第115話:青春
長めのお話になります。
出来るだけ、連日投稿出来る様に頑張ります。
無理だったら、優しく微笑んでください。
「お待たせして申し訳御座いませんでした。全ての準備が整いましたので、明日、参加する全ての、騎士団、傭兵団含めて代表者が集まり事前の会議をした後、明後日出立となります。つきましては、明日夕刻の鐘が鳴る頃に代表者には、内壱番街に有ります、教会騎士団の屋敷へお越し頂きたい」
「うむ、では此方からはアルアレ、ソニ、そしてドエインが参加するのじゃ」
キッチリ十日後、前回と同じ騎士が大癒館に現れて俺達にそう告げると、アリシエーゼは代表者会議への参加者を指名した。
ドエインは、え?俺?みたいな顔をしていたが、こんな奴でも一応、貴族の端くれなので上手くやってくれるだろう。
「ドエイン?もしかして、ムルラー家の?」
「あ、あぁ・・・」
ドエインの名前に反応して、騎士トマスはドエインを見て言った。
「そうか、姉上のお噂は予々聞いている。だがキミは確か警備隊に所属していた筈だが・・・?」
「まぁ、色々あってね・・・」
「・・・そうか、失礼した。もし良かったら明日色々聞かせてくれ」
「・・・時間が合えばな」
「あぁ。では私はこれで」
トマスとドエインは短く会話して、積もる話もあったのかどうかは分からないが、トマスは気を利かせて会話を切り上げて去ってい行った。
「良かったな。明日は楽しくなりそうじゃねぇか」
「・・・勘弁してくれ。どうせ姉貴の話に決まってる」
ドエインはそう言って、本気で嫌そうな顔をした。
「まぁ、そう言う事じゃ。アルアレ、ソニ、それにドエインも頼むぞ。他の者は明後日に向けて英気を養っておくのじゃ」
いよいよ魔界へと赴く事になり、その日は若干皆緊張が高まり口数少なく夕食を取った。
遂に魔界か・・・
漸く異世界転移らしいイベントが始まる事へ俺は緊張よりも高揚感しか感じないが、今回はあくまで偵察と確認である事と、絶対に安全マージンを取って仲間を危険に晒す事は無い様にしようと改めて思い眠りに付いた。
次の日、朝食を皆で済ませてから部屋へ戻り、何をしようかと思案していると、部屋のドアが突然ノックされた。
ドエインが入口を開けると、そこには明莉が一人で立っており、俺を見ながらドエインと何やら話をし出した。
「旦那、聖女様が用があるってさ」
「ん、どうした?」
俺は不思議に思いながら入口に行き、明莉の前に立つ。
「あ、あの、急にごめんね。ちょっと今大丈夫ですか・・・?」
焦る明莉を不思議に思うが、何かあったのだろうかと考えるが、全然分からなかった。
「うん、大丈夫だけど・・・中入る?」
「あ、いえ・・・その・・・」
明莉はチラチラと俺の後ろを見るので、振り返ると、ドエインがニコニコとしながら俺の後ろに立っていた。
「・・・外行くか」
「う、うん・・・」
何か話し辛い事でもあるのかと気を効かせて俺は明莉と外に出る事にした。
別に遠出するつもりも無く、その辺を散歩する位の気持ちだが、一応、何かあったらと思い俺は急いで装備を整えて準備をする。
その間、ドエインが明莉の話し相手となっていたが、ニコニコするドエインとは対照的に明莉は少し気遅れして会話している様に見えた。
自分を聖女とか言ってくる変人に苦手意識を持つのは当然かと苦笑している間に準備を整えたので、また入口へと向かった。
「ちょっと出て来る」
篤とドエインにそう言って部屋を出るが、篤からは返事が帰って来たのに、ドエインからは何故か返事が帰って来なかった。
「その辺ちょっと歩こうか」
「はい・・・え?」
「うん?」
明莉の驚く視線の先が俺の真後ろだったので振り向くと、そこにはニコニコしながら無言で付いて来るドエインの姿があった。
「・・・え、何お前?」
「ん、何がだ?」
「いや、何がじゃない。何で付いて来るんだよ?」
「何言ってんだ?俺は聖女様の護衛だぞ?傍に居ないと護衛も出来ないだろ」
さも当然の様にそう言うドエインの表情は、まるで俺が間違っているかの様だった。
「いや、何回言えばいいんだ?お前は篤の護衛も兼ねてるからな?」
「いや、しかし聖女様の護衛はどうするんだ。聖女様に何かあったら一大事だぞ」
このさも当たり前だろ感丸出しの顔が非常にムカつく・・・
「・・・そうか、分かったよ。リラに手紙を出す事にしよう」
「・・・え、な、何で姉貴に?」
リラの名前を出した途端、ドエインの表情が明らかに変わり狼狽する。
「お前の弟は言われた任務を私利私欲の為に放棄するのかと。どんな教育をして来たんだと。とりあえずそう聞いてみるか。あ、手紙はデス隊にでも頼めば直ぐに着くかな?」
「・・・私利私欲って、そ、それは無いんじゃ無いか?」
「俺はそう思うから素直にそう伝えるだけだ。リラの事だ、もしかしたら飛んで来るかもな」
ふふんと鼻を鳴らしながらそう言うと、ドエインは恨めしそうに俺を睨み、ちょっとだけ泣きそうになっていた。
「あ、姉貴の名前出すなんて卑怯だぞッ」
「はいはい、嫌ならちゃんと篤を警護しておけって」
俺はドエインを見ずに手をヒラヒラとさせて明莉を促して外へ出た。
いいんですか?と明莉は心配そうにしていたが、アイツはあれくらいの扱いが丁度いい。
年上だけど・・・
宿屋の外に出て暫く明莉と歩くが、街は既に一日の活動を開始しており、活気が少しずつ出ている状態だ。
喧騒とまでは行かないが、活発に活動する街の住民を他所目に俺達はゆっくりと魔界とは反対側へと歩いて行く。
「「・・・・・・」」
お互い何も会話が無いまま暫く歩いていると、不意に明莉の口からか細い声が漏れる。
「・・・あの、暖くん」
「・・・うん、どうした?」
明莉の少し前を歩いていた為、振り返って顔を見ると、泣きそうになりながら無理矢理笑っている。明莉はそんな顔をしていた。
「・・・この世界って何なんですか?」
「・・・・・・」
まさかそんな質問を投げ掛けられるとは思ってもみなかったので、俺は固まって答えられなかった。
「ご、ごめんなさいッ、突然こんな事言われても・・・暖くんだって分からないですよね」
「・・・あ、いや、そのこの世界が何なのかとか正直俺も分からないよ」
「・・・そうですよね」
俺は正直に自分の考えを伝えるが、明莉は黙って俯いてしまった。
明莉が何故このタイミングでこんな質問をしてくるのかが分からず、あまり下手な事は言えないと思ったので、先ずは明莉の話を聞く事にした。
「何か不安な事でも―――って、不安だらけだよな」
「ん・・・そう、ですね。でも何か考えたら、メソメソしてるのは私だけだなって最近思ってて・・・」
「まぁでもさ、篤はなんと言うか、育って来た環境と言うか、アイツ自身が特異だし、アリシエーゼも俺達転移とは違って転生だからなぁ」
「・・・暖くんは?」
「・・・俺?」
「はい。暖くんはその、こっちに来て寂しく無かったですか?帰りたいと思った事は?」
「ハッキリ言って無いよ。あっちの世界に未練なんて無い。そりゃ、時々、食い物とかは恋しくなったりするけどね。チョコとかさ」
そう言って笑うと、最初はキョトンとしていた明莉だが、言葉の意味を理解してそして笑い返して来た。
「それ、分かります。私も時々無性に甘い物が食べたくなっちゃいますよ」
そこから何故か二人で笑いあった。
何だか良く分からなかったが、懐かしさと嬉しさとあと良く分からない物が混じりあって、笑わずにはいられなかった。
明莉も同じ気持ちだったのだろうか。
一頻り笑い合うと俺達はまた何も言わずに歩き出した。
「・・・聞いてもいいですか?暖くんって、向こうに家族は?」
「・・・うーん、居るけど居ない。そんな感じ」
「・・・・・・そう、ですか。じゃあお友達は?学校で仲良かった人とか。そ、その、こ、ここ、恋人とか?」
「・・・はは。俺、学校は行って無い。中学も高校も。まぁでもこの能力のお陰で知識だけは人並み以上にあるから不便は無いけどね」
俺は小学校の途中から学校へは行っていない。
この力に目覚め、そして振り回されたからだ。
家族や友人と距離を置き、暫くすると周りには誰も居なくなっていた。
それで良いと思っていたし、寧ろそうしないと俺がどうにかなりそうだったし、きっと自己防衛だったのだろう。
「え、それって・・・仲の良いお友達は?」
「・・・いないよ。だから地球になんて本当に一欠片も未練は無いんだよね。だから、明莉の気持ちは、正直慮ると言うか、想像するしかない」
「・・・でも、それって私をその、心配してくれていて、気にかけていてくれてるって事、だよね?」
「・・・そうだけど、でも―――」
「優しいね、暖くん」
そう言った明莉の顔は慈愛に満ち満ちていて、同時に何だか全て見透かされている様な気がしてハッとした。
「や、優しいとか・・・俺には一番似合わない言葉だな」
俺は自嘲しながらそうボヤくが、それでも明莉の表情は変わらなかった。
「暖くんに見付けて貰って良かった」
明莉と篤は以前、盗賊団に捕まり商品として運ばれている最中に俺達が助けたのが出会いとなるのだが、今思えば俺達の出発が一日でも遅れていたらきっとあの場で出会う事は無かっただろう。
「地球から転移したのは俺だけだと勝手に思ってたから、衝撃的だったよ」
「うん、きっと神様がいきなりこっちに転移させちゃったからってそうしてくれたんだよ・・・」
それはどうだろうと思った。
隼人は敵地のど真ん中に転移させられた様だし、俺達地球人の事を慮ってとか、憂慮してだとか、そんな事を考えてくれるならそもそもこんな危険な所に転移させたりするだろうか。
そんな事を思うも、それを明莉に言った所で仕方が無いので俺は口に出掛かったそんな思いと言葉を飲み込む。
「・・・そうかもね。でも明莉はやっぱり地球に帰れるなら帰りたいだろ?」
「・・・そうだね。お父さんもお母さんもきっと心配してるだろうし。でも―――」
そこで言葉を区切って明莉は一度立ち止まり、天を見上げて眩しそうに目を細める。
垂れ下がる髪を右手で耳に掛けたその仕草は、妖艶でとても大人びた様に見えた。
「―――此処には暖くん達がいる」
そう言って笑ったと思った明莉は今度は急に暗い表情になり俯いた。
なんと言うか、感情の起伏が激しいと言うか、情緒が不安定と言うか、その様子を見ていると少しだけ不安になった。
「・・・なんて言うか、彼奴らってすげぇ良い奴らだろ?純粋と言うか素直と言うか、地球では俺はその人間臭さみたいのがあまり感じた事無いんだけど、こっちの人達はさ、何かそんな感じなんだよ。言ってる事伝わるかな?」
「・・・うん、私も感じる、かな。だからなんだと思うんですけど、前にアリシエーゼちゃんが言ってた、この世界の人達の命の価値は地球よりも凄い低いって話。あれ、本当にそうなんだなって実感しちゃうんですよ」
そう言えば前にそんな話をしていたなと思い出すが、確かにそうかも知れない。
この世界では、力が無ければ平気で普通に当たり前に人が死ぬ。
「そう言うのはやっぱり慣れないよね?」
「そう、ですね・・・でもね、さっきも言いましたけど、だからこそ、暖くんに出会えて良かった」
とびっきりの笑顔でそう言った明莉に思わず心臓が高なった様な気がした。
「・・・そっか、なら良かったよ」
それ以上気の利いた言葉が出て来ない自分自身に嫌気が差したが、明莉が自分自身でこの世界や自身の感情に折り合いを付けられたのだろうと思うと心から良かったと思えた。
「・・・ふふ、やっぱり暖くんは笑顔が似合ってる」
やめてくれ・・・
恥ずかしさで爆発しそうだ
「勘弁してよ・・・俺、自分の笑顔が心底嫌いなんだ」
「どうしてです?」
「・・・単純に似合わないって思っちゃうんだよね。だから、心の底から笑うのが苦手って言うか・・・」
「えー?勿体無いですよッ、すごい可愛いですよ?」
「え、可愛い・・・?」
「あッ・・・そ、その違くてッ、笑顔も素敵だと思いますッ!」
明莉は突然、周囲に人がいるにも関わらず、耳まで赤くしてそう叫んだ。
通行人からは奇異な眼差しや、冷やかしの様な視線を受け、俺まで恥ずかしくなって来たので、笑顔が似合っていると言う明莉の言葉に返事はせず、とりあえず歩こうと先を促した。
「な、何かすみません・・・」
「い、いや、大丈夫」
少し歩くと、外肆番街のメイン通りに入り、食べ物を売っている露店が立ち並ぶエリアが見えて来たので、二人で沈黙のまま何を買うでも無く冷やかして歩いた。
ホルスの街には、外肆番街だけで無く各エリアに大体こう言った露店が立ち並ぶ一角が存在していて、それぞれで店の数や売る物も違いがあるのでそれを目当てに街を歩くのも俺は好きだった。
クソ聖女に十日も待たされたからなぁ
暫く二人で露店を見ながら歩いていると、食欲を唆られる香りの中に何だか甘ったるい匂いが交じっている事に気付く。
俺はクンクンと鼻を鳴らしながら其方の方に近付いて行った。
「は、暖くん・・・?」
突然犬の様に鼻を鳴らしフラフラと彷徨う俺を見て、明莉は心配そうに声を掛けるが、それに応える事無く歩を進めた。
「おぉ!?何だこれ!?」
辿り着いた先の露店の店先に並べられている物を見て、俺は思わずテンションが上がり叫んでしまった。
「・・・え、なんですか?」
俺の後ろから明莉が覗き込むが、木箱を並べて作ったカウンターの様な台の上に木串が二十本ほど立てて並べられており、串の先には黄色やオレンジの半透明の板の様な物がくっ付いている。
「こ、これってまさか・・・」
俺はそう呟いて徐に串に手を伸ばそうとすると、カウンターの奥から厳ついオッサンが声を掛けて来た。
「おっと、坊主。先にお代を払ってくれ」
そう言って手で俺の行動を制して言ったオッサンは、ニッと笑って露店の前にある看板を指差した。
甘い!
酸っぱい!
美味し~い、果実飴!
一本、中銅貨一枚
「・・・・・・」
小銅貨では無く中銅貨・・・?
「え!?これって・・・べっこう飴ですか!?」
明莉も店先に飾られている果実飴を見て驚いていた。
「色が付いてるし、果実飴って言ってるから砂糖だけじゃ無くて果汁とかも入ってるんだと思うけど、ちょっとビックリだよね」
黄色とオレンジなので、レモンとオレンジ味なのだろうか。
「凄い!食べたい!」
明莉は急にテンションがぶち上がったが、俺もかなり上がっている。
「おっちゃん、とりあえず一種類ずつ頂戴!」
俺は硬貨の入った革袋の内の一つを取り出して、その中から中銅貨を二つ取り出して渡した。
金貨と銀貨、銅貨で入れる袋を分けているのだが、そうして正解だと思った。
一々買い物で金貨を使っていたり、釣り銭の量がエグい事になりそうだったので、ヨシヨシと心の中でほくそ笑みながら、意識を果実飴に戻す。
オッサンから飴を二つ受け取り、俺は明莉の前にその串を差し出す。
「どっちの味を食べたい?」
「えッ!?いいんですか!?じゃあ、オレンジがいいです!」
この後に及んで俺が一人で食べるとでも思ってたんだろうか・・・
俺はオレンジ色の飴を明莉に手渡し、残った黄色い方を直ぐに舌で舐めてみた。
「甘い!でも、ちょっと酸っぱさもある!」
思った通りの砂糖とレモンの味だった事と、甘い物が恋しいねなんて話をしていた矢先にこんな懐かしく、甘い味の物に出会えた事で俺のテンションは最高潮に達していた。
「こっちも、オレンジの味ちゃんとしますよ!こっちでもべっこう飴ってあるんですねぇ」
明莉もペロペロと飴を舐めつつそう感慨深げに呟くが、俺達二人はその後も黙々と飴を舐め続けた。
周りから見れば、こんな道のど真ん中で何かやってんだと思っているのかも知れないが、そんな事は正直どうでも良かった。
それから俺達は飴を舐めつつ他の露店も見て行く。
そんなに大きく無い果実飴は直ぐに無くなってしまい、そうするとまた二人の間に沈黙が訪れた。
飴を見付けた事でテンションが上がりまくって忘れていたが、結局明莉は何の話をしたかったのだろうかと思ったが、よく分からなかったので俺は隣を歩く明莉を見て聞いた。
「そう言えばさ、明莉が話したかった事って?」
「えッ!?あ、うん・・・何て言うか、最近、こう言う話ってあまりして無かったなって思ったから」
「・・・そうか」
「・・・うん」
急にモジモジしだす明莉を見ながら、俺は何気無く言った。
「明日からの事、不安かも知れないけど、明莉は俺が護るからさ、絶対に」
「ふぇッ!?」
俺の言葉に何故か明莉は挙動がおかしくなり、ワタワタとしだした。
黒髪で女性にすると背が高く、どちらかと言えば可愛いより綺麗な印象の明莉がそんな動作をする事に可笑しくなり、俺は吹き出して笑った。
「ぶッ!何だよ急に。どうした?」
「も、もう!不意打ちは卑怯ですよ!」
顔を真っ赤にしながらバシバシと俺の腕を叩く。
「お、おい、何だよ?」
俺は訳が分からず混乱するが、明莉はうーうー言いながら俺の腕を叩き続けた。
「・・・は、暖くんこそ、さっきの質問はどうなんです!?」
「え、質問??」
「そ、そうです。そ、その・・・暖くんって彼女、さんはいる―――いたんですか?」
「ふぇッ!?」
突然の明莉の質問に今度は俺が変な声を出してしまったが、そう言えば最初に聞かれた気がするなと思い出した。
「い、いや、彼女とか・・・そんなのは居ないよ」
「・・・そうなんですか。へぇ、そうなんですね」
な、何だ?
何が言いたいんだ?
俺は混乱した頭で色々と考えるが、一つの答えが頭を過ぎる。
え、まさか・・・
あれ、これってフラグ立ってる?
恋愛経験が乏しい俺が行き着いたその答えに、俺自身が否定を返す。
いやいや、そんな有り得ないだろ?
何で俺なんか・・・って言うか、出会ってまだそんな経って無いし
いやいやと心の中で考えを否定していると、明莉は更に顔を赤くして言った。
「じゃ、じゃあ、この世界から地球に戻れないってなったらその、これからも皆で一緒です、よね・・・?」
「う、うん、そうしたいと思ってるよ・・・?」
それを聞いた明莉は今度は輝く様な笑顔で笑った。
「・・・そっか、ずっと一緒だね!」
「・・・・・・」
ちょっと卑怯ですよ・・・
そんな笑顔・・・
好きとか嫌いとか、恋愛感情に関しては良く分からないが、少なくともその笑顔を見て俺は心の底から護りたいと思った。
それから俺達は適当に街をブラ付き、昼前には宿屋へと戻った。
昼飯を外に食べに行こうと俺達が帰って来るのを待っていたらしく、戻って早々また街へと繰り出す事になった。
皆で何処にしようかと街を歩きながら話していると、アリシエーゼが不意に呟いた。
「あー、串焼きもたらふく食べたいんじゃが、なんじゃか今日は甘い物も食べたい気分じゃのー」
「・・・」
「甘い物ですか?」
アリシエーゼの言葉にアルアレが反応する。
「領都に行けばそれなりに、そう言った菓子の様な物を出す店があるって聞きますよ」
パトリックが流石にこの街では無いんじゃないかと言うと、アリシエーゼはそれを否定する。
「そんな、畏まった菓子の様な物じゃなくてええんじゃ。こう、飴の様に?ペロペロと舐めながら街を歩ける。そんな気軽な物が食べたい気分なんじゃよなぁ」
「・・・」
アリシエーゼの言葉に俺と明莉は黙って俯き歩く。
「・・・アマクテスッパイノガタベタイ」
ユーリーまで・・・
「そうじゃなぁ、甘酸っぱい、青春味みたいな物がええのう」
バレてました・・・
実はですね、下の方に☆☆☆☆☆ってところがあるんですよ。
これ秘密なんですが、一番右の☆を押すとなんと!
一瞬で★★★★★に変化するんですって!
そんな訳で、評価、ブクマ等頂けるとやる気がムクムク湧きあがります。




