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異端の紅赤マギ  作者: みどりのたぬき
第3章:雷速姫と迷宮街編
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第114話:最後

出来るだけ、連日投稿出来る様に頑張ります。

無理だったら、優しく微笑んでください。

 結局、クソ聖女がホルスに到着したのは、俺達のが到着してから四日後の事だった。


 チンタラしやがって・・・


 ホルス内にあるクソ聖女騎士団の拠点は内壱番街の一等地に有り、俺達の拠点となっている宿屋の情報等はアルアレが連絡済みとなっている為、彼処からの連絡を待っていたが、昼間に到着した聖女達からは夕方になっても連絡が無かった。


「声掛からなかったね」


「・・・あぁ」


 パトリックは残念そうに夕食の席で俺に言って来たが、思い出すと食事が不味くなるので止めて欲しい。


「色々とお忙しいのでしょう」


「とりあえず、明日の昼までに連絡無かったら乗り込むわ」


「そ、それは・・・」


 アルアレのクソ聖女贔屓は相変わらずだが、早く魔界に行ってみたい衝動が抑えられそうに無いので俺はアルアレにそう宣言した。

 今は拠点としている宿屋、大癒館の食堂で皆集まっての夕食の時間だが、全員が買い出し等はほぼ済ませており、情報収集も大体終わっているので今日は特に情報共有も大した話が無く終了している。


「だけどよ、今回の魔界攻略に参加する傭兵の数が少ないみたいじゃねぇか。これ、ここで暫く募集とかするんじゃねぇの?」


 ナッズはそう言ってつまらなそうにボア肉の腸詰をフォークで刺して頬張る。


「それは有り得るでしょうね」


「おいおい、マジかよ。これ以上待たされるってのか?勘弁してくれ」


 俺は隣でボア肉と野菜の串焼きを両手一杯に持って一心不乱に食い進めるアリシエーゼから、串焼きを一本奪ってそうボヤいた。


「あッ!何するんじゃ!」


「それはこっちの台詞だ!これは皆で食う為に頼んだ物で、お前専用の料理じゃねぇよ!」


「また頼めば良いでは無いかッ、ケチ臭い奴じゃ!」


 そう言ってアリシエーゼは持っていた串焼きの具材を一本分丸々と口の中に詰め込んだ。


「・・・んで、何で今回はそんな人が集まらないんだ?やっぱりあのクソ聖女だからか?」


「・・・違います」


「何で分かるんだ?」


 アルアレがジト目で否定してくるが、人が集まらない理由なんて、それ以外考えられない。


「最近、大手傭兵団の魔界へのアタックが調子がいいんですよ。かなり成果を上げているらしいので、それが主な原因だと思われます」


 あぁ、そう言う事か


「成程ね、でも確かにそうだよね。クソ聖女に着いて行って、金にも成らない勇敢に戦いましたって称号だけと、ダンジョンに潜って名声も富も手に入れるのどっちがいいって言われればそりゃあね」


 俺の言葉にアルアレはバツの悪そうな顔をするが、アリシエーゼが助け舟を出す。


「そう言ってやるな。昔はそんなお主の言う金にも成らんもんの為に命を賭ける者が多かったそうじゃ」


「聖女様と共に魔界の攻略を目指す。そこには教会の意思等殆ど混在しません。勿論、教会の教義の根底に関わって来る事では有りますが、傭兵団にとってはそれは二の次です」


 昔はな、と思ったが口に出すのは止めておいた。

 ただ、確かにクソ聖女の人気が無いと言う事も勿論あると思うのだが、それにも増して思う所が出て来た。


「つまりは、最近の傭兵共は日和ってる奴らばっかりって事だな」


「有り体に言えばそうじゃな」


 俺の言葉にアリシエーゼは涼しい顔をして答えたが、他の傭兵の面々は何とも複雑そうだった。

 アルアレなんかは何やかんやで結局聖女一団と途中までではあるが魔界に挑む訳だし、出来るなら最後までとか思ってそうだ。


 まぁ、クソ聖女なんかにアルアレを預ける金属は更々無いんだけどな


 そんな話をしつつ食事をしていると、俺達のテーブルに宿屋の従業員である女性が近付いて来て、一番近くに居たソニに耳打ちをした。

 因みにこの女性、メイド服―――では無いが、普通の青竹色(あおたけいろ)のブラウスに紅梅色(こうばいいろ)のロングスカートと言う出で立ちで、腰上の辺りから足首の上くらいまでの白いエプロンをしている。

 なんと言うか、メイド服の前身と言う様な感じだ。

 女性から耳打ちされた内容をソニはアリシエーゼに向けて報告した。


「教会騎士団団長のダグラス様より言伝を預かっていると言う騎士が一人お見えの様です」


「・・・そうか、通して良いぞ」


 アリシエーゼがそう言うと、ソニは女性に無言で頷き、女性は頭を下げてそのまま下がった。


「・・・おい、舌打ち野郎だったらどうすんだよ」


「舌打ち・・・?あぁ、彼奴か。まぁ、それなら好都合じゃろ。次いでに明莉の能力の事は忘れて貰えば良かろう」


「確かに!アリシエーゼの癖に中々良い所に気付くじゃないか!」


「・・・じゃからお主は一言余計じゃぞ、いつも」


 ぐぬぬと唸るアリシエーゼを他所目に明莉の方を見ると、此方を見て全力でうんうんとアリシエーゼの言葉を肯定していた。

 何だかなと思いつつ、使いっ走りの騎士を待っていると直ぐにやって来た。


「お食事中失礼致します、私はダリス中央方面軍教会派遣団所属騎士、トマス・ラウダークと申す者です。ダグラス騎士団長より言伝を預かって参りました」


「・・・・・・」


 俺はイヴァンじゃねえのかよと心の中で舌打ちし、明莉は俯いてしまった。

 そんな様子をアリシエーゼがジト目で見るが、それをトマスは不思議に思った様で、少し戸惑いながら続けた。


「あ、あの、タイミングが悪かったでしょうか・・・?」


「・・・ん、いや、大丈夫じゃ。して、言伝とは?」


「はい、本日聖女様がホルスに到着致しました。本来なら直ぐにでも不浄なる地の浄化に向かわれる手筈だったのですが、このホルスの地で教会からの任務を聖女様が承ったとの事で、そちらが済むまで、暫しお待ち頂きたいとの事です。」


「・・・ふむ、その任務とやらはどれ程で完了する予定じゃ?」


「十日程掛かる見込みであると聞いております。任務が完了し此方の準備が整い次第またお声を掛けさせて頂きたく」


 巫山戯んなッ!

 十日なんて待てるかッ


「おい、ふざけ―――」


「あい、分かった。因みにじゃが、任務とはどう言った物か聞いても?」


 俺の言葉を遮り、アリシエーゼは騎士との会話を続ける。

 何か考えがあるのかと俺はとりあえずアリシエーゼに従う。


 ムカつくが


「・・・明日、魔界の入口付近で聖女様が演説を行う予定と聞いております。その後の事は私は聞かされておりません」


「そうか、分かった。ご苦労じゃった。騎士団長と聖女様にも同意の旨伝えてくれ」


「はい、有難う御座います。それでは」


 そう言って騎士は去って行った。


「と言う事じゃ。暫く暇になるが、致し方あるまい」


「・・・何でそんなの待つ必要あるんだよ」


 俺は不満気にアリシエーゼそう言うと、アリシエーゼは一つ息を吐き、俺に顔を向けて言った。


「別にあの聖女とやらの肩を持つ気も、これからやろうとしている事への理解を示す訳でも無いがの、準備くらいは整えさせてやっても良いじゃろ」


「だから何でだよ?元々予定を立ててんだから、準備なんてそんな掛からないだろ」


「想定外に人員が集まらないと言うのが一番じゃと思うが、それよりも何よりも、最後なんじゃ」


「最後?」


「聖女もそれ以外の者も、この世界での生、自身の人生の最後じゃよ。言ったじゃろ、これに参加したら死ぬんじゃ。じゃったら心残りを成る可く残さぬ様に準備をさせてやる位はしてやるのが人の情けと言うものじゃろ」


「・・・・・・」


 そう言われてしまうと何も言えなかった。

 ただ、そんな事は言われるまでも無く分かっていたし、考えなくは無かった。

 でも、何でだろうか。そんな事はどうだって良いと思っていた自分が居るのも事実であり、人外のアリシエーゼに改めて言われると、俺が人では無いと言われている様で無性に腹が立ち、同時に悲しくなった。


「じゃからな、これに参加する者は自由意志で参加させるべきじゃ。間違ってもお主の力で強制はしてはならん」


「・・・んなの分かってるよ」


「本当かのう、明日の演説に乗じて参加者増やそうとか考えておったんじゃ無かろうのう?」


「・・・うッ」


 アリシエーゼの癖になかなか鋭いじゃねぇか・・・


 まぁ、ただ、アリシエーゼにここまで言われたら俺もどうこうする気は無い。

 仕方無いので大人しくクソ聖女共の準備が整うのを待つ事にした。


 次の日、俺は一人で街を適当にぶら付き、宿屋の近くに戻って来ると、街の人が聖女の演説の話をしているのを耳にする。

 丁度始まったらしく、特に何を思った訳では無いが、時間もあるし少し様子を見に行く事にした。

 内壱番街の端は外壁が大きくくり抜かれた様に隙間が空いていて、人が並んで十人位は通れるが、魔界への入口も入口自体はかなり広く、そこからホルスの街へ向けて石畳で整備された道が二百から三百メートル程続いている。

 その途中に両端に大きめの詰所の様な建物が道を挟む様に左右に建っていて、沢山の兵士が全ての通過者のチェックをしているのが分かった。

 行きも帰りもかなり厳重にチェックを行っているが、今日は魔界へ入る者も帰って来る者もあまり居ない様だ。

 それは、魔界の入口へと伸びる整備された道をのホルス寄りで特設会場の様な物が建っており、そこで聖女が熱弁を奮っているからに他ならない。


 聖女は熱く語り、冷静に諭す。

 俺の心が揺れ動く事は無いが、熱量は伝わって来た。

 聴衆はその熱に当てられた者も多いだろうが、それでも、ここから参加に方針を転換する者が一体どれ程いるのだろうか。

 ただ、聖女は何時に無く必死だった様に思う。

 昨日のアリシエーゼでは無いが、ここでどれ程の人間の心を揺さぶる事が出来るかが、自身の生存確率を上げる―――いや、どんな死に方になるかが決まるのかも知れない。

 最後まで護られて、足掻いて死ねるか、それとも蹂躙されて唯意味も無く死ぬか。

 単純に数は力だ。

 それはこの世界でも地球でも不変の事実だろう。

 その力を手に入れられるかどうかでもしかしたら―――そんな淡い期待を抱く事が出来るかも知れないのだから、今ここで形振り構わず足掻くその姿は少なくとも俺には滑稽とは思えなかった。

 が、周りを見ると、冷めた目で見る者や、聖女の語るその話を鼻で笑う者もら少なからず居るのは事実であった。


 まぁ、一緒に死にに行かないかと言っているのは事実だしな


 演説の途中であったが俺はその場を後にした。

 その後は特に何もする事が無かったので、デス隊を呼び出し、まだ未着手であった資金集めのターゲットの情報を聞き、無意味に金を奪い、そして鼠小僧の真似事をした。

 デス隊はまだ装備を整えていなさそうだったので、全員にそれぞれ革袋二つになる様に金貨を分配して、ある事を頼んだ。


「ちょっとさ、ハイスタード帝国側の街の中でも装備を探して来て欲しいんだ。俺と明莉は魔力が無いからさ、そんなんでも扱える良い感じのものがあったら頼むよ」


「成程、分かりました。何か有れば購入して来ます」


「うん、出来れば外套とかがいいかな。それと、俺は良さげなブーツが有れば欲しいかな。別に魔導具(マジック・アイテム)じゃなくてもいいからさ」


 そう注文すると、デス隊は俺の足のサイズだけ少し調べるとハイスタード帝国側へと向かって行った。

 特に何も言わなかったが、帝国側へはどうやって行くつもりだろうかと思ったが、今更そんな事心配しても仕方が無いし、別にアイツらならどうとでもなるのだろうと一人で笑った。





「またですか!?事前に連絡をしてくれと言いましたよね!?」


 無断でアルアレ達の部屋に金貨の入った袋を大量に追加した為、その夜はアルアレに本気でキレられた。


 アルアレも怒ると怖いな・・・


実はですね、下の方に☆☆☆☆☆ってところがあるんですよ。

これ秘密なんですが、一番右の☆を押すとなんと!

一瞬で★★★★★に変化するんですって!

そんな訳で、評価、ブクマ等頂けるとやる気がムクムク湧きあがります。

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