謁見(2)
なにやら色々ぐだぐだです。
ごめんなさい。
ほどなくして騒いでいたおっさん達が王の間に連れてこられた。
なぜか全員縄に縛られた状態で。何やったからって縛られたんだ…
それから王とジュリウスの視線が交差し頷き合った後、ジュリウスがしばられたおっさん達の前で魔水晶を掲げてボソボソと何か口に出した。恐らくさっきの口上なんだろうけれど、そうであって欲しくないのか聞き取れないほど小声だ。公彦も苦笑している。
「認めたくないよね。」
言い終わった後はやはり何も起こらない。
そう、勇者の選定とか言われていたがまさかの変化なしだ。
王とジュリウスは二人で近寄りあい何かをヒソヒソと話しているが俺達は待たされたままだ。
そんな沈黙の中突如として音が鳴り響く。
『ギュルルルルル~~~』
武の腹の音だった。
「いや、食事中だったし、ほとんど食ってなかったし!?しょうがないだろ!?」
「や、武、わかってるよ。お前のそのみんなを和ますための犠牲心。俺は心から忘れない。」
「うん、さすが武だね。学生時代から周りの雰囲気を和ますぶち壊すそのマイペースさ、変わらないよね。」
三人でそんな会話をしていたら、周辺からなにやら笑われる声やら王とジュリウスからも面白いものを見てるかのような目付きで見られていた。
「ジュリウスよ。この者達に食事の用意を。それとワシも会談しながら食事を取るので同席じゃ。」
「わかりました。」
ジュリウスさん、あなた神官さんだよね…?執事と化してないか?
そんな突っ込みを入れたいがそこまで仲がいいわけではないので言いたいのを我慢しておく。
「みなすまなかったな。私達もあまりのことが多すぎて動転しておった。」
「いえいえ、そこは私共も同じですのでお気になさらず。」
「そう言ってもらえるとありがたい。」
ふと、疑問に思い武と公彦の二人に向き直り話しかけた。
「なあ、なんで俺が王様と話してるんだよ。誰か代表者役やれよ…」
「いや、俺はやらねーよ?ってか、こういうときって自然とお前よくなるよね。それにお前やらずに例のクレーマーのおっさん達やらヒス女達が代表者になったらどうするんだよ。それこそ話にもなんねーじゃん。諦めてまとめ役やってくれ。」
「真一君も昔から立ち位置というかそういったところ変わらないよね。面倒見がいいというか自然とリーダーになってるというか。」
や、ホントお前ら二人も変わんないよ。数年振りにあったにも関わらず学生時代の頃とまるっきり会話内容が変わってないような気がするし…
うん、諦めよう。
そんな会話をしていたらジュリウスがこちらへ近付いてきた。
「では、食事の用意ができるまで飲み物などを飲みつつお待ちください。こちらの者に案内させます。アンナ、アンナ!」
「はい。」
周辺からフードコートを着ていた一人が進んで出てきてフードを取った。
「このアンナは私の弟子です。何か御用や質問があればアンナに聞いてください。」
「わかりました。」
…や、俺が返事したけどやっぱり今のまとめ役は俺なのか!?




