第一話『春』
今回は二人用台本です。次回以降登場人物が増える可能性があります。
声劇
市村鹿郎
落ち着いた声色と甘いフェイスの人気者。少し常識にかける時がある。無茶は平気な顔でするタイプ。
北西結
お転婆な女の子。市村とおなじ年。幼馴染である彼とは仲がいい。普段は彼が結の暴走を抑えているが、彼が無茶や無謀をやらかすとたちまち立場が逆転する。
市村「やぁ、北西。おはよう」
北西「あ、市村おはよー!ねぇねぇ、もう見た!?」
市村「ん?何をだい?」
北西「もー!今日はクラス分けの日じゃん!」
市村「……なぁ、北西」(うつむき加減に)
北西「何よ」
市村「今僕らはどこで話してるかな?」
北西「通学路、だけど……」
市村「クラス掲示は校門で行われるのは知ってるよね?」
北西「もちろん!」
市村「じゃあ、まだ学校に着いてない僕が見てるわけないってのは、わかってもらえるかな?」
北西「うぅ、確かに」
市村「やれやれ。全く、いい加減僕達も高校生なんだから、少しは落ち着きなよ」
北西「ご、ごめん」
市村「別にいいけどね。でも確かに、クラス分け気になるね。果たして今年はどうなるか……」
北西「今年も一緒のクラスだといいわね!」
市村「それは僕のことを好いてくれてるから、だと嬉しいけど、どうせ好いてるのは僕の宿題だろ?言っとくけど僕、見せないからね」
北西「何よ!ケチ!ちょっとくらいいいじゃない!」
市村「ちょっとなら、ね。君、去年自分でやった宿題より僕にみせてもらった方が多かったじゃないか!」
北西「うー!酷い!そんな事ないもん!多分……。というか!市村の宿題ちょいちょい間違えてるせいで怒られたんだからね!」
市村「それこそ、君が写し間違えたんじゃないかい?だって僕、怒られてないし」
北西「嘘つけ!そんな事ないよぉ!ちゃんと毎回写してるはずなのに……」
市村「そんなの僕の知るわけないだろ?ほら、それよりもう学校だよ?見なくていいの?クラス掲示」
北西「あ!そうだった!それじゃね、市村!」
市村「ほら、走ると危ないよ!……はぁ、もう高校生なんだからいい加減に落ち着いてくれないかなぁ」
北西「クラスわけ!クラスわけ!市村だって、結構危なっかしいとこあるし、今年もあたしが一緒にいてあげないと……」
北西「やったー!!」
市村「やれやれ、今年も宿題はちゃんとやらないと、だな……」
第一話 「春」
ご精読ありがとうございました。こちらの台本をご使用の際は、作者名を表記して頂けますようよろしくお願いします。それではありがとうございました。