マシュマロのようにとろけそうな胸のふくらみは超絶きもちイイんです!
今日は4月にしてはとても暑い。こんな日は男子は上着を脱いでシャツ姿、女子もベストを外してブラウス一枚になっている。
そんな日は女子の背中に、男子生徒たちの目は釘付けになってしまう。
白いブラウスの背中に、ブラの形状が透けて見えて、なんとも色っぽいからだ。パンチラ、おっぱいの谷間チラに続いて、これが好きだという男子は少なくないはずだ。
最も多いのがスタンダードで清潔感あふれる、横一線のまっすぐなラインのもの、ホックのところだけがポイントになっていて、これを外す妄想に駆られそうになってしまう。
背中の部分が×点、つまりラインがクロスになっているブラをしている子もいる。おそらくフロントホックになっているのだろう。オシャレなスリム女子に多いパターンだ。
幼い感じの女の子はスポーツブラの場合もある。この場合はホックがないので平坦な感じだが、そこがまたいたずら心を誘う…場合もあるかもしれない(笑)。
Fカップ以上と思われる大きなバストの女子は、しっかりと大きなおっぱいを支える頑丈なワイヤー入りのブラをしているので、背中のラインもやや太目のしっかりしたものになっている。でも外国製のものが多いらしく優雅なレース模様に縁どられていたりして、これもまた色香がある。
まるで美しく咲き乱れていているお花畑のようだ。
男子たちは揃って二ヤけた顔だ。僕も負けじと、女の子たちの背中を鑑賞しようとした瞬間、
「遠藤くんって、勇気あるのね」
って落ち着きはあるんだけど、ソプラノ的な可愛い声がした。
犯罪を警察にみつかったようにビクッと肩をふるわせ、僕が振り返ると、そこにはほとんど話したこともない長野瑠美さんがいた。
クラスで一番発言力があってハデな女の子たちのグループのリーダー格だ。
えっ、僕に話しかけているの?
「ごめん、どういうこと?」
と僕が聞き返すと、
「あの実親くんに立ち向かった姿、女の子たちにも話に出てて、みんな、ずごいねっていってたよ」
いやいや、全然すごくないって。
「僕はただ殴られて、気絶しただけだよ。カッコ悪いだけだから」
長野さんは僕の体を軽くはたくようにタッチしながら、
「もう、ケンソンしちゃって。勇気ってすごいなって、私も思ったもん」
って微笑んだ。
僕たちが話しているところに、なんだか視線を感じた。
小泉さんが女友だちと話しつつ、僕たちに視線を向けていた。が、すぐに彼女は友達のほうに顔を向けて談笑に戻った。気のせいか、小泉さんが僕の行動なんて気にするはずもないものな。
そのとき、一時間目のチャイムが鳴って、長野さんは、
「じゃあ、またね!」
って僕に手を振って去っていった。僕も軽く手を振り返した。「またね」って「また」はもうないんじゃないか、と思いつつ。
その後、男子生徒たちからも実親との一件で、何度か声をかけられた。僕はいつの間にか校内のちょっとした有名人になっていたようだ。
「殴られ屋」
「あの乱暴者、実親とやり合った男」
というヒソヒソ声が時折、僕の耳に入ってきた。それどころか、
「実は校内最強説。実親を追い出した陰の実力者」
という話もあったようだ。
実親は僕を殴ってから、学校には一度も出てきていない。それだけにウワサはどんどんエスカレートしているようだ。
昼休み、僕は長野留美さんたちのグループに囲まれた。そして5人の女の子たちから次々に質問責めにあった。
「実親くんをやっつけたんだって? 格闘技やってるの?」
「体鍛えてるんでしょ、腹筋見せて」
こうしたシチュエーションを「ハーレム状態」というのかもしれない。確かにいろんなシャンプーの香りや、なかには香水をつけている子もいて「女の園」って匂いがたちこめている。「長野さんグループ」だけに、女の子たちもオシャレでみなきれいだ。
だけど知り合いでもない人たちに囲まれるのは、相手がたとえ若くて容姿のいい子たちであろうと、リラックスできるはずはない。しかも次々に見当はずれの質問が来た日には、言葉も出なくなって、僕は固まってうつむいてしまった。
長野さんも、
「遠藤君はいま。彼女はいるの」
と聞いてきた。僕がやっとの思いで、
「…いない」
と小さな声で答えると、隣の女の子が、
「じゃあ、好きな子は? いるんでしょ?」
とたたみかけてくる。好きな子? 好きな子って…えーと…。
頭の中がぐるぐるして、息が苦しくなる。
そのとき――、
小泉さんが風のようにやってきて、
「遠藤君、内野先生が呼んでいるよ! 職員室に来いって!」
と、僕の腕を両手で引っ張って、長野さんグループの中から引っ張り出してくれた。
小泉さんはそのまま、僕の右腕に、自分の両手をからめて僕の体を運ぶように廊下に移動させた。
そのはずみで、僕の右ヒジが、彼女のおっぱいの横に吸いつくように横乳の下側に接触する。彼女の横乳がかすかに変形するのが生々しく感じられる。ああ柔らかい、とろけそうだ。ボディソープの香りだろうか、ほんのかすかに甘い香りが感じられる。さっきの子たちと押しつけがましい匂いとは違う、知らぬうちに引き寄せられてしまいそうな香りだ。
職員室にそのままの態勢で2人で移動する。
僕の感覚は右ひじに集中する。ああ、素晴らしい感触だ。おそらく僕は右ヒジを彼女の白い乳房にグリグリと押し付けてしまっていたのだろう。もう全身が右ひじになってしまった気分だ。
彼女も気づいていたはずだが、嫌な顔はしていなかった。
僕もそれに乗じてより右ヒジで彼女のバストをさするように動かしてしまっていた。
しかしさすがに、職員室の近くに近づくと僕は我に返った。そして彼女もそこで、急に立ち止まった。そして、しばらくそのままの位置で動かない。
僕は小泉さんに聞いた。
「職員室で先生が呼んでるって言ってたよね?」
小泉さんは目を伏せて、こう言った。
「あれ、嘘なの」
「えっ⁉」
僕が驚いた声を放つと、彼女は
「遠藤君、長野さんたちに囲まれて…困ってそうだったから…」
小泉さんは顔を赤らめる。
また、そのとき――、
向こう側から騒がしい野太い声が響いてきた。大勢の男子生徒たちが大声で話しながらこちらに向かってくる。
「やったぜ! 今日はサッカーだ。」
「俺は今日ゴール決めたらクリロナのポーズやるぜ!」
2人で密着しているのを見られたらまずい。そう思って、とっさに二人は、廊下の張り出しの陰に隠れた。
狭いところに隠れたので、僕たちの体は思わぬ姿勢で、よりぴったりと密着した。
僕は体の前で腕をクロスした姿勢で、両方の手のひらが上を向いている。
そしてその手のひらの中には、彼女の両方の乳房の下側がのっかっていた。マシュマロのようにトロけそうな手触り、それでいて少し動かすと絹のような滑らかさですべっていく。そして指にからまるように吸いつく柔らかな下乳からは彼女の体温がじかに伝わってくる。ああ、とても気持ちいい感触だ。
小泉さんの目はうるんでいる。でも嫌がっている感じではなく、心なしか息遣いもあやしい感じの吐息になっている。僕の指も感触を楽しむようにかすかにうごめいてしまっている。
ああ、もう我慢できない。僕の頭に血が上っていく。限界だ、もう自分を抑えられそうにない。
「おい何してる! もう授業始まるぞ!」
びくっと振り向くと、そこにはホントに内野先生がいた。いつの間にか休み時間は終わっていた! 先生がそれ以上言わないのは、僕の指と彼女の乳房が僕の背中で死角になっていたからだった。危機一髪だった。
小泉さんは赤らめた顔で僕に軽くウィンクした。僕も返そうとしたが、両目をとじてしまっただけだった。かっこ悪。