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異端の紅赤マギ  作者: みどりのたぬき
第3章:雷速姫と迷宮街編
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第106話:本性

出来るだけ、連日投稿出来る様に頑張ります。

無理だったら、優しく微笑んでください。

「分かったよ。この傭兵団、豚の尻尾だったっけか?ここは人員の教育も禄に出来ない無能傭兵団って事だな」


 そう言って俺は踵を返して、手を降って扉へと向かって歩いて行った。


「き、貴様ッ!今何と言った!?」


「舐めてんのかテメェ!!」


 壮年の男とその後ろに控えていた若めの傭兵が俺の言葉に反応して怒声を上げるが、俺はそんものは気にも止めずに扉を開けて表へと出た。


 さて、先ずは宿屋で部屋の確保しますかね


 そんな事を思って、収集した情報を頼りに大癒館へ向かおうと思っていると、龍の尻尾(ドラゴン・テイル)の建物から傭兵二人が慌てて飛び出して来た。


「待てコラァ!テメェこのまま帰れるとでも思ってんのか!」


 若い方の傭兵が俺に向かってそう息巻くが、それを壮年の傭兵が諌める。


「少し待て」


「けどッ!」


「いいから。お前、自分が都合悪くなったら逃げるのか?」


「あぁ?」


 何言ってんだ、このオッサン

 ちょっとイラっと来たぞ


「そうだろうが。順番がどうの、殺されそうになっただの嘘を並べて、お前の発言が嘘と分かると逃げてるだろ」


「話になんねーぞ、オッサン。俺の言った事が嘘だと何故決め付ける?」


「ナーシャが怯えながらもそう証言してくれたし、状況から見てもお前が突然ボルグを襲ったのは明らかだろう」


 いや、マジでイラ付いて来たぞ

 どうしてくれよう


「つまりだ、お前は自分とこの奴がそう言ってるからそれが全て正しい、俺の言う事は全て嘘で間違ってると言いたいんだな?」


「そうは言って無い。しかし―――」


「言ってんじゃねぇか。違うなら何でお前んとこの奴以外の証言を取らない?いっぱい居ただろ、フリーの奴らがよ」


「だから、状況はどう見ても―――」


「あー、もういいって。ダリスでもかなりの団員数が居る結構有名な傭兵団って聞いてたんだけどな。末端の人間の教育すら出来ない唯の出来損ないの集まりってだけだったのは分かったよ」


 とりあえず俺は急いでんだよッ

 アリシエーゼにグチグチ言われちゃうだろッ


「何だと貴様ぁっ!!」


「ほらな、都合が悪くなれば恫喝紛いの事をする。あっ!駄犬みたいな奴らが集まってるから、犬の尻尾って名前なのか!」


 俺は大袈裟な身振りを付け加えてそう言うと、遂に我慢の限界に達したのか、若い方の傭兵が腰のロングソードを抜いて俺に斬りかかって来た。


「―――あッ!?ホリー!待て!!」


 壮年の傭兵が止めようと声を上げるが、ホリーと呼ばれた若い傭兵はその声が耳に入っていないのか、止まらなかった。


 先に抜いたのはお前だからな


 俺はニヤリと笑ってそう思いながら、次いでだからその目障りで分不相応の看板を降ろして貰おうかと考えた。

 ホリーは袈裟斬りを狙い俺の手前で制動を掛けて右手を振り上げた。


「どーんッ」


 俺は素早く中腰の態勢となり正拳突きの要領でホリーの鳩尾に右ストレートを放つ。


「ッ!?」


 まだ振り上げた腕を降ろす動作にも入っていなかったホリーは真面に俺の攻撃を喰らい、一瞬で肺に溜め込んだ酸素を一気に吐き出そうとするが、上手く吐き出せなかった様で身体をくの字に曲げた。


「よッ」


 目の前で崩れ落ちそうになっているホリーの身体を俺は勢い良く蹴り上げた。


「―――ッ」


 身体を蹴り上げられたホリーはそのまま真上に跳ね上がり数メートル浮いた。

 俺は着地と同時に更にジャンプしてホリーと同じ位置まで到達すると、空中でクルリと身体を回し、その反動を利用して空中での後ろ回し蹴りを既に意識を刈り取られてガラ空きだったホリーの胴体にぶち当てる。

 蹴りを喰らい吹き飛んだホリーは、龍の尻尾の建物に取り付けられていた、木製の巨大な団名が彫られている看板に突っ込んで行き、凄まじい音と共に衝突してその看板をへし折り、共に落下する。


 狙い通り!


 俺は着地しながらその結果を見届けて、全て狙い通りになった事に気分の高揚を感じた。


「・・・・・・・・・」


 一連の動きを目で追えていたのかは分からないが、見ていた壮年の傭兵は、ホリーが看板と共にグシャリと音を立てて落ちて来て漸く身体の硬直が解除された様で、ホリーが落ちて来た辺りを振り返りそして叫んだ。


「ホ、ホリィィィッ!!!」


 その様が何だか妙に可笑しくて俺は笑い転げてしまった。

 ヒーヒー言いながら息を整えていると、壮年の傭兵はホリーを腕に抱きながら俺をキッと睨んだ。


「貴様ッ!!何をしたのか分かっているのかぁ!!」


「うん?殺られそうになったから自分の身を守っただけだが?」


「巫山戯るな!!よくもこんなッ・・・」


 壮年の傭兵はホリーに一度目を落とし、それからゆっくりと抱えていたホリーの頭を地に下ろす。

 壮年の傭兵は俺に向き直り言った。


「ホリーは死にかけているぞッ、この落とし前どう付けるつもりだ!!」


 はぁ?


「何言ってんだお前、マジで。其奴が街中で先に抜いたんだ。それで返り討ちにあったってだけだろ」


「死にかけてんだぞ!!」


「お前らマジで情けねぇな・・・何かもうどうでもいいや。とりあえず大層な名前の傭兵団みたいだけど、目障りだからその分不相応な看板は降ろしとけよ―――あッ、もうへし折れてるか!」


 俺は割れて地面に落ちている、団名の掘られた看板を指差してワハハと態とらしく笑った。

 その瞬間、壮年の男は腰のロングソードを抜き放ち、臨戦態勢を取った。


 ほいッ


 俺は心の中でそう言って、壮年の傭兵の動きの一切を止めた。


「ッ!?」


 壮年の傭兵は自分に何かされた事に気付き、何かを言おうとするが、それすらも許可をしていない為、剣を抜き中腰の態勢のまま、唯々その場に存在するだけの彫像に成り下がっていた。


「とりあえずお前、そのまま五時間くらい待機な。あ、一応、瞬きとか呼吸とかは出来る様になってるから安心していいぞ」


 周囲にはどんどんと野次馬が集まってくるが、壮年の傭兵は表情を変えず、一言も発せず、ただその場に留まるのみであったが、俺は構わず続ける。


「とりあえず、今回は死なない様にマジで手加減してやったけど、次やり合うなら本気で殺すから覚悟して来いよ。その覚悟が出来てんなら何時でも相手になってやるよ」


 そう言って俺はその場から立ち去った。

 先ずは大癒館へと思いそちらに向かって歩いて行くが、途中で今回の出来事に関して振り返る。

 大立ち回りをして、それなりに気分も晴れた。


 たぶん、こう言う立ち回りが今までの俺だよな?


 実際、地球に居た頃は気に食わない事があれば必ず自分の思い通りに修正して来たし、喧嘩を売られれば全て買って来たし、何よりも全て一人で、誰にも頼らず、友人、ましてや仲間と呼べる存在など居らず全て一人で好きな様にやって来た。


 こっちに来て、俺なんだか変わったか?


 アリシエーゼ達と共にして、確実に以前では考えられなかった感情が芽生えて―――呼び起こされた様な気がした。


 でも悪い気はしない、かな・・・


 傍若無人な振る舞いがしっくり来るのは確かだが、同時にこの異世界に来てからアリシエーゼ達に対して抱く感情もまた自分自身の中の一つの()()なのだろうと思った。


 まぁ、どっちも俺って事でいいか


 そんな事を思って一人ニヤ付きながら、俺は大癒館へと急いだ。


実はですね、下の方に☆☆☆☆☆ってところがあるんですよ。

これ秘密なんですが、一番右の☆を押すとなんと!

一瞬で★★★★★に変化するんですって!

そんな訳で、評価、ブクマ等頂けるとやる気がムクムク湧きあがります。

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