第332話:青春ごっこ
出来るだけ、連日投稿出来る様に頑張ります。
無理だったら、優しく微笑んでください
「本当にすまなかったのじゃああ」
「い、いや、だから大丈夫だって~」
「じゃが、そうとは知らずに妾はぁあ」
「・・・ねぇ、何か言ってよぉ」
「・・・・・・」
現在、王宮周辺監視真っ只中なのだが、本日同チームとなった俺とアリシエーゼとラルファは絶賛だべり中である。
と言うか、アリシエーゼが昨日の失言を先程からラルファに謝り倒していると言う状況なのだが・・・
「まさか、あの女戦士がそんな事になっておろうとは・・・知らなかったんじゃ、堪忍しておくれぇえ」
おくれって・・・
ラルファはもう良い、気にするなと先程からずっと言っているのだが、そんな言葉は聞こえないかの様に失言だった、本当に知らなかったと繰り返している。
何だ此奴・・・
確かにラルファやリルカの残された者の気持ち、アギリーの無念さを思えばアリシエーゼのあの発言は完全に空気の読めない、人の気持ちを考える事の出来ない奴の発言だっただろう。
だが、ラルファもリルカもアリシエーゼが本当に昨日俺の説明を聞いておらず知らずに発言していただけだと理解しているので普通に許してくれたのだ。
それにも関わらず何故か只管謝り続けている。
なんともアリシエーゼらしく無いと思うのだが、いい加減俺も邪魔臭くなって来たのでアリシエーゼの首根っこを捕まえて今もしゅんとしているこの残念娘を自分の方へと無理矢理引き寄せる。
「もうラルファも良いって言ってるだろうが、そろそろ止めろよ」
「じゃ、じゃかッ――」
「じゃがも芋も無ぇよ!お前がその話題を持ち出す度にラルファもリルカも否が応でも色々考えちまうだろうがッ」
「うッ・・・」
俺の言葉に更に縮こまるアリシエーゼだが、漸く聞き分けてくれたのか次第に静かになっていった。
「――ったく、今は任務に集中しろよ。そろそろ定期巡回の時間だろ、お前の番だしシャキっとしろよ」
「わ、わかったのじゃ・・・」
アリシエーゼは大人しく答えて立ち上がる。
今俺達はオープンテラスが備えてあるオサレカフェの様な場所でお茶を飲みながら王宮付近の通りの監視を行っているのだが、このザルドレイクは超絶広い。
人口で言うと移民等も合わせると二百万を超えている。二百万と言う事は、日本のトップテンの最下位の半分とかそれ以上とかそのくらいだと思われる。
帝国は一時期周辺諸国を武力制圧して領土を拡大して行くと言うイケイケな路線が売りだったのだが、ある程度大きくなると一般の軍職以外の人達、つまり農民などをめちゃくちゃ増やす政策を行っただかで人口も爆増する事になったらしい。
なので
二百万居るからそのまま戦時にその二百万が兵隊になるかと言うと決してそうでは無いのだが、 忘れないで欲しいのはこの二百万と言うのはザルドレイクだけでの話だ。
オルフェも百万行くかなぁくらいの人口は居るし、帝国にはこの二都市以外も沢山の街や村がある。
なので帝国全体の人口はもしかしたら一千万を超えるかも知れないのだ。
帝国全体の話は今は良いとして、ザルドレイクの王宮付近を見張りますと言ったところで数人での監視には到底無理がある。
今は俺を含めて三人で王宮付近を見張っているが、俺達の人数は十四人しか居ない。
なのでこの場所を三人三交替とすると、それだけで一日九人が必要と言う事になる。
そうすると残りは五人なので、王宮以外の教会施設の何処か一箇所に残りの人員を割り振ったとしても完全に足が出る計算だ。
更に言えば、この王宮付近と言う曖昧な監視範囲にも文句は色々と付けられる。
広過ぎるので、今居る場所だけでボーっと王宮を眺めていてもハッキリ言って無駄なのだ。
王宮に程近い複数ある通りの内の一本、それもカフェから見える範囲しか監視していないとなればもう、やらなくてもいいんじゃないかと言うレベルなのだ。
「ガバリス大司教の匂いは覚えてるよな?」
当然忘れてはいないだろう?と暗に問い掛ける俺にアリシエーゼは先程よりは元気良く鼻を鳴らしながら答える。
「ふんッ、当たり前じゃろ!」
「ならいいよ、買い食いするんじゃねーぞ?」
「お主かお小遣いくれんから買えないじゃろッッ」
プンスカ怒りながらそう言ってアリシエーゼは雑多な通りへと姿を消した。
俺とアリシエーゼはガバリス大司教の匂いを記憶している。
なので、常に嗅覚を使って周囲に気を配ってはいる。
俺とアリシエーゼ二人分の能力範囲なら多少は広範囲を監視出来る言う事で今日はチームを組んだ訳だ。
しかし広範囲と言ってもたかが知れているのだが・・・
「やっぱり二人は仲が良いんだね~」
「は、はぁッ!?」
アリシエーゼが去った後、暫く無言だったのだが、突然ラルファがらそんな事を言う。
危うく飲みかけていた何だか良い匂いのするお茶を吹き出しかけてしまった。
「ムキになる所も怪しいよね~」
「アイツとは―――そんなんじゃねぇよ」
「ふーん、じゃあどんな関係なんだろうね~」
「勘弁しろよ・・・」
完全にからかいに入っているラルファにジト目を送り抗議するが、そんな事はお構い無しにラルファは広範囲その後も面白がって色々と詮索をして来た。
まぁ、こんな会話で此奴の気が紛れるのならと、昨日のアリシエーゼの失言の意味も込めて少し付き合っていたのだが、その内に他の事が気になり出す。
ってか、何で男二人でこんなオサレカフェで青春ごっこをしてんだ俺は!?
此処は王宮付近と言うこともあり、治安も良ければ訪れる人も大抵は貴族や金持ちだ。
それ目当てで出店している店が殆どなので、サービス、品質も良ければ料金もかなりお高い。
アリシエーゼが大好きな串焼きを露店で売る店など全く居らず、気軽に入れると言ってもこんな今いるオサレな店だったりする。
つまりは俺達は今、完全に浮いているのだ。
ラルファはかなりのイケメンだし―――馴染んでるな・・・
楽しそうに俺との会話を楽しむラルファの装いは完全に余所行きの一張羅だった。
朝活動を開始する段階になって何故かそんな一張羅で現れたラルファを見て俺は「何でそんな気合い入れてんだよ、ププッ」とか言っていたのだが、こう言う事かと朝の発言を激しく後悔した。
ラルファは「だって王宮近くに行くんだよね?」と言っていたが、俺はその時はだから何だとしか思わなかった。
クソッ、そう言う事ならちゃんと言えよな!
目の前のラルファが段々と恨めしく思えて来たが、それよりも俺は周囲の目が非常に気になった。
うぅッ、あの帝国マダムめっちゃ見てるじゃんかぁ
先程からお上品なマダムとそのお友達なのか何なのか、これまたお上品な淑女が二人、テラス席に座りお茶を飲みつつもたまにヒソヒソと此方を見て何か話しているのだ。
それだけでは無い、それよりも近くに座っているお上品な貴族のご息女だかの若い女性二人組は時折、俺とラルファを見ながらヒソヒソと、時にはキャーキャー言っている。
コレはアレだ
俺達きっとボーイズなラブにでも見えてるに違い無い
きっとそうだと一人納得しつつ、段々と居心地が悪くなってくる。
次の別行動はラルファか・・・
ここから離れて別の場所を監視出来れば良いが俺は一番最後なのだ。
次アリシエーゼが帰って来たら店を変えようと決意し、未だに喋り続けるラルファに呆れつつ、適当に相槌を打った。
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