツヤ?


「な、なぁ、今テツヤって――」


「そこは突っ込まんでええ!」


「えぇ・・・」


 テツヤって、鉄屋だろうか、それとも哲也か、鉄也か・・・


「私は鉄屋だと思うぞ」


 俺の心情を察してか篤がこっそりと俺に耳打ちする。


 はい、そーですか


「直接街に繋がっている訳ではありません。ですが、繋がっているのは鉱山跡なので街からそれ程離れていません」


「もしそこが墜ちたなら次は―――」


「北の関所が危ないです」


「数はどれ程じゃ」


「わかりません。ただ、計画は三年も前から始めていたらしいんです。ゴブリンは一度の繁殖期で数が三倍に膨れ上がるなんて言いますし・・・」


「この辺りから北の関所までは比較的魔物の数が多く巡回兵の数も多いと聞いた事があるあるんじゃが・・・それもこれの影響だったかもしれんの・・・」


「今まであの辺りでスタンピードなんかが発生したなんて最近は聞いた事ないですよね?」


「うむ・・・そう考えるとテツヤの鉱山跡でもしや今もまだ大多数が潜伏しており、街道に現れるのはそこから溢れた()()()()なんて事も最悪考えておかねばなるまいな・・・」


 アリシエーゼは一旦パトリックとの会話を終わらせてから一つ深めの溜息を吐いた。


「ふぅ、どうするべきかの・・・」

 

「どうするって決まってるだろ」


「無理じゃ」


「いや、まだ何も言ってないんだが・・・」


「どうせこの企みを潰すーじゃとか、ゴブリンを全滅させるーとかじゃろ」


「ま、まぁそうなんだが・・・」


 アリシエーゼは心底呆れた様な表情を浮かべてから今度は更に深い溜息を吐いた。


「はぁぁ・・・お主分かっておるのか?三年もの間増殖し続けたんじゃぞ?ゴブリンは大体が一年に一回の繁殖期で三倍程に数を増やす」


「うん、それはさっき聞いた」


「この男共は強制的にその繁殖をさせていると言っておった。つまりは一年で数度の出産ラッシュが訪れると言う事じゃぞ?」


「分かってるよ。ねずみ算式に数が増えて行くんだろ。ゴブリンってどの位の期間で子を産むんだ?」


「凡そ三月から四月じゃ」


「だとしたら、一年で三回出産すると考えて、三年だから・・・うん、下手したら数万って感じだな」


「何故そんな爽やかに言っておるんじゃ!?」


「いや、だってゴブリンだろ?」


 ゴブリンの一匹や数万匹、アリシエーゼさんなら余裕っすよね?


「はぁ・・・数は力じゃぞ?そのくらい分かっておるだろうに」


「分かってるけどさ、どうにかなるだろ?」


「無理じゃよ・・・もし数万もの数がおったとしたら国がどうにかなるレベルじゃ」


「ゴブリンでか?」


「ゴブリンでじゃ」


 マジか・・・

 ちょっとゴブリン甘く見てたわ・・・

 数万か・・・って、あれ?


「なぁ、本当に数万もの数のゴブリンが三年も息を潜めて一箇所に留まってるのか?」


「・・・普通に考えれば有り得ん」


「そうだろ。それに餌とかどうするんだ。数万ものゴブリンを食わせるだけの餌がその鉱山跡地にあるのか?」


 そこまで言うとパトリックが口を開く。


「確かにそう言われると無理だね」


「だろう?だったらその、テ、テツヤ?ってところの周辺にはもう居ないって考える方が自然じゃないか?」


「センビーンがあるだろう」


 アリシエーゼとパトリックと俺の三人で盛り上がっていると篤がまたしても横から口を出して来た。


「センビーンさえ大量に確保出来さえすれば三年間潜伏する事は可能では無いのか?」


「「「・・・確かに」」」


 篤の言う通り、センビーンは数粒で腹は膨れる。


「センビーンは大量に取れるからの。市場では常に過剰供給状態じゃしの」


 アリシエーゼは言う。


「この集落の者達でも、関所で無ければ余程の事が無い限り街には出入り出来るだろうし、センビーンを大量に買い付けた所で商人を装えば特に怪しまれる事も無いかもね」


 パトリックが続けた。

 つまり―――


「食料問題はこれで解決したな」


「じゃが、それにゴブリン共が黙って従うとは到底思えんッ」


「そうですね、もしかしたら何かしらの方法で従わせている・・・?」


 パトリックは顎に手をやり考え込んだ。


 こればっかりは考えても答えは出ないんじゃないかね


 パトリックも直ぐにそれに思い至った様でアリシエーゼに伺いをたてた。


「姫様、もう一度あの男から情報を聞き出した方がいいと思うので・・・()()()()()()いいですか?」


 いや、何でそこでパトリックは無邪気な笑顔なんだろうか・・・


 パトリックの申し出を聞いてアリシエーゼは俺へ視線を向けた。


 うん、そうだよね

 ()()()の方が確実で早い


「・・・分かったよ」


 俺は小さく溜息を吐きながら了承する。


「パトリック、次は俺がやるよ」


「え?大丈夫なの・・・?」


「うん、大丈夫」


「そう・・・なら任せるよ」


 パトリックは素直に譲ってくれたが、何だか残念そうなのは・・・気の所為だよね・・・


 そんな会話をしている内に俺は倒れている男から必要そうな情報を全て()()()()()いるんだけどねと心の中でテヘペロする。


 って言うか、マジかこれ・・・


 俺は倒れている男へと無言で近付き、頭の辺りでしゃがみ込んだ。


「何してるの?」


 パトリックも近付いて来て男を覗き込む。

 俺はパトリックを無視して男の頬に手をやり、グイッと少し力を込めた。

 すると男の口が無理矢理こじ開けられ、舌の表面が見えた。


「え、なにこれ・・・」


 一部始終を見ていたパトリックは呟く。

 アリシエーゼ達も近寄って来て、皆で倒れている男を覗き込む形となった。


 なんじゃこりゃ


 四人の男女が倒れている初老の男の顔を覗き込んでいるこの状況を頭の中で思い浮かべると何とも奇妙な光景だなと場違いな考えが湧き上がるが、それ所では無いとその考えを振り払う。


「なんじゃこの術式は・・・」


 アリシエーゼがそう言う男の舌には黒い塗料か何かで書かれた、見慣れない図の様な物が書かれていた。



 ふふ、久々に来ましたよ!テンプレキーワード!術式!!

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