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召喚されし者達  作者: カール・グラッセ
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人族本陣(2)

ゴールデンウィーク、お疲れ様でした。

恐らくほとんどの方がお休みだったかと思います。

関係なく働かれてる方がいらっしゃったらそういった方々に対してもお疲れ様です。

連休終わって学校しかし、会社しかり再開する方も多いかと思いますが休みボケなどに気を付けながら頑張りましょう。

筆者も本日から仕事開始です…

3族会議の時に麻の服を着ているのはわかったが明らかにそのときよりも服がボロボロでその姿はとても魔王には見えない。むしろ…


「見た目、マジで村人かもしくは乞食やん。」


みんなが心の中で思ってたことが思わず口に出た武に対して真一は何かを投げつけた。

それは真っ直ぐ武の口の中に入り武は咳き込んだ。


「げほっげほっげほっ!!真一、てめえ何しやがる!」


投げ込んだ当人の真一はすぐさま反論した。


「うっさい!村人はともかく乞食はやめい!」


「てめえ、自分の格好わかってんのか!乞食以外の何に見える!」


「えっと、真一君、ゴメン。僕も乞食に見えた。」


「ワシもじゃ…」


「私もです…」


「じゃ、しょうがねえな…」


公彦に続き、レオナルドとジュリウスまでが肯定すると真一は大人しくなった。


「てめえ、俺だけこの反応ってのはなんだ!?納得いかねえ!」


「しゃーねーだろ。お前だし。」


「ほら、二人共今はそれどころじゃないんだし、抑えて抑えて…」


ようやく騒ぎが収まったといことで改めてレオナルドが話し出した。


「真一殿、わざわざ来てくれたということはここで話し合うということで構わんかな?」


「ええ、それは構いませんがまだロキは来てないようですね?」


「ロキ殿か… 魔皇帝殿が人族の本陣へと来てくれるかどうか… 難しいところじゃと思っておる…」


「何せ魔皇帝ですからね…」


レオナルドとジュリウスが唸っていると、公彦は真一を見直して聞いてみた。


「ところで会議の時、戦ったり話したりしてみて真一君としては魔皇帝に対してどう思った?」


質問された真一は腕を組んで少し考えると話し出した。


「竹を割ったようなスッキリとした性格だな。ぶっちゃけ、女版武みたいな感じで話し易い。」


「それって褒められてんのかバカにされてんのかわかんないんだけど?」


突然声がしたかと思うと真一の後ろにロキが現れた。

真一を含めその場にいた者達は全員驚き一瞬硬直する中、ロキはそのまま真一を襲う。

指を閉じ、手で咽仏を突くようにしてきたロキの手をかわしながら手首を掴み肘の逆関節を取りに行く真一。

その真一の動きの狙いを悟ってロキは自分から手首を返しながら肘を曲げ真一へと接近し、そのまま真一へ頭突きを突き入れた。それに対して、真一はそのまま頭突きを頭で受け止め派手な音をさせながら話しかける。


「ずいぶんと物騒な話しかけ方だな。」


「そう?そういう割には真一には全部綺麗に受け止められちゃってるけど?」


「体が勝手に反応しただけでいまだに驚いてるよ。」


「じゃあ、驚かせるのは成功したからよしとしよっかな。」


クスクスとロキが笑いながら頭を離すと同時に真一も頭を離し同時に手も離す。


「まったく… ロキちゃん、早すぎるよ~… 追いつくのも大変なんだよ~?」


ぜ~は~と息継ぎをしながらドワーフ族の女の子もいつの間にかロキの傍に現れた。

真一が辺りを見回すとキンバリーの足元になにやらマークが見えた。

すぐさま真一の視線に気付いたキンバリーはニコリと笑顔を浮かべ真一に頷いた。


「さすが真一様。気付くのが早い。そうです。ロキ様とリーゼロッテ様が突然現れたのは私の足元のマークが原因です。」


そのキンバリーの言葉にその場にいた魔族以外の者達はそのマークを見た。

真一は首を傾げて顔をロキへと向けて話しかけた。


「ロキ。この移動手段は見たことがないんだけど、これは普段から使ってるのか?」


「ううん、普段は使わないし、使ってるところ自体あまり見せたらいけないって魔族の間でのきまりがあるんだけど今日は特別だよ。それに別にこれだけが秘密にしてたことじゃないしね。真一がどういうスタンスで魔王をするつもりなのかわからないからそれ次第だけど、真一がレオナルドに入れ込んでるなら俺達魔族はレオナルドが存命の間は人族と争わないようにするなんだ。この移動方法は真一とレオナルド達からその信用を得るために明かした秘密の一つ。そう思ってもらえるといいかな。」


ロキの発言を聞いてレオナルドは椅子から立ち上がりロキの前へと歩いていき、片手をロキへと差し出した。


「魔皇帝ロキ殿。人族代表として… このレオナルド感謝に堪えぬ…」


「礼なら真一に言いなよ。会議での戦闘で弱かったら人族と手を結ぼうなんて思いもしなかっただろうし、もし弱かったらさっきの戦闘でも三竦みでお互いじりじりと戦って終わってたかもしれない。真一が強かったから俺達魔族は人族と手を結ぼうと思っただけ。って、どうしたの真一?」


気付くと真一があんぐりと口を開いてロキを見つめていた。


「や、ロキが同盟を結ぶ信用のために秘密の一つを明かした…ってところでそこまで考えるやつだったとは…って感心したんだ。」


その発言にロキは目を細めて真一を見返した。


「…真一、俺のことバカにしてない?」


慌てて真一は首を横に振った。


「まっさか、俺がロキのことをバカになんてするわけないだろ。や、さすが魔皇帝ロキ様!天下一!」


「天下一が何なのかいまいち良くわからないけど… まあ、いいか…」


そんなやり取りをしていたら、ドワーフの娘がクスクスと笑っていた。

みんなが注目する中ドワーフの娘はその場にいる者達を見回して頭を軽く下げた。


「戦う以外でロキちゃんが楽しそうにしてるのってなかなか見たこと無いからビックリしちゃって… ごめんなさい。ゴホン、私は魔族でロキちゃんの相方してるリーゼロッテ・マイヤーと言います。一応、今の世代のドワーフの中で一番強いので長をやらせてもらってます。」


「…あれ?ランドルフが一番上じゃなかったのか?」


真一が一緒についてきたランドルフを見ると他の者達もランドルフに注目した。そんな中、ランドルフは横に首を振った。


「…ワシは副使になるくらいの地位なだけで長になるのは強い者。ドワーフの長は間違いなくそこのリーゼロッテ嬢。」


「そうなんです。なので、今後ともよろしくお願いします!」


真一が見直すとリーゼロッテはニコニコと笑いながら真一の目の前まで進んできて握手を求めていた。

素直に真一が握手を交わすと嬉しそうに握った手を上下させ喜ぶリーゼロッテだったが、そこでフッと真一は気になったことを口から出した。


「ん?性と名があるってことはリーゼロッテさんは貴族?確か魔族でも貴族階級の人達は性と名があるんだったよな?」


リーゼロッテは頷いて同意した。


「そうです。古代勇者様の影響で神族・魔族・人族はそれぞれ貴族階級と同じような階級分けがされてます。」


「まだまだ知らないことやら覚えないといけないことが多そうだなぁ…」


真一がウンザリした顔をしていると手を鳴らす音がその場に響いた。

みんなが音のする場所を見るとジュリウスが鳴らしたようで声を上げる。


「では、自己紹介が終わったところで人族・魔族・人族の魔王と揃ったので会談を行います。」


「そうじゃな、できれば早目に始めたい…」


と、レオナルド。


「まあ、変な小さいのがいないからすんなりと進むはずなんだけどな~」


握手していた真一の手首とリーゼロッテの手首を左右の手で掴み引き離すロキ。


「…俺がなんでこんな会談に呼ばれたのかいまだに納得いかないんだけど…」


握手を剥がされながら、肩を竦めつつボッシュを見る真一。

周囲の人族の兵士達は走って椅子を円になるように持ってきた。

一応、魔族・人族・人族の魔王がそれぞれ対になるように座り、更に後ろにそれぞれの付き従ってきた者達が座る椅子が用意され、みんな自分達の座る椅子を見定め移動した。


「では、魔族・人族・人族の魔王… この三軍での会談を行います。」


ジュリウスが自分の椅子の前にて響き渡すように会談の宣言を行った。

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