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召喚されし者達  作者: カール・グラッセ
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休憩所での談話(2)

 俺の怒鳴り声で静まり返っていたその場だったが、誰かがぼやきだす。


「…何格好付けてんだよ。あんただって帰れないし、俺達がどうしようが関係ないだろ!」


「そうよ!この子の目の前で格好付けたいだけでしょう!何もできないくせに偉そうにリーダーぶって!」


まあ、そうだね。そうなんだけど…

フッとなぜかアンナさんに目がいってしまい目線が合う。

…合っちゃったよ。そして、すぐに俺の方が視線を逸らしてしまった。

後ろから何やってんだ、と武のボヤキが聞こえた気がするが気のせいだ。うん。とりあえず…


「確かに俺達もいきなり巻き込まれて帰れもしないし、あんた達が何しても関係ないわな。でもな、あんたらがここでギャーギャー喚き散らしたところで現実は変わらんし、喚き散らしたら元の場所に戻れるわけでもないんだよ。それがなんだ?少ない情報を惜しげもなく公開してこちらにできる限り誠意を見せてるアンナさんの善意を無視して集団でよってたかって喚き散らして素晴らしい大人だな。俺が王様やジュリウスさんやアンナさんの立場なら、『勇者』でも何でもない俺達を死体にして土掘って埋めるほうが面倒がなくていいんだけど、あんたらはそうされてもおかしくないのに考えもしてないだろ?俺達は今現在、彼らの誠意のおかげで今生きていられてるんだよ。」


そこまで考えてもいなかったのか、文句を言っていた奴らは黙っていった。


「アンナさん、不躾ですが… おいくつですか?」


「え、えっと… 今年15歳です。」


「…おい、さっき格好付けだとか騒いでいたやつ。俺の年齢は今年43歳だ!既に中年後半なんだよ!いまだに独身だけど、格好付けるもくそも中年が格好付けてもしょうがないだろうが!!」


半ば自棄で叫ぶと後ろで武と公彦が笑いを堪えてるのがわかる。武にいたっては肩をポンポンと叩いてきて演義ぶった態度と声色で言ってくる。


「真一君、犯罪者はいかんよ。犯罪は。」


「真面目な雰囲気で何言ってやがる!」


スパン!!といい音をさせつつ武の頭を叩く。


「バカ、今のはクリティカルで当った。マジ痛い!ごめん、悪かった!」


「ほほお、貴様の謝る態度というのは笑顔と笑い声でするものなのか、そうかそうか… 死ねぇ!!」


などと俺が武とやりあっていたら公彦が爆笑しだし、その様子を見ていた他の人達も次第に笑っていっていた。まあ、確かにアンナさんが責められるより俺が笑い者になって場が和めむ方がいいんだが…が!なんだか納得いかん!


「見ろ。お前の犠牲によって場が和み、みんなが笑顔になった。お前はいいことをしたんだ。さすが俺の自慢の連れ、真一だ。」


「誰のせいで俺が笑い者になったと思ってんだ!第一、てめえがドヤ顔で言ってんじゃねー!」


言いながら武を蹴る俺を見てさらに笑う周辺の人達。

まったく… 納得はしないし、したくもない。

が、まあさっきの雰囲気よりはいいからしょうがない…

こいつ(武)は殴るけどな!

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