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どうでもいい推理3

 木場が俺狙い?

 どういうこと?

 え? マジでハーレム状態だった? いや、まさかそんな……


「普通はレイプ犯なら距離を置く、あるいは敵意を見せて排除する。なのに貴女は自分からレイプ犯かもしれない人物の側で寝ることにしたのでしょう? 疑惑があるのにそれは変ですよね。まるで、次は自分をレイプしてください・・・・・・・・・とでも宣言してるみたいではないですか?」


「ん」


 いやいや、流石にそれはないって。なんだその面倒臭いやり方。

 好きなら好きと言えばいいじゃんか。


「自分からは好きとは言えない。でも向こうから襲ってくれば言い訳はできない」


「最初は、来てくれればいいな。程度」


 うわ、光葉まで参加しだした。

 というか、二人とも、決めつけてるのはいいけど外した推理だった場合凄く恥ずかしいこと言ってるぞ? 分かってる?


「でも、修君は襲わなかった」


「それが貴女に火を付けた。なんとしてでも、あるいは相手を追い詰めてでも自分を襲わせようと、本人同士で解決していたレイプ事件を持ちだした」


 いやいや、強引過ぎるだろ十勝さん。

 それにどんな理屈だよそれ。レイプされなかったからレイプ事件を白日の元に晒すって。


「本来であればこれで忌引さんと引き離し、女性と会えるのは自分のみにし、そのまま自分だけを見る男にするつもりだった」


 んな女がいるか。

 ストーカーなんかよりヤバいだろ。

 あれかな、洗脳するタイプの女性ってことか。


「でも、これも忌引さんの発言で失敗した。まさか忌引さんが沢木君をそこまで必要としてるとは思っていなかったんでしょう。そして次に狙っているのは……」


「……もう、いいわ」


 そうだよな。こんな妄想垂れ流されても不快なだけだよな。

 そもそもそんなつもりはないだろうから、ずっと聞き流してるだけかもしれないけど。

 聞き流すのも限界になったよう……


「そこまで分かってるとは、言い訳しようがないわね」


 嘘だろ!?


「あら、もっと言い訳やら逃げる口上を告げて来るかと思いましたが?」


「沢木君が逃げずに認めたのよ。私もみっともなく言い訳するつもりは無いわ」


 え? マジで?

 ドッキリどこ、プレート持った奴どこに居るの?

 いやいや、え? あの、木場が?


「廻りくどすぎます」


「仕方ないじゃない。私みたいなのに好きと言われても迷惑でしょう」


「木場さん綺麗ですから問題ないと思いますが」


「あら、綺麗だったら逆に告白されてるはずよ。でも私は男子はおろか女子にすら好かれない性格みたいだから」


「いや、木場の場合は雰囲気がな。声掛けたら潰すぞって雰囲気出してるから」


「……そ、そう?」


 今気付かされたといった様子の木場。まさか自身が近づくなオーラ出してたこと気付いてなかったのか。


「でも、なんで沢木さんなんです?」


「だって……初めて探偵みたいな人がいたのよ」


 なんだそりゃ?


「アレは、そう……転移する少し前のことだったわ。井筒さんが前の授業で使っていた消しゴムがないと喚いていたことがあったの」


「ああ、なんだか大騒ぎしてたときあったね。確かアレは……そういえば沢木君が解決したんだっけ?」


「解決っつか、皆の話聞いてたらわかるだろ、前の授業中に落下して、教壇下に潜り込んでただけだった訳だし」


「いや、分からなかったから皆で騒いでたんですけどね。でも、なるほど、それが木場さん的にはストライクだったんですね」


「ええ。突然立ち上がって教壇に潜り込んだと思ったら、井筒さんに消しゴム渡してトイレに行く姿が、なんだか恰好良くて」


 あれ、俺的には凄く注目されて恥ずかしかったからトイレ行く振りして授業開始まで教室から逃げてただけなんだけどな。


「だから、こんな現状だし、出来れば近づけたらと思ったの。でも、その頃にはもう、忌引さんが隣に居て……」


 どうにか俺と光葉を引き裂き、俺の隣に自分が来るように仕向けたかった、と?

 え、何ソレ、女って怖い。

 しかもそれを真面目な表情で皆を扇動しながら行おうとすることが怖い。

 これはストーカーに似ているが別種のタイプだ。

 しいていうのならば、劇場破滅型冷酷策士。げふんげふん。いや、何かよくわからない言葉になってしまった。クールヤンデレでいいかな? 略してクヤデレ?


 ……で、ドッキリプレートは何処かな?

 嘘でーすとか言って来る奴いないのか。井筒辺りが入口から飛び込んで来て言ってくれたりしないのか?

 既に光葉ルート確定した途端にモテ期到来とか、何ソレ、神様、俺何か悪いことした?

 あ、してるわ。めっちゃくちゃ言い訳できないこと光葉にしてるわ。

 つまりこれは、俺への罰、いや、むしろ死ぬ前の幸運……?

 あ、そっちの方が当ってる気がして来た。既に死亡フラグ立ってるから一生分の幸運が訪れてるとか。


 間もなく訪れるかもしれない死の足音に、思わずぶるりと震える俺だった。

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