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第70話 グループへのお誘い

 ようやく羽柴副会長と平手書記とのライン交換も終わり、次は武田一派及び上杉一派の順番が来た。


「ほんと、たった三人と交換するだけでこんなに待たされるなんて……」


「す、すみません……」


「えっ!? ち、違うのよ、竹中君!! 私が怒っているのは織田会長達だから!! 竹中君は全然、悪く無いからね!?」


「静香、焦り過ぎよ」


「う、うるさいわね、カンナ!! 私は竹中君だけには絶対に嫌われたくないのよ!!」


「それは分かっているけどさぁ……」



「静香? あんた、織田会長達の事言えないわよ!! あんた達もモタモタしているじゃない!?」


「う、うるさいわね、ケイト!! 分かっているわよ……」



 なんだか、あたふたしている武田さんも見た目とのギャップがあって可愛らしいよなぁ……って、またしても俺みたいな奴がそんな事を思ってしまうとは……



「あのぉぉ、武田先輩……早くしていただけないでしょうか? 私、お昼を食べたばかりで眠たくなってきたのですが……」


 あっ、伊達さん……


「だから分かっているわよ……伊達さんまで何よ!? それにここにいる人達は全員お昼食べたばかりだからね!!」


「静香……私、まだお昼食べて無いわよ……」


「余計な事言わなくていいのよ、カンナ!!」



 ピコンッ


 ん? また誰かからラインだ……


「武田さん、すみません。ラインが来たので確認だけさせていただけませんか?」


「えっ? ええ、勿論よ!! どうぞ、どうぞ。その間に私は竹中君の顔をジッと眺めて目に焼き付かせておくから!!」


 お、俺はどう返答すればいいんだ?


「ハハハ……」


 そんな事よりもこんなバタバタしている時に一体誰がラインしてきたんだ?


 ……えっ!?


 羽柴副会長からだと……?


 で、えーっ!? グ、グループラインの誘いかよ!?


 グループ名が……


 『下剋上』ってどういう事だ!?


 こ、これは織田会長を裏切って羽柴副会長がトップに就くって事なのか!?


 な、なんか恐ろしいけど……参加しない方がもっと恐ろしい様な気がするし……


 よしっ……ポチッ……


 ピコンッ ピコンッ ピコンッ ピコンッ


 うわっ!?一気に数人が参加して来たぞ!!


 織田会長に平手書記に……柴田……丹羽……誰だ、この人達は? 


 ピコンッ


 ん? まだ他に参加する奴がいるのかよ?


 って、俊哉かよ!?


 あの、おしゃべり野郎め……


「た、竹中君……? そろそろいいかな……?」


「えっ? ああ、すみません武田さん!! ど、どうぞ……」


 ピロンッ


「ふぅぅ……やっと竹中君とライン交換ができたわ。また竹中君が落ち着いた頃にラインさせてもらってもいいかな?」


「は、はい……」


「そ、それとね……これから私の事は『静香』って呼んでくれないかな? そして私も……は、は、颯君って呼ばせてもらっても……いいかな?」


「分かりました……し、静香さん……」


「キャー、嬉しい!! これから宜しくね……は、は、颯君……?」


「はい、静香~もう用事は終わったでしょ? だから、とっとと教室に戻ってちょうだい!! 他の人の迷惑だから……」


「えーっ、な、何よカンナ!? あんた真面目過ぎない!?」


「ハッハッハッハ!! カンナの言う通りだよ、静香!! あんたのところ、まだ五人も残っているんだからね!! マジ邪魔だから早く教室から出て行ってちょうだい!!」


「うっ、うるさいわね、ケイト!! あんただって、私みたいになるんだから!!」


「フッ、私は常に冷静な女よ。だから私が静香みたいにあたふたする訳が……って、キャーッ!! は、颯君が私を見ているわ!! ど、どうしましょう!? ど、どうしよう、カノン!?」


「知るか!! ってか、ケイト先輩? 今、『私は常に冷静な女』って言ったばかりですけど!? それに『瓶底メガネ』の彼がケイト先輩を見ているってよく分かりますね?」


「だっ、だってそれは……私と颯君とは運命の糸で結ばれているから……」


「ケッ……はいはい……」



 はぁ……何なんだ、この人達の会話は……


 聞いているだけで疲れてきたぞ。


 せっかくの昼休みだというのに……



「もう、あなた達~いい加減にしてくれないかな~? いつになったら私まで順番が回ってくるのかしら~?」


「 「もっ、茂香!?」 」


 毛利さん……


「さっきから気になっていたんだけど、何で茂香がこの行列に並んでいるの?」


「え? そんなの決まっているじゃない。私も竹中颯君に興味があるからよ」


「 「えーーーっ!!??」 」


 う、嘘だろ!? まさか毛利さんまでが……


「ハハハ、勘違いしないでね~? 私は別に竹中君が好きっていう訳では無いし~私には彼氏もいるしね~。ただ、あなた達の好きな人とお近づきになっていた方がこれから面白い事がたくさんあるなぁって思ったのよ~」


「 「こっ、この『小悪魔』!!」 」


 はぁぁ、良かったぁ……


 これで毛利さんまでが俺の事を好きだなんて言った日にゃ、各学年一位をコンプリートしてしまうところだったぞ……



「はーい、ピピピピ……毛利委員長、列に戻っていただけませんか? 風紀委員長としてルールはちゃんと守っていだだかないと……」


 本多の奴、自分で『ピピピピ』って言っているぞ。

 ってか、ルールってあったのかよ?


「えーっ? 太鳳ちゃん、厳しいな~? 分かったわ~太鳳ちゃんを怒らせると怖いから列に戻るね~? いずれにしてもケイト達も早くライン交換を済ませてよね~?」



「あっ、ところで颯さん?」


「な、何、本多さん……?」


「わ、私の事は今日から『太鳳』って呼び捨てで呼んでくださいね!?」


「えっ!? よ、呼び捨て!?」


 ってか、向こうから徳川も近づいて来たぞ……


「颯君……私も今日から『伊緒奈』って呼び捨てで呼んでもらう事が先程、『ちつてと会議』で決定したので宜しくねぇぇ?」


 とっ、徳川もかよっ!?


 って、交通整理をやりながら、いつ会議をしたんだ!?


お読みいただきありがとうございました。


もし続きが気になられた方は是非、ブックマークして頂けると嬉しいです。

また作品を面白いと思ってくださった方は是非とも☆☆☆☆☆評価をして頂けると最高に嬉しいです。何卒宜しくお願い致しますm(__)m


ということで、次回もお楽しみに(^_-)-☆

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