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異端の紅赤マギ  作者: みどりのたぬき
第3章:雷速姫と迷宮街編
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第103話:夢

出来るだけ、連日投稿出来る様に頑張ります。

無理だったら、優しく微笑んでください。

 パカリパカリと馬の蹄の音が鳴り響き、その音と振動が伝わる度に俺に頭痛と吐気が襲い掛かる。


「・・・うぅ、この速度でもやっぱりキツい」


 俺は何度目かも分からない弱音を吐いた。


「・・・ヤスム?」


 俺の前に馬に跨るユーリーが俺の顔を見上げて心配そうに言った。


「何時もの速度にしておらんのじゃから我慢せい!情けないッ」


 俺の近くに馬を寄せて来たアリシエーゼが吐き捨てる様に言うが、アリシエーゼも結構飲んでたはずだよなと思い、ゆっくりとアリシエーゼに顔を向けて聞いた。


「・・・お前も結構飲んでたのに、何でそんな平気なんだ?」


「アルコール何ぞ毒素じゃぞ?不死であるヴァンパイアの妾に毒等効く訳が無かろう?」


「・・・え、じゃあ何で俺はこんな気持ち悪いんだ?」


「・・・知らん」


 おい・・・

 適当言ってんじゃねぇぞ


 そんな問答をしている間も俺には頭痛と吐気が襲って来ていて、刻一刻と限界が近付いて来ているのを感じた。


「姫様、今日はここまでとした方が良いのでは」


 俺の体調を心配してアルアレがアリシエーゼに提案する。


「まだ日は高い。もう少し進んだ方が良いじゃろ」


 アリシエーゼは渋るが、そこに更に援護射撃が加えられる。


「ですが、ここで無理をしてまで進む事も無いのではないでしょうか。ホルスに着いてからが本番なのですし」


「そうですよ。こんなに辛そうなハルくん初めて見ましたよ?」


 ソニとパトリックだ。


 なんだ、神はこんなに近くに居たのか

 三人も

 あ、三柱か


「うーむ・・・まぁ仕方が無いか。妾は優しいから今日はここまでにしてやるぞ。妾は優しいからの」


「・・・アリガトウゴザイマス」


 お前が優しい訳じゃ無いし、二回も同じ事言うな、しかも嘘をなんて言葉を出す口にする余裕も無く、俺は機械的にお礼を言って直ぐに馬から降りた。

 ユーリーを抱き降ろすだけでも精一杯で、馬を仲間に任せてフラフラと街道から離れる様に歩いた。

 他の仲間も馬から降りて馬を引いて歩いて、街道から少し離れた野営に適した場所を見つけて俺をそこまで先導してくれた。


「野営の準備しちゃうから座ってなよ」


 パトリックがそう言って俺を座らせる。

 少し肩を借りながら俺は座り俯いた。


「・・・うッ、情けねぇなぁ」


 俺はそうボヤくとパトリックが笑いながら返して来た。


「仕方無いよ。僕も最初は吐きまくったよ」


「・・・そうか」


「僕は準備してくるけど、辛かったら横になってた方がいいよ」


「・・・そうさせて貰う」


 パトリックはそう言って立ち上がり俺の元から離れた。

 パトリックが離れて直ぐに俺はその場に横になり、ふーふーと荒く息をしながらも、急激に眠気が襲って来るのを感じる。



「・・・ダイジョウブ?」


 俺が眠気を感じていると、頭の方からユーリーの声が聞こえて来たので顔を向けようとしたが、それすらも億劫だったので、返事だけを何とか返した。


「・・・うん、だい、じょ・・・ぶ」


 そして俺は意識を手放した。


















「・・・んぁ」


 どれくらいの時間が経過しただろうか。

 身体の冷えを感じて目を覚ますと、辺りは一切の光源も確認出来ず、自身の身体を確認するのも一苦労な程の暗闇に包まれていた。


「・・・なんだ?みんなは?」


 様子がおかしいと思い、地面に手を付けて起き上がろうとして、手から伝わる感触に違和感を覚えた。


 妙にゴツゴツしてる

 街道から逸れた草原に寝そべったはずだけど・・・


 誰かが俺の寝ている間に移動してくれたのだろうか?と思いながら腕に力を込めて起き上がろとした。


「―――痛ッ!?」


 起き上がろうと状態を起こすと直ぐに頭が何か硬い物とぶつかり、突然の痛みに俺は身を硬くした。


「え?なんだよ?」


 訳が分からず俺は目の前も全く見えない状態から上下左右を手探りする。

 すると直ぐに手に冷たくゴツゴツとした硬い感触が伝わって来た。


「・・・岩か?ってか何処だよここは」


 そもそも何故こんなにも真っ暗なのだろうかと疑問に思う。

 この世界、街道に街頭が設置されている訳では無いが、空気が澄んでいるのか、星が物凄く綺麗に見えるし、月明かりだけで、ある程度光源が確保出来るくらいのはずだか、今この場は、目の前に手を翳しても殆ど見えないくらいに暗い。

 ただ暗いだけなら、俺のヴァンパイアとしての種族特性だかで夜目はかなり効くはずだが、それすら発動している気配が無い。


「・・・洞窟、なのか?」


 色々と周りをペタペタと触り確認した結果、どうやら、人が一人寝そべって通れるくらいの洞窟の様な場所では無いかと推測した。

 ただ、何故俺がそんな場所に寝ているのかが分からなかった。


「・・・もしかしてアリシエーゼのイタズラか?」


 それは有り得るな思い、勝手に苛立っていると、頭の方から風が微かに通っているのを感じ取った。


「・・・イタズラにしては雑過ぎるし、目を覚ました俺を見て皆で笑うみたいな事してる訳ないよな。ってか何処でそれを見てんだって事だし」


 とりあえず、よく分からない状況なので先ずは誰か居ないか確認してみる事にした。


「おーい!誰か居ないかー!?」


 俺の声は周りにすぐ存在する岩壁の様な物に反響して煩く聞こえたが、特に返事などは帰って来ず、暫く耳を澄ませてみたものの、風が時折通り過ぎる音が聞こえるのみだった。


「おーい、メス●キ?怒らないからそろそろ辞めないかー?」


 特に何も起こらないので、俺は諦めて移動する事にした。


 問題は足元の方に戻る?か、頭が向いている方に進んで行くかだが・・・

 何か戻るのは嫌な感じだ


 そう思って俺は匍匐前進の様な形で這い蹲って進む事にした。

 少しずつ進んで行くが、腹の下はゴツゴツとした岩肌で何だか痛いし、妙に湿っていて服はベチャベチャだし、頭の上、左右はすぐそこに壁の様になっておりとんでもない圧迫感で押し潰されそうになるしで数分も経たずに、イライラがマックスに達した。


「・・・んだぁぁああッ!!何だよこの状況は!?意味が分からねぇっての!」


 訳が分からず、俺は全てをアリシエーゼのせいにして戻ったらどうしてくれようか等と考えながら更に匍匐前進で進んだ。


 どれくらい進んだ時だろうか、ふと何故か足元が気になり前進を辞めて、後ろと言うか、足元を振り返る。


「・・・・・・・・・」


 なんだ、何か居るのか?


 分からないが、何故だか気になって仕方無く、暫く足元を注視した。

 改めて思うが、結構な時間が経過したのに、目が暗闇に慣れる事は無く、未だに目の前の確認すら覚束無いのだが、妙な圧迫感が足元から迫ってくる様に感じた。


 こんな態勢で魔物何かに襲われたら詰むぞ・・・?


 そんな事を考えた矢先、俺は突然の悪寒に襲われる。


 ゾワリ


 と底知れぬ何かに恐怖したのか、それとも物理的に身体や感覚が何かを感じたのかは分からないが、全身の毛が逆立つ感覚に俺は焦りを感じた。


 ヤバい!


 俺は直ぐに匍匐前進を再開して、迫ってくる何かから逃げた。

 と言っても、細い横穴が唯々続く、陰湿な洞窟だ。

 途中で隠れる事も、身体を反転させて迎え撃つ事も出来ず、只管に前に進んだ。


 ヤバい!ヤバい!!


 いくら進んでも出口は見えず、それにも増して、どんどんと近付いて来る何かの気配に俺は全身から冷や汗が吹き出る。

 必死になればなる程に、何故か進む速度が遅くなる気がして、それでも足元の気配が近付く速度は変わらず完全に取り乱していた。

 そして遂に俺は何かに足首を掴まれた。


「お、おわぁぁぁあああ!!??」


 心の底から湧き上がる恐怖で俺は無意識に叫び声を上げていた。

 ジタバタと手足を動かし、必死に何かから逃れ様ともがいた。


「ぁぁああああああああッ!?―――あ?」


 必死に抵抗しているある瞬間、自分の周りの景色が変わっている事に気付いた。

 今まで目の前すら確認出来ない程の暗闇で、俺が何とか横になって進める位の狭い洞窟の様な場所だったはずなのに、気付くとそこは赤銅色(しゃくどういろ)の空が永遠に続く、何処かの平原の様な場所だった。


「・・・は?」


 突然の()()()()()()に頭が着いて行かずに素っ頓狂な声を上げてしまったが、同時こうも理解した。


 あぁ、夢か


 突然今までの出来事が夢であると理解し、同時にこの夢がまだ終わっていない事も理解する。


 こういうの何て言うんだったか、明晰夢たったか?


 夢であると言う事を自覚しているにも関わらず醒めない夢に、若干戸惑いながら、そう言えばと思い出して俺は自分の足元を見る。

 足首を何かに掴まれた感覚がまだ残っているが、そこには特に何も無かった。

 何かがいた痕跡も見付からないが、何故だか掴まれた時に感じた冷たい感触だけが残っている事に眉を潜めた。


 何だったんだ、あれは


 そう思いながら景色が一変した周囲をグルリと見渡した。

 空は赤銅色に染まり、雲一つ無く、地表は遮蔽物がまったく無い、唯の広い空間の様に思えた。

 ただ、周囲には黒い塊が幾つも転がっており、焦げ臭い臭いが辺りに充満しているのを感じた。


「なんだこの塊は?」


 その塊は無数に散らばっていて、数を数えるのも億劫なくらいであった。


「焦げ臭いし、何かが炭化したのか?」


 近くにあった塊の一つに近寄ってみると、それは何だか妙に()()()()()()


 彫像か何かか・・・?


 もうその頃には自分の中で理解しているはずであったが俺は、俺の脳がそれを拒絶する。


 いやいや、まさか


 そう思いつつ、確かめずにはいられなかった。

 数歩下がって、目の前の塊をほんの少し俯瞰して見ると、それはまるで人の様な形をしていた。


 そんなバカな

 ここに一体どれだけの塊があると思ってんだよ


 乾いた笑いが込み上げて来くるが俺は他の塊も確認せずにはいられなかった。

 塊は人の形に見えなくも無く、見ようによっては、頭部があり、上半身があり、下半身だっただろうと推測も出来た。

 そんな事を思いながら塊を順次確認していくが、大き目の塊を目にした時に笑いが口から盛れ出していた。


「・・・はは、ほら、こんなデカい人間なんて存在しないだろ」


 目の前には人間と言うには大き過ぎる、塊がゴロリと転がっていた。

 見ようによってはそれは蹲っている様にも見えるが、デカ過ぎる。


「あ、でもトロールやオーガとかなら・・・」


 自分で口に出して、そして嫌気が差して途中で止めた。

 意味が分からなかった。

 この場面を見ている理由も、何故魔物も人間も一緒くたに炭化して燃え尽きているのかも何もかもが理解出来なかった。


 ゾワリ


 またあの悪寒が俺を突然襲った。

 俺は素早く辺りを確認して、そして地平線の彼方を見遣る。


 何かが近付いて来る!?


 あの洞窟で迫って来た奴だと直感的に分かったが、未だに姿は確認出来ない。

 ただ、()()に見付かってはダメだと何故だか思った。

 なので俺は直ぐにトロールだかオーガだかの塊に身を隠した。

 身を隠しながらキョロキョロと辺りを確認していると、一つの人間であったと思しき塊が目に付く。

 それがとても気になり、得体の知れない何かがどんどんと迫って来ている感覚はあったが、それよりも何よりもその塊が気になって、どうしても確認をしたくなった。


 何だかアレに見付かったらヤバい気がするが、これは夢だ


 明晰夢は、自分で夢の内容をコントロール出来ると聞いた事があるのを思い出し、それなら意識的に覚醒する事も可能なのでは無いかと思った。


 あの塊を確認して直ぐに覚醒する

 出来るだろ・・・出来るよな?


 明晰夢等見た記憶が無い為自身は無いが、得体の知れない何かはどんどんと迫って来ている為、考えている時間は無さそうだとすぐ様決断した。

 決断したと同時に俺は走り出し、得体の知れない何かが迫って来るのとは逆方向に向かった。

 俺が大きな塊から飛び出ると、何故か感じていた気配の迫って来る速度も早まった気がした。


 マジかよ!?


 焦りつつも直ぐに塊の元に辿り着く。

 どうやら今見ている其れは背中側の方では無いかと思い、俺は正面に回る。

 塊は原型をあまり留めてはいないが、何となく、跪き、両手を胸の前に組んでいる姿である様な気がした。


「・・・・・・」


 其れはまるで、神に赦しを求める人間の様な姿に見えて俺は暫くそれを無言で見詰めた。

 ハッのすると地平線の向こうから迫って来る気配がもう目の前まで来ている気がして俺は、塊がの前に膝を付き、そっと優しく触れた。

 何故、触れようと思ったのかは自分でも分からなかったが、塊は俺が触れた瞬間、ボロボロと崩れて行き、やがて目の前で全て崩れ去った。

 崩れ去った塊を見て俺は兎に角覚醒しないとと思い出してそれに意識を集中しようとしたその時、俺の足元にキラリと輝く何かを目端で捉えた。

 無意識にそれを塊の残りカスである灰の様な物と一緒に雑に掴んで、目の前で手を広げて確認するとそこには―――


 これって俺が明莉に買ってあげたマナストーン・・・?

 え、じゃあこの塊って・・・明莉?


 すぐ目の前に正体不明の何かが迫って来ているのを感じたが俺は茫然自失となり、何も考えられなかった。


「―――た」


 何かが聞こえた。

 それは目の前の何かが俺を見下ろして言っている様に聞こえた。


「―――、みつ―――」


 確実に俺を認識して言っていたが、俺はただそれを見上げる事しか出来なかった。


「見付け―――」


「ハル!!!!」


 突然、ユーリーの呼ぶ声が聞こえ、俺はハッとした。

 その瞬間、身体が急激に天へと引っ張られる感覚がしてそして目が覚めた。


「―――ッ!?」


 身体が引っ張られる感覚と共に身体を急激に起こした俺は、周囲から聞こえる声に声に反応してキョロキョロと辺りを見た。


「は、暖くん!?大丈夫!?」


「おぉ、目覚ましたぞ!」


「私達の声が聞こえてますか?」


「暖ッ!!お主と言う奴は!!」


 明莉とナッズ、アルアレ、そしてアリシエーゼから矢継ぎ早に声を掛けられ、混乱していたが、何故かアリシエーゼは憤慨していた。


「あぁ、やっぱり夢だったのか」


 俺は心底ほっとして呟いた。


「すっごい魘されてたよ?大丈夫?」


 パトリックが俺の顔を覗き込みそう言った。


「あ、あぁ、何かよく分からない夢だったけど大丈夫だ」


 聞くと、俺は意識を失う様に眠りに着くとすぐに、バタバタと暴れだして魘されていた為、皆心配していたのだとか。

 明莉なんかは、何故か膝枕をしていてくれたらしいが、何故膝枕?と思ってしまった。

 いや、まぁ役得と言うか何というか、別に嫌な気はしないので、敢えてツッコミはしなかったが・・・


「お主ッ!妾に恨みでもあるのかッ!?」


 ただ、何故アリシエーゼがこんなにもプンスカしているのかが良く分からなかった。


「お前、何怒ってんだよ?俺が膝枕されてた事に嫉妬でもしてんのか?」


「違うわいッ!妾が何故そんな乳臭い理由で憤慨せにゃならんのじゃ!」


 乳臭いって・・・

 いつもくだらない理由でプンスカしてんじゃねぇか・・・


「じゃあ、何なんだよ?」


「お主寝ながら妾の名前を口にしたと思ったらいきなりメス●キ何ぞとほざきおってッ!!一体どう言う了見じゃ!!」


「あ、声に出てたか」


「何ぃぃ!?夢で言っていたと自覚しとるんじゃな!?」


「あ、しまった・・・」


「きぃぃぃぃッ!!許さんぞ!」


 アリシエーゼは俺をポカスカと腕を振り回して殴り掛かるが、俺はそれを無視してユーリーに話し掛けた。


「ユーリー、俺を呼び戻してくれたのか?」


「・・・ウン」


 そう言ってユーリーはコクリと頷く。

 そんなユーリーを見て俺は微笑み、そしてユーリーの頭に手を置いた。


「そうか、ありがとうな」


「・・・イイ、デモ―――」


「うん?」


「・・・ヒライチャッタヨ」


「・・・何が?」


 俺は聞き返しながらも思ってしまった。


 またこのパターンか・・・


「・・・ジゴクノモンガ」


「・・・・・・・・・」


 やっぱりね・・・


実はですね、下の方に☆☆☆☆☆ってところがあるんですよ。

これ秘密なんですが、一番右の☆を押すとなんと!

一瞬で★★★★★に変化するんですって!

そんな訳で、評価、ブクマ等頂けるとやる気がムクムク湧きあがります。

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