お嬢様を救え後編
前回より文の間隔を空けました。
第3話
ーお嬢様を救え後編ー
前回までの七曲探偵事務所は…
依頼人、神楽義彦は俺らに「三日間だけ
お嬢様を預けさせていただく。」という依頼を
引き受け、現在に至る。だが早くも
ストーカーから梅代の写真ばかりポストに
入れてきた。そんな中、莉久がとんでもない
証拠を手に入れた(らしい)それでは3話。
「んで、とんでもない証拠ってのは?」
「とんでもない証拠って言うのはこれだ。」
莉久が封筒から取り出したのは1本の髪の毛だった
「なんだこれ?髪の毛か?」
「あぁ髪の毛さ。これが証拠だ。」
莉久曰く、髪の毛のDNAを調べるという事だ。
そういう事は莉久に任せて置けばいい。自然に
やってくれるだろう。
「俺と裕子は調査に行く。お前と梅代は
一緒に待ってろ。」
「どこに行くんだい?」
「どこって…そこら辺だ。奴がどこに居るか
わからないからな。」
俺はとりあえず、すぐ近くにある
「丸山商事」に行く。
何とか入ることは出来たな。
「よーし裕子。徹底的に調べっぞ。」
「了解!」
俺は目に付いた人に聞いていく。
「あの、ここで出たストーカーって
知りませんか?」
「知らないです。」
「カメラ好きなんですか?」
男はギョッとした。
「あ、まぁそうですね。趣味が撮影なので。」
「どんなの撮るんですか?」
「え、えーと。風景とかですね。」
「風景とるんすか。」
「なぜそんな話を?」
「俺ら探偵で、ここら辺に出たストーカーを
探しているんすよ。何かあったらこの電話
番号に掛けてください。」
「え、えぇ。」
俺らは丸山商事を出た。
「男の名前は、「矢代 卓」か。」
「誰それ?知り合い?」
「さっきの男だ。名刺立てに名刺が
刺さっていたから、こっそり見たんだよ。」
「そしてこれだ。」
「何これ?」
俺は小さなポリ袋を裕子に見せた。
事務所に戻ると、莉久が
「お腹が空いた。何か作ってくれ。」
莉久は何か書類を見ていた。
「莉久、お前にお願いされていたモンだ。」
俺は莉久に小さなポリ袋を渡した。
「これは何?」
梅代が聞いて来た。
「これは矢代卓の髪の毛だ。」
「ありがとう祐一。君がご飯を作っている間に
何とか仕上げてみせるよ。」
「おいおい。ずいぶん遠回りにした言い方だな
要するに"早く飯食わせろ"だろ?相棒。」
「その通りだ。」
30分後…
「莉久ー梅代ー裕子ーご飯出来たぞー」
「うひょおぉぉ!祐一君今日はカレーですかぁ
いやぁ気分が上がるねぇ。」
「カレーだ…カレーだ(小声)」
「いいから食えって。」
梅代が言った
「このカレー。美味しい。」
俺は言った。
「だろ?普通のカレーのルーに俺の特製、いや
特性スパイスを加えたんだ。そしたら
たまたまこうなった。」
俺らはカレーを食い終わり、莉久は何か
うずうずしているようだ。
「祐一、やはり君の言う通りだったみたいだ。」
「そうか、早速行くか。」
俺らは再び丸山商事に向かった。
「そこまでだ。矢代卓。いや、ストーカー野郎」
「な、何を言ってるんだ!なぜ私の名前を!」
「それはあんたの無防備過ぎる行動のせいだ。
人の事勝手に撮りやがってよ。言い逃れできると
思ってんのか?あ?」
「さっきから何を言っているか…わからない!」
「あなたですよね。矢代さん。封筒に
梅代さんの事を盗撮した写真を入れたのは。」
「だからその証拠は!証拠はあるんですか!」
「残念ながら、あるんだぜ。」
「くッ!」
「矢代さんの髪と封筒の中に入っていた髪の
DNAが一致しました。」
「もう言い逃れ出来ねぇな。」
「ハハハハ…フハハハハハハ…」
「何がおかしい?」
「梅たんは俺と結婚するんだよ!
そして梅たんは俺の物に…俺を満たしてくれる
のは、梅たんだけだ!バーカ!ケヒヒヒヒヒヒ」
俺は矢代卓を1発本気で殴った。
「痛ってーな!何すんだよ!あ?」
「お前にいうことなんかねぇ。罪を償え…」
「あ?何言ってんのあんた?お前らみたいな
ちっちゃな探偵が何をできるってんだ?」
「警視庁12係の「暮井坂 俊
だ。探偵の要望で私たちも出動した。」
「け、警察だと?」
矢代は逃げた。
「待て!」
「矢代卓、ストーカー行為で逮捕。」
「待て!待て!ー」
「しっかりと罪を償うんだな。」
ー事務所ー
「なんか今日の祐一君、機嫌が悪いね。」
「そうだね。裕子ちゃん励ましてきて。」
裕子より先に梅代が祐一に近づいた。
「大丈夫?」
「俺はな。梅代はどうなんだ?」
「…」
「ふぅ…今日は最終日だ。俺がごちそうを
作ってやる!」
「それはマジかい?祐一!」
「おうとも。」
1時間後…
「で。なんで唐揚げなのよぉぉぉお!」
「いいじゃないか、梅代さん。早く食べないと
僕が全部食べちゃうぞ。」
「うひょおぉぉ!祐一君の唐揚げはやっぱ
最高だぁぁぁあ!」
「早く食え、梅代。」
「言われなくても分かるわよ!」
「三日間ありがとうございました。どうやら
無事、ストーカー犯人を捕まえたそうじゃない
ですか。」
「まぁ。俺じゃなくて、莉久に感謝してください。髪の毛のDNAなんて気付かなかったんで。」
「皆さん、三日間ありがとうございました。こら
梅代。お礼ぐらいしなさい。」
「あ、ありがとう…ございました…」
梅代は莉久の頬にキスをした。
「ちょっ?!うそーん。」
「えぇ?!莉久君がほっぺにチューされたぁ!」
「莉久、コノヤロー裏切ったなァ!」
ー数日後ー
俺らの事務所に茶封筒が届いた。
「こ、これぇ…」
「どうした、裕子?封筒…」
封筒の中身は現金10万円と手紙が。
「七曲探偵事務所の皆さんへ
皆さん、お元気ですか。この前の依頼を
引き受けていただきありがとうございました。
感謝の気持ちとして、依頼費と別に現金、
10万円を封筒に入れさせていただきました。
神楽 義彦より…」
「10万って…なぁ?何に使うんだよ…」
「じゃあ祐一、いっぱい料理すればいいんだよ」
「10万円の料理なんて聞いた事ねぇよ」
ー警視庁12係ー
「七曲 祐一か…」
第3話お嬢様を救え後編はいかがでしたか?
4話はまだ決まっていませんが、
3話でちょこっと出てきた、暮井坂俊を
メインにしていきます。ご期待ください。