第41話:答え合わせ ―その1―
序盤、特に1章辺りはすみません、初投稿でかなり拙文であったりしますので、時間があればその内表現や台詞回し等大幅に変更予定です。
それまでは何卒、生温かい目で見守ってやって下さい。
明莉の事は一旦後回しにして、俺はアリシエーゼに振り向き聞いた。
「さて、とりあえず何で分かった?」
俺はアリシエーゼに率直に疑問をぶつけた。
アリシエーゼはなんの事なのか考えるまでも無く直ぐに回答した。
「こ奴ら言うておったじゃろ。十数匹のゴブリンが二回程来たと。その上で巣まで見付けて、そこにはそれ以上のゴブリンがいる事を確認したと」
「うん」
「それが本当ならこの集落の状況はおかしいじゃろ」
「何がだ?」
「大量のゴブリンがいつ攻めて来るとも分からんのに見張りの一人も立てておらぬでは無いか」
「あぁ、なるほど」
確かに言われてみるとまったくその通りだった。
敵がいつ攻めてくるとも分からないのに、見張りを一人も置かないなんて有り得ないだろう。
「じゃからこの男は妾達をあの家に引き留めておく役なんじゃないかと考えての。もしそうならソニ達に危害が及ぶやもと思って外に出たのじゃ」
「お前・・・ちょっと見直したぞ」
「お!?そうか?そうじゃろう、そうじゃろう」
アリシエーゼは満足げだ。
「妾の念がお主にも伝わったからこうして一人は生け捕りに出来たしの」
「いや、まったく伝わって来なかったぞ」
「なにッ!?」
「いや、わかる訳ないだろ・・・会話の途中途中で訳分からん韻の様なもの踏んでるし、最後の沈黙もまったく意味が分からなかったぞ」
「そ、そんな・・・では何故この男を無力化したのじゃ!?」
「なんか伝えたいのかなぁとは思ってたが、アリシエーゼが出て行った後に血の匂いが一瞬で増したから、そう言う事かと理解しただけだが」
「・・・・・・・・・」
「いや、ただお前の事を信じて行動した結果だ。血の匂いがした位じゃ、誰かが怪我しただけかもしれないしな」
あれ、なんで俺はこいつをフォローなんてしてるんだ?
「なんじゃ~、そうならそうと早く言うが良い」
その後アリシエーゼは、なんじゃ~と繰り返していた。
う、うざい・・・
「とりあえず結果オーライだろ。後はコイツに吐かせればいいさ」
「そうじゃな」
そう言って俺達は未だに意識を取り戻さない男を見下ろした。
そう言えばこいつが目覚める前にさっきの疑問を解決しておこう
「パトリック、回復魔法についてちょっと聞きたいんだけど」
「うん、なに?」
「回復魔法って欠損した身体の部位も治せたりするの?」
「え、それは・・・たぶんもの凄く上位の魔法なら可能なんじゃないかな」
「上位ってのはどれくらいの?パトリックは使えるの?」
「僕は使えないよ。使えるのは大司教クラスじゃないかな」
「そうなんだな。パトリックの回復魔法はどの程度の傷を癒せるんだ?」
「うーん・・・骨折程度なら治せるよ。でもこの男の脚は・・・無理かな」
そう言ってパトリックは倒れている男を一瞥する。
欠損部位の修復は大司教クラスじゃないと無理と言っていたが、それは何故なのだろうか。
以前アルアレから聞いた神聖魔法についての話だと、神聖魔法は神様に祈り承認されると魔法が使える様になるというものだった。
つまりは、そこに教会のヒエラルキーは関係無さそうにも思える。
「大司教クラスじゃないと無理ってのは何でなんだ?」
「大司教じゃないと詠唱文は分からないんだ。それより下には知りようがないんだよ」
それは教会が秘匿していると言う事だろうか?
「お主の思っている通りだと思うぞ」
パトリックと話していると、突然アリシエーゼが会話に入ってくる。
「教会が秘匿しているって事か?」
「そうじゃな。これも基本的にはと付くが、自分が居る教会内のヒエラルキーによって習得出来る魔法が決まって来るのじゃ。まあ裏や例外はここでも存在するがの」
そう言ってアリシエーゼは一つ鼻を鳴らす。
「何でそんな事を?もし才能がある奴が居たとしてそいつのヒエラルキーが低いと高位の魔法を覚えられるのに覚えられないって事になるんじゃ?」
「その通りじゃよ。まあ大方教会の権力保持や欲などが理由じゃろうよ」
そこまで言うとアルアレが制す。
「姫様、それは違います。教会には教会の考えがあります。もし仮に全ての詠唱文を公開してしまったら、欲に塗れて力を私利私欲の為に使ってしまう輩が出て来てしまうでしょう。そう言った行いは皆が信ずる神への冒涜となります。そう言った事を未然にふせ――」
「あー、分かった分かった」
アルアレの言い分を最後まで聞かずにアリシエーゼは途中で遮った。
アルアレは不満げだ。
「まあ大体分かったよ。所でアルアレ達は教会での立場は何なの?司祭?」
「私達は助祭ですよ」
助祭となると、一般信徒の一つ上か
まぁ地球でのヒエラルキーに当て嵌るとだが
「でもアルアレは司祭になれたのに自分から辞退しちゃったじゃないか」
パトリックはそう言ってアルアレを困った様に見て言った。
「そうなのか、また何で?」
「少し思う所がありまして。それに私は神の僕です。神を信奉するのは傭兵をしていても出来ますしね」
この話はこれで終わりと言う様にアルアレはそう言って目を静かに閉じた。
聞いて欲しくない内容だったのだろうと俺はそれ以上追求はしなかった。
「ちなみに神聖魔法以外の魔法はどうなのだ?」
そこまで黙っていた篤もいきなり参戦してくるが、魔法と言うワードに耐えられななったのだろう。
「精霊魔法や暗黒魔法はそんな事は無いぞ。詠唱文さえ分かっておれば使えるぞ。扱う才次第じゃがな」
「こちらの方が我々の思っている魔法には近いのでは無いか?」
篤はそう言って俺を見て来た。確かにその様だった。
アリシエーゼ曰く、低位の精霊魔法などは特に詠唱など行わずに発動可能だが、中位や高位のものは必要になって来るらしい。
そう言った位が高い魔法は詠唱文自体は一部を覗いて入手の難易度はそう高くない様だが、制御が極端に難しくなる為、誰かに弟子入りするなどして教えを乞うのが基本らしい。
勿論それにも例外は存在して、未発見の高位の魔法詠唱文を自力で発見するだとか、超高度な魔力操作や術式構築理論を独学でマスターする様な天才もいるとのことだった。
「まあ妾もその天才の一人なんじゃがな~」
「何言ってんだ、お前―――」
あれ?
そう言えばこいつ前に精霊魔法を無詠唱で発動して無かったか・・・?
「ふっふっふ、気付いたか」
そう言ってアリシエーゼは二チャリながら解説を始めた。
「前に妾が精霊魔法で焚き火に火を付けた時を覚えておるかの?うーん?」
「・・・あぁ」
「その時妾は詠唱しておったかのう?どうじゃ?」
「・・・してなかったよ」
「そうじゃろ~、そうじゃろ~」
アリシエーゼ劇場はまだまだ続く。
「あれは、無詠唱、または詠唱破棄と言ってのう、限られた才ある者にしか出来ん技術なんじゃがな~?」
「・・・・・・・・・」
「・・・さっさと結論言え」
「結論?そんなものないぞ」
「なに?」
「ただ、魔力の無いお主に自慢したくての~」
「テメェ・・・」
なんて奴だ!
「まあそれは置いておいてじゃなーー」
「なんじゃそりゃ!?」
「五月蝿い奴じゃの、黙って聞かんか。教会の管理体制とまでは行かんが、精霊魔法や暗黒魔法でも自然とその様な扱う者を選別する行いは多少なり行っておる。関係は、師匠と弟子、教師と生徒となるが、つまりは師匠が弟子に免許皆伝を与える。教師が生徒の進級を許可する、成績を付けると言うのと同じ意味じゃろ。規模は違うがの」
なるほどな、そう聞くと確かにそうだ
そうなんだが・・・
「パトリックも言ったがの、欠損部位の修復じゃとかは高僧しか使えん事になっとるからの。ここまで言えば分かるじゃろ?」
まあ分かる
それによって得られる利益ってのが半端ないんだろうよ
「あの聖女はどのレベルなのだ?」
ここで篤がアリシエーゼに問うが、丁度地面に転がる男が呻き声をあげて意識を覚醒し始めた為一旦話を中断した。
「さて、情報は引き出せるかね」
「お主の能力を使えば一発じゃろうが――まあ使わんのじゃろ?」
「なるべくな。そうじゃなきゃ――」
「「面白くない」」
俺が言おうとしている事をアリシエーゼと篤が被せて来た事で三人で笑いあった。
周りはバラバラの輩が多数居る状態だが・・・
「・・・ッゥ」
地面に転がる男は小さく呻いてから目を開けた。
「よう、おはよーさん」
男は俺の言葉に一瞬身体を震わせたが、自身の身体の状態と周囲の状況を照らし合わせる様に目だけを動かして状況判断を行っていた。
それが一瞬の内に終わると男は不敵に笑って言った。
「私が情報を喋るとでも思ったか?」
ですよねー
でも残念でして、お前が喋ろうが喋らなかろうがどっちでもいいンだわ
評価、感想、レビュー、ブクマ等頂けると涙出ます。たぶん。




