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最終話 新しい時代の幕開け

 数分後、俺達の長くて濃い初キッスは終わったが抱きしめている手はお互いにまだ離したくない気持ちだったので、そのままの状態で話をしている。


「神影、ひとつお願いがあるんだけどさ……」


「何かな? 私の出来る事なら何でもさせてもらうわ」


「あ、ありがとう……神影の事だからもう俺が生徒会長になるっていうのは知っているだろうけど……実は神影に生徒会役員になってもらいたんだ。ずっと俺の傍にいてほしいんだ。でもその為には投票部を退部してもらわないといけないだろうけど……どうだろう?」


「うん、私もずっと颯君の傍にいたい。でも、副会長や書記は勘弁してほしいかな。出来ればあまり目立たない会計か会計監査だと有難いけどなぁ……」


「ハハハ、さすが神影……役員が増える事も知っているんだな? あ、そうか。事前に黒田先生から聞いているんだな?」


「フフフ……そういうこと」



 俺はずっとこのまま神影と屋上で話をしていたがったが、そういう訳にもいかないので、神影の頬に軽くキスをしてからお互いのクラスへと戻るのであった。




 【十月一日・新生徒会長就任式】


 俺は再び壇上へ立つ。

 そして緊張の中、就任の挨拶が終わり、次に俺から新役員の紹介をする。


 会長    竹中颯

 副会長   徳川伊緒奈

 書記    羽柴陽菜

 会計    伊達魔冬

 会計監査  天海神影


 神影を紹介した際、俺の予想通りに会場はどよめいた。


「あの美少女は誰だ!?」

「学年人気帳票前に急きょ、投票部副部長になった天海さんじゃないの?」

「あの子、メガネを外すとあんなにも美人だったの!?」

「お、俺、あの子のファンクラブを創ろうかな」


 ザワザワ……ザワザワ……


 まぁ、こうなるよな? もしかすると二学期末に行われる学年人気投票で神影が一位になるかもしれないなぁ……そうなれば嬉しいけど、神影に言い寄る奴等が出てくる可能性も……よしっ!!


「皆さん、特に男子の皆さん!! ここにいる会計監査の天海神影は俺の彼女なのでそこんとこよろしくでーす!!」


「 「 「 「えーーーっ!!??」 」 」 」


 ショボン……


 ハハハ、作戦成功かな? まぁ、これでそう簡単に神影に言い寄る男子は出てこないよな。


「は、颯君? 私、凄く恥ずかしいんだけど……」


「別にいいじゃないか。本当の事なんだしさ」


 ギロッ


 うわっ、伊緒奈と魔冬が怖い顔をしながら俺を睨んでいる。


「伊緒奈、新会長の『いきなりスキャンダル発言』という事で後で反省会だねぇ?」


「ハハハ……そうだねぇ……」



「フフフ……数ヶ月前の颯君ならこんな大胆な事は絶対に言えなかったのにねぇ? これが本来の颯君なんだねぇ?」


「す、すみません。陽菜さんも気を悪くされましたか? 今回の書記も無理にお願いしてしまいましたし……ただ、生徒会経験者が一人いてくれると凄く助かりますので……」


「フフフ……気を悪くなんかしていないわよぉ。その逆だよぉ……これからの学園生活がとても楽しみだなぁと思ってさぁ……よーし、こうなったら私も宣言しちゃおうかなぁ?」


 え? 何を宣言するんだ??


「皆さーん!! わたくし書記の羽柴陽菜も新美化副委員長の前田俊哉君と付き合っていま~す!! だから私の胸は俊哉のモノなのでぇ、今後チラチラと見ないでくださいねぇ?」


「 「 「 「ブッ!!!!」 」 」 」



「ゴホッゴホッ!!」


「マジか、俊哉!?」「お前、いつの間に!?」「羨まし過ぎるだろ!?」


「ひ、陽菜ちゃん、こんなところで言わなくても……」


 何だか、先が思いやられるような……楽しみなような……だな。


 それと部や委員会メンバーも責任者の交代があったので少しだけ紹介すると、


 投票部部長   羽柴陽呂

 副部長     服部華子

 主な部員    黒田マーサ・榊原八雲・支倉蕾



 風紀委員長   直江カノン

 副委員長    本多太鳳

 主な委員    上杉カイト・島津佳乃・井伊直人・伊達忍



 美化委員長   宇喜多緋色

 副委員長    前田俊哉

 主な委員    吉川萌絵・小早川柊・長曾我部千夏・酒井知由


 ちなみにここで名前が出ているほとんどの人がクラス委員長もしくは副委員長との兼務をしている。



「千夏ちゃんが美化委員も兼務だなんて、全然似合わないですねぇ?」


「よしのん、何を言ってるんだっつーの!? あーしは『美』にはうるさいっつーの!!」


「何か意味が違う様な気もしますが……」



「太鳳、お前が風紀副委員長なんて大丈夫なのか!? 風紀委員は生徒会とも関りが深いんだし、颯さんの足を引っ張るんじゃないぞ!!」


「何ですって!? 直人だけには言われたくないわね!!」


「何を揉めてるんだよ? 本多さんも直人もカノンちゃんの迷惑にならないようにしてくれよな!?」


「 「うるさい、カイト!!」 」


「ヒエッ!!」


 ハハハ、あいつ等、仲がいいな。 



「ということで皆さん、これから一年間、どうぞ宜しくお願い致します!!」




 そして時は巡り年明けの三月、三年生の高等部卒業式……


「皆さん、ご卒業おめでとうございます」


「グスン……颯君、また学園に顔を出すからその時はよろしくね!? 詩音ちゃんの制服姿も見たいしさ……」


「はい、静香さん。いつでも学園に遊びに来てください。詩音も喜びますよ」


 武田静香さんは東日本トツプの室町大学に進学する。


「颯君……身体に気を付けて生徒会長頑張ってね? あなたなら学園初の二年連続生徒会長も夢じゃないと思うわ」


「ハハハ、ケイトさん、俺は一年で十分ですよぉ。次は伊緒奈か魔冬が会長になればいいと思っていますし……でもありがとうございます。健康第一で頑張ります。ケイトさんも大学で頑張ってくださいね?」


 上杉ケイトさんも静香さんと同じく室町大学に進学する。  


「颯君、あなたのお陰で最後の一年はとても楽しかったわ~ありがとね~? またコスプレ大会がある時は是非、天海ちゃんと一緒に応援に来てね~?」


「はい、是非行かせてもらいます!! な、神影?」

「ええ勿論。毛利先輩、投票部では色々お世話になりました」


 毛利茂香さんは西日本トップの国立安土大学に進学する。


「あっ、そうだわ~実は私の弟が四月から高等部に進級してくるからよろしく頼むわね~?」


「は、はい、分かりました。お任せください」


 内面液のせいとはいえ俺に告白をしてくれ、俺達に楽しい思い出をたくさん作ってくれた三年美少女トリオはめでたく仙石学園を卒業するのだった。 



 そして四月、仙石学園高等部入学式 


「新一年生の皆さん、ご入学おめでとうございます!! 私は仙石学園高等部生徒会長の竹中颯と申します……」


「キャーッ!! 颯せんぱーい、素敵~っ!!」


 オイオイ、美月……入学式くらい大人しくできないのか?


「キャーッ!! お兄ちゃんカッコイイ!!」


 詩音、美月に張り合うんじゃないよ。お前は外部入学なんだし、今から目立って大丈夫なのか!? 兄として凄く不安だぞ……


 新一年生も美月筆頭に濃いキャラが多いのかなぁ……?

 少し不安になってきたぞ。



「颯先輩、紹介させてもらいますねぇ? 彼が毛利先輩の弟で中等部では生徒会長を務めていた毛利天花もうりてんか君でーす!! どうです? 凄く可愛らしい子でしょう?」


「ハ、ハハハ、そうだね……」


 な、何だこの子は!? 茂香さんと同じ顔をして男子だと!?

 男子の制服を着ているからアレだけど、顔や仕草だけを見れば普通に美少女じゃないか!?


「は、初めまして……竹中会長……姉からは色々とお話は聞いております。と、とってもカッコイイですね? 凄く憧れます……これからどうぞ宜しくお願い致します……色々教えてくださいね?♡」


「あ、ああ……こちらこそよろしくな……ハ、ハハハ……」


 この子は色々な意味でヤバいかもしれないぞ。

 全然、女子にモテなくて最近やたらとイライラしている安藤達が喜んで近づきそうだな。


 目を光らせておかないと……


「颯君、何か凄い子が進級してきたわね?」


「神影もやはりそう思うか? 心配事が増えた感じだよ……」


「フフフ……大丈夫。颯君が疲れた時はいつでも癒してあげるから♡」


「み、神影……」


「ちょっとお兄ちゃん!! 私達の前でいちゃつかないでくれるかな!? 見ているこっちが恥ずかしいから!!」


「え? ハハハ、ゴメンゴメン……」 




 時は過ぎ、早いもので俺が生徒会長になってから一年が経った。

 そして今日は九月三十日の生徒会長選挙結果の日……



 竹中颯   1048票

 天海神影   101票

 毛利天花    31票

 竹中詩音     9票 


 はぁ……何でこうなるんだよぉ……?


「颯君、おめでとう……仙石学園初の二年連続生徒会長だね?」


「神影、これってめでたいのかなぁ?」


「そりゃぁ、めでたいわよ。ねっ、徳川さん?」


「そうだね。去年よりも票が増えているし、自信を持って会長をやればいいんじゃない? 魔冬もそう思うよね?」


「ええ、これで颯君は『二代目伝説の生徒会長』って語り継がれること間違いなしだわ」


「その二代目に対し初代より命ずる!! 明日の朝までに新役員を決めておくように!! フフフ……」


「はぁぁ……」


「大丈夫よ、颯君。私が……いえ、私達がこれからも全力であなたのサポートをさせてもらうから……ね? だから一緒に頑張りましょう?」


 神影がそう言うと伊緒奈も魔冬も笑顔で頷いている。


「神影……伊緒奈……魔冬……分かったよ。俺も男だ!! こうなったらあと一年、俺を成長させてくれた仙石学園の為に頑張るよ!!」


「そうと決まれば、これからの事を私の家で話し合わない?」

「いいわね。他の人達にも来てもらいましょうよ?」

「 「 「賛成!!」 」 」

「先生も行っちゃおうかなぁ」

「来てもいいですけど、かなえお姉ちゃんは颯君の近くには絶対に座らないでくださいね?」

「そんな、神影ちゃんが怒るような事はしないわよぉ。私まだ異動したくないし~」

「 「 「ハハハハハ!!」 」 」

 わ、笑えねぇ……


 こうして陰キャだった俺の周りで巻き起こった『恋愛戦国時代』は終わり、俺達は新しい時代へと進み始めるのだった。



 完 


最後までお読み頂きありがとうございました。

皆様の応援のお陰で無事に完結を迎える事ができました。

本当にありがとうございます。感謝でいっぱいです。


この作品は当初から颯が生徒会長になり神影と結ばれて完結と決めていましたが、執筆途中に話を広げて颯が卒業するまで連載しようかなと考えた事もありましたが、やはり気持ち良く当初に決めた通りのエンディングにさせて頂きました。

この方がやはり良かったと今は心から思っています。


『恋愛戦国』の続編なんかはもし余裕があれば執筆するかもしれませんが、今は新連載を密かに執筆中でもありますのでしばらくはそれに集中したいと思っております。

ちなみに現在執筆中の作品は『恋愛作品』であります。実はもう一つ初めて『異世界作品』にもチャレンジしようとプロットを少しずつ書いている段階です。


まずは『恋愛作品』をある程度仕上げてから次にかかろうと思います。

どうぞ次回作も楽しみにしていてくださいね?


最後の最後に皆さまにお願いです。『恋愛戦国』に☆☆☆☆☆評価をしていただけると涙が出るくらいに嬉しいです。一度で良いのでこの作品を日間トップ10に入らせてください!!何卒宜しくお願い致しますm(__)m


ということで今後ともNOV作品をどうぞ宜しくお願い致します。


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