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第51話 井伊直人

 と、徳川伊緒奈と井伊直人が許嫁いいなずけだって!?


 マジかよ……べ、別に俺としてはいいんだけど……なんか少しだけ複雑な気持ちになるのは何故だろうか……



「な、直人君!? 颯君に嘘を言わないでよ!? 颯君も直人君の言っていることは嘘だからね。信用なんてしちゃダメよ!!」


 えっ、嘘なのか?


「えーっ!? 伊緒奈こそ嘘を言うなよ!? 幼稚園の頃に俺達は結婚の約束をしたじゃないか!?」


「幼稚園の頃の事なんて覚えていないわよ!! それにもしその時にそんな約束をしていたとしても幼稚園の頃の約束なんて無効に決まっているでしょ!?」


「えーっ!? そ、そういうものなのか、知由ちゆ!?」


「フン、当たり前じゃない!! そんなのが成立するくらいなら私なんて伊緒奈ちゃんと三歳の頃に結婚の約束をした事があるから、私の方が伊緒奈ちゃんと結婚するべきよ!!」


「はぁああ? お前は女だろ!? 結婚なんて出来る訳ないじゃねぇか!?」


「直人、あんたは本当にバカね? 日本では無理だけど同性でも結婚できる国だってあるんだからその時は私と伊緒奈ちゃんがその国に移住すれば良いだけじゃない!!」


「い、いや……お前の目、マジだから怖いわ!! なっ、八雲やぐも!?」


「私は……二人共……怖い……」



 な、何だこいつ等の会話は!?


 いずれにしても徳川はこの濃いキャラ達にめちゃくちゃ愛されてることだけはよく分かったぜ……


「それよりさ、今日はせっかく颯さんを招いての勉強会なんだし、早く始めましょうよ? ですよね、伊緒奈さん?」


「そうね、太鳳ちゃん。さぁ、そろそろ勉強会を始めましょう!! それで直人君は地理が得意だったよね? それに知由ちゃんは生物が得意で、八雲ちゃんは英語が得意だったかな? 数学は私と太鳳ちゃんが得意だから、ここにいる人達で颯君の苦手科目を教える事ができるわよ……」


「そ、そうなんだ……助かるよ……」


 いや、これはマジで助かるぞ!!

 これ等の科目さえ克服できれば学年十位だって夢じゃ無くなるかもな!!


 そして俺達が勉強会を始めようとした矢先に本多が何かを思い出した様な顔をしながら徳川に問いかける。


「そう言えば、華子はどうしたんですか? 今日の勉強会には来ないのですか?」


「えっ、華ちゃん? フフフ……華ちゃんなら、もうとっくに来ていると思うわよ。ねっ、華ちゃん?」


「はい、私はここにいます……」


「 「うわ――――――っ!!??」 」


 ドテーンッ!!


 俺と井伊直人の座席の間にいつの間にか『華ちゃん』と呼ばれる女子が座っていて俺は驚きの余り、椅子ごと倒れてしまった。


「はっ、颯君大丈夫!?」


 徳川が心配して俺に声をかける。


「イテテテ……だ、大丈夫……少し驚いただけだから……」


「初めまして、竹中さん……私は服部華子と申します……」


「あ、ああ……初めまして……」


 俺は生まれて初めて椅子ごと倒れたままの状態で挨拶をした。


「ハハハハ!! 竹中颯、華子ごときのドッキリにめちゃくちゃ驚いて椅子ごと倒れるなんて大した男じゃ無いなぁぁ?」


「は、はぁああ!?」


 井伊直人!!


 お前も俺と一緒に椅子ごと倒れているじゃねぇか!?


 一体、どの口がそんな偉そうなことを言えるんだ!?


 ってか、この男は言っている事とやっている事がめちゃくちゃだな!!


「直人君も倒れている様に見えるけど、私の気のせいかしら……?」


「ああ、気のせいだ、華子!! 俺はただ横になりたかっただけだからな!!」


 やはり、この男は上杉カイトと同じタイプの『ポンコツ野郎』だな……



「それにしても華子!? あんたの登場シーン、何とかならないの!? 毎回毎回いろんなん人を驚かしてさ……私だってビックリして倒れそうになったわ!!」


「フフフ……太鳳はまだまだ修行が足りないみたいね? 私なんて全然、驚かなかったし、ピクリとも身体は動いていないわ!!」


「修行って何よ、知由!?」


「太鳳ちゃん……大丈夫よ……知由ちゃんは驚き過ぎて身体が硬直して……倒れなかっただけだから……」


「やっ、八雲!! ボソボソと余計な事を言わないでよ!!」



 はぁ……いつになったら勉強ができるんだ……


 なんか、もう家に帰りたくなってきたぞ……



「もう、みんないい加減にしてくれないかな!? 颯君がとても困った顔をしているじゃない!! いつまでもそんな感じなら私の部屋で私と颯君の二人だけで勉強会をやるわよぉぉ! ウフ、その方が良いかも……ね、颯君?」


「 「 「 「え―――――――――――――――――――っ!? い、伊緒奈さん、申し訳ありません!!」 」 」 」


 と、徳川の部屋で二人だけの勉強会だとーっ!?


「伊緒奈!! それだけはダメだ!!」


 ゴクリ……


 イヤイヤイヤッ、唾を飲み込んでいる場合じゃないだろ?


 何を想像しているんだ俺は!?


お読みいただきありがとうございました。


井伊直人と伊緒奈の許嫁の話は直人の勝手な思い込みだった。

そして途中から服部華子も登場し、更に賑やかになるミーティングルーム

全然、勉強が始まらなくて困惑する颯を気遣い、伊緒奈はみんなに自分の部屋で颯と二人で勉強するわよと脅しをかけるのだが……


ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆

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