第一話
かつて天空の賢者と呼ばれ、王国中の人々から尊敬され、愛された者は今、空の上で小さな島を作り、そこで暮らしていた。
そして10年の月日が経ち、魔法の研究の息抜きに地上の様子を水晶で覗いてみると、何と魔王が復活し、勇者が異世界から召喚されていた。さらに地上の人々は天空の賢者の話を誰もせず、勇者や魔物、魔王といった現実的な話ばかりしている。
そう、天空の賢者の話は誰もしていなかったのである。
余りのショックに、王国を観るのをやめて近くの森の変化を見る事にした。特に変わった様子もなく、生態系も変化無し。
しばらく森の様子を観ると、フードを被った冒険者らしき人物が森を1人で歩いていた。周りをキョロキョロして何かを探している様子だった。
前方300メートルにツノウルフらしき魔物が10体ほど待ち構えていた。フードを被った人は気づいていない、このままでは確実に殺られる。
そう思い、僕は急いで助ける支度をし、地上に飛び降りた。
ハァ…ハァ…。
追ってるくツノウルフに対し、私は今全力で逃げ回っている。
誰かが助けに来てくれる、そう思っているが、王国から逆の方向に逃げている為、余り期待出来そうにない。
このままでは追いつかれて確実に殺られる、お願い、誰か助けて!
そう思った時、ツノウルフからの殺気が一瞬にして無くなった。
何が起こったから分からないまま、振り返るとツノウルフが全て
死んでいた。
「もう大丈夫だよ、怪我は無い?」
優しい声が上から聞こえる。上を向くとそこには青髪の少し幼い顔の少女が空を飛んでいた。
「あ、ありがとうございます」
「どういたしまして」
僕は地上へ降り、フードの人がこちらに近づく。戦う力も無く、1人で危ないだろと注意しておこうと思ったが、次の瞬間にはそんな事はどうでも良くなっていた。
こちらに近づき、フードを取った瞬間に僕は彼女の美しさに魅入られたのだった。
色白の肌にFカップぐらいある巨乳、透き通った瞳に銀髪の髪、心の底から美しいと思ってしまった。
「助けて頂きありがとうございます、この御恩は一緒忘れません」
「あ、いや、えっと…その……」
上手く言葉が出てこない、人生初めてパニックになってしまった。こういう時どうしたら………そうだ自己紹介!
「僕はシノンと申します」
「自己紹介がまだでしたね、私はサリアと申します」
「サリアさん、素敵なお名前ですね」
「ありがとうございます」
とりあえず僕が天空の賢者という事は言わないで軽く自己紹介し、どうして森の中にいたのか尋ねると、どうやら冒険者ギルドの依頼で薬草を取りにきたみたいだ。しかも昨日冒険者になったばかりで武器も古びた短剣しか持っておらず、魔物からしたら格好の餌だ。
まだ十分な薬草を採取しておらず、手伝う事にした。
一緒に森を歩いて薬草を探しているサリアさん、薬草より何故か彼女の方が気になって仕方がない僕、この気持ちは一体何なんだろう。サリアが薬草を見つけ、立ったま上半身を下げた瞬間、僕の体は彼女のスカートの中を覗こうと行動していた。
慌てて我に返り、体を起こす。
(何をしてるんだ僕は、何でこんなに興奮してるんだ、今まで異性と2人きりでこんな風になった事は………事は……よく考えたら異性と2人きりになったの初めてじゃね?)
僕は真剣な顔で考えた。
そもそも母親以外の異性と関わった事がほとんど無いし、昔異性とどう接したか全く覚えてない。
「どうかしましたか?」
「いや、何でもないよ、何でも」
無事に薬草を採取し、必要分薬草が揃った。日が落ち始めた頃、サリアを森の入口まで送り、サリアと別れた。
僕はすぐに自宅に戻り、水晶で彼女様子を覗き見した。
無事に冒険者ギルドに薬草を納品し、報酬を手に入れていた、これで一件落着、しかしこの複雑な気持ちはなんだろう、サリアはもちろん冒険者ギルドの受付嬢も美少女だった。スレンダーな体つきに大人のお姉さんな見た目、サリアとは違った魅力があった。
触ってみたいと思うが、男の僕が触ればセクハラで牢屋に入れられてしまう、だが男とバレなければ間違いなく行ける!
そう思い、僕は子供の頃以来、初めて鏡で自分の顔を見た。
(あれ?これが僕?見た目は完璧に女の子じゃん。そういえば昔色んな人から女顔とか男の娘とか言われてたけど、それは子供だから大人になったら変わると思ってたけど、大して変わってない)
これなら触っても牢屋に入れられる事は無いと思うと、心臓がドキドキして止まらない。だが実際どうやってお触りするかが問題だ、偶然を装うにしても条件が整わないと確実にアウトだ。
しばらく考えたが、賢者の知恵を持ってしても、いい案が思いつかない。小一時間考えたが何も思い浮かばず、とりあえず風呂に入る事にした。
(ん?風呂?確か温泉とかいう集団で風呂に入るのがあったな、
( ゜д゜)ハッ!
これだ、これなら触れる、僕がサリアの体を合法的に洗える、下半身の息子を隠蔽魔法で隠せば行ける)
そうと決まれば明日サリアを温泉に誘い、合法的にお触りするぞー。




